2022年11月30日水曜日

あれから3年

   2019年秋に近江の坂本に集ってから3年以上が経過した。わが退職者会の集合した行事である。
 
 私事で言えばその間に何回も病院のお世話になった。それは何となく私だけのことのようにも感じていたが、今般交流してみると、間違いなく誰もが重い3年を背負って潜り抜けてきた。

 振り返ってみて、コロナというのは酷い奴だった。その3年という時間の流れも残酷なものだ。
 いろんな反撃をせずに「嵐の過ぎるのを待つ」わけにはいかない。
 重症に近い体調でも参加してくれた友がいる。参加はできないがと記念品のポストカードを作ってくれた鉄ちゃんの友がいる。家でできたフェイジョアや旅行土産を持参してくれた友もいる。足の悪い参加者の介護を担ってくれた友がいる。

 複雑な気持ちもあるが雨天決行でよかった。
 一番元気を貰ったのは私だろうと思う。

 PS 読者の文芸・俳句欄に古い友人の名を見つけた。
   私は、この頃はどうも感受性が鈍っている。
   さあ、元気を出そう。

2022年11月29日火曜日

スポーツマンシップ

   五輪組織委員会と有力企業が寄ってたかって違法談合を繰り返していたと摘発されている。
 そのこと自体は後日、少しまとめて書く必要があると思っている。

 今言いたいことは、有力なアスリートたちが揃って口を噤んでいることの情けなさである。
 スポーツマンシップって何でしょう。
 フェアプレイのスピリットって何でしょう。

 ワールドカップ対ドイツ戦の前にドイツ選手が「口を覆って主催国の人権問題に不同意」の姿勢を表したことに、多くの先進国は賛辞を惜しんでいないが、日本だけは「スポーツに政治を持ち込むな」的なスローガンに隠れて、「スポーツ馬鹿」ぶりを発揮した。

 ならば、オリンピック、パラリンピックを嘘と金もうけで汚した今般の事態に、どうして「けしからん」の一言が言えないのか。

 ファンなるものもそうだ。ドイツ戦に勝った時は日本という国が世界一になったかのように発言し、コスタリカに負けたら「俺は知らん」みたいに振舞うのもいただけない。
で、私は敗けた日本チームにも勝ったコスタリカチームにもエールを送る。

2022年11月28日月曜日

なれたらあかん

   初代デジタル大臣を務めた平井卓也衆議院議員が代表を務める政党支部が、政治資金パーティー券1020万円分の購入を企業に求めながら、出席者は3人に絞るよう依頼していた。

 写真の「依頼文書」のとおり、「10人分購入してくれ」「来るのは3人にしてくれ」と露骨に書いていて、情報提供者の保護のため数字部分は黒塗りにされているが、その下には「お手元所有参加券番号(ご出席依頼人数3名分)NO.●●NO.●●」と記載さているという。

 10人ー3人で残り7人分の飲食代が浮いて儲かるという計算。
 
 実際、「励ます会」の収入は2447万円と収支報告書には記載されていて、参加費は一人2万円なので少なくても1238人分のパーティー券が販売されたことになる。
 ところが、「会場のホテルに取材すると、当日は感染防止対策のため立食パーティーではなく、メイン会場と映像中継でつないだ三会場に間隔を空けて椅子を置き、用意した座席数は計630席だった」と毎日新聞が報道している。
 
 とすると、少なくても608人は出席しなかったと推測でき、1216万円は寄附として会計処理しなければ虚偽記載となる。

 よって、神戸学院大学の上脇博之教授などが、平井議員ら2人を政治資金規正法違反の疑いで刑事告発した。
 以上、フリージャーナリスト・鈴木祐太のFBを参考に記述した。

 統一協会との関係といい、このような「政治とカネ」のことといい、安倍内閣以降の自公や維新の不真面目さは底なしの状況だ。
 新しいところでは秋葉賢也復興相の「選挙運動員買収」も出てきた。
 民主主義の敵はファシストでも何でもない、「民主主義の敵は無関心だ」という箴言があるが 〽なれたらあかん~なれたらあかん。


2022年11月27日日曜日

冬の楽しみ

   しんぶん赤旗が「冬の楽しみ」の投稿を募集したので雑文と写真を送った。

 たいした内容のものではないが、●冬の楽しみは孫たちとのバーベキュー。●斧や火打石で孫にも「達成感」が。●冬こそバーベキューの季節・・というもので、友人たちからも感想メールが届いた。

   話は変わるが、26日に近所でちょっとしたフェスタがあった(27日もある)。
 思いの外たくさんの人々が集っていて驚いた。
 わが家のバーベキューとは話にもならない大きな規模のものであったが、思うに、人びとは「お祭り」を待っていたように思う。
 写真は夜の花火。

 私も大いに関わっていた老人ホームの「夏祭り」もコロナ後中止が続いている。
 ああ、「雌伏」を続けているうちに「雄飛」の方法を忘れてしまいそうだ。

 冬のバーベキューを計画して、「集合して語り合う楽しみを思い出そう」と呼びかけようかと思いつつある。
 ご同輩の皆さん。「雄飛」を覚えておられますか。

2022年11月26日土曜日

秋の遠足バージョン変更

   先日のブログで「某放送局のラジオまつりが雨天になったのは日頃の徳が積めていない雨男がいたからだろう」と書いたが、わが退職者会の秋の遠足予定日も『雨』の予報である。
 「あんなこと書くからや」と妻が笑っている。

 どこかのテレビ局の気象予報士ぐらい「降らない」と言っていないかとチャンネルを切り替えても無駄だった。元ネタの大阪管区気象台は優秀だ。

 さて、元々「小雨決行」と触れていた我が会の遠足だが、メディアの予報はどこも「小雨」というよりも「中雨」以上と言っている。そこで「中雨決行」で企画を修正しようと思っている。参加予定の皆さんには何卒ご了解をお願いしたい。※紛らわしいので早い話『雨天決行』です。
 また、「当初案では体にキツそうだったがこれなら参加できそうだ」ということで新たに参加というのも歓迎だ。ということで・・・・

 近鉄「生駒」駅までのアクセス等は変更なし。
 10時10分に「生駒」駅の一番大阪よりの西出口改札口集合も変更なし。
 集合後ケーブルカーの「鳥居前」駅に徒歩移動。10時20分発車だから少しだけ急ぐ。ここまでは変更なし。

 さて、元の計画では「生駒山上」までの切符を購入となっていたが、「宝山寺」駅まで¥290の切符購入に変更。PiTaPa は対応なし、現金のみ。
 10時25分に「宝山寺」駅到着。切符は渡す(当初は「生駒山上」までの切符を渡さないとなっていた)
 徒歩にて、雲海などを見下ろしながら(?)宝山寺(お寺)に向かう。
 ここから「宝山寺」駅からの往復とお寺の境内散策に55分あり。
 もし、物足りない強健の方は『奥の院』まで参拝する(健脚なら可能)。
 健脚ではない標準組は境内のみ参拝・散策。
 もちろん、御朱印、御祈祷、お守り等自由行動可。
 自分の財布でもって拝殿前の『巾着』をなでると金運ザクザク。信じる者は救われる。こんなことも可。
 11時までに、土産物店の和光殿に集合。名物「宝山寺味噌」など土産物種々あり。11時05分にケーブル駅に向けて出発。
 「宝山寺」駅にて切符¥290を購入して、11時20分に、帰路「鳥居前」行に乗車。
 近鉄生駒駅で「石切」までの切符購入(近鉄はPiTaPa可)。大阪方向行の電車(先頭あたり)に乗車。ただし特急と快速急行は絶対に不可。ということで11時32分の急行・難波行に乗車。
 最初の駅「石切」で下車、ホーム前方の階段を下る。
 石切駅から参道を散策。石切剱箭(いしきりつるぎや)神社参拝・散策。
 門前あたりの食堂で昼食・交流。
 最後は地下鉄中央線(近鉄けいはんな線)「新石切」まで歩いて解散。
 なお、新石切駅近くにスイーツの「シェ・アオタ」あり。私は「石切もちどら」(どらやき、5個入り¥1430を買って帰るよう妻から厳命を受けている)。
 雨なんかに負けないぞ!

2022年11月25日金曜日

輪っかでないリース

   以前、庭にユーカリを植えたことがあるが、思いのほか大きくなりそうなので恐れをなして引っこ抜いたことがある。
 ユーカリは青酸化合物を含みかつ消化が困難な成分を多く含んでいるので、哺乳類ではコアラとフクロモモンガ以外は食べないそうだ。
 そして(だから)、コアラは1日に20時間ぐらい寝て、その間に長い盲腸の中のバクテリアの助けを借りて消化して栄養源にしているらしい(池田清彦著『生物学ものしり帖』)。

 それほど効率の悪い生き方でも、他の動物との取り合いを避けるメリットの方が大きいということだろうか。
 このことだけで結論めいたことは言えないが、「進化論」は解らないことだらけだ。

 さてそのユーカリだが、相当強い香りがあり、それには主に呼吸器系の抗菌、抗炎、抗ウイルスなどなどの作用があるというから、その話の限りではコロナ時代の救世主に見える。ただし、だからといってオーストラリアの感染者数が低いと言う話も聞かないが・・・

 知人から、そんな話を添えてユーカリのリースをいただいた。クリスマスの飾りもついている。
 これでわが家には対コロナウイルスのバリアが張られたことになる。
 私がしばしばイベントに持参する「パカッと割れる」くす玉も、そのルーツは「薬玉」の名のとおり薬草のリースだったから、なにも驚くような情報ではない。

 ただこのユーカリの香りは、好き嫌いがあるだろうが少しキツ過ぎる。
 世はアロマ大流行りだが、わが家は参画していない。
 もしかしたら私は、様々な菌やウイルスに毒され過ぎているのでこの香りに馴染めないのかもしれない。

 


2022年11月24日木曜日

しろばんば

   井上靖の小説『しろばんば』の「しろばんば」は、綿虫のことらしい。
 幾らかの虫(種類)の総称らしいが、雪の降らないわが地方では雪虫というよりもやはり綿虫だ。

 写真は、スマホで撮ってパソコンで拡大したので、白いゴミくずみたいだが、普通に飛んでいる姿も全くゴミくずみたいだ。
 翅や脚や触角など普通には判らない。

 風の穏やかなときに何処からともなく漂ってくる。晩秋の風物詩だと愛でている。

 長閑にそんな感想を書いているが、ガスや電気やインフラを破壊されたウクライナにはどんな冬がやってくるのだろう。
 彼の地の子ども達が、「しろばんばだ」と呑気に語れるように祈るしかないのが口惜しい。

2022年11月23日水曜日

切火 カチカチ

   焚火(たきび)の季節がやってきた。
 焚火の際、近頃わが家では、孫の夏ちゃんがファイヤースターターで着火する決まりになっている。
 ファイヤースターターの原理は火打石だが、どことなく少しバタ臭いという感じがしないこともない。

 そういう火打石と切火(きりび)のことは、野鳥の尉火焚(ジョウビタキ)のことや銭形平次親分の映画を牽いて何回かブログに書いてきた。
 
   そもそもホモサピエンスは、火を手に入れたことによって他の動物と一線を画したという説には説得力がある。
 ギリシャ神話ではプロメテウスが天界の火を人間に与えたが、古事記では叔母ヤマトヒメがヤマトタケルに「火打石と火打金」を与えている。ということは、それ以前に火を使いこなしていたことになる。

 ヤマトタケルが焼津の野で焼き殺されようとしたとき、この火打石と火打金で草に着火して向火を放った。そのとき草を刈ったのが草薙剣(くさなぎのつるぎ)という例の話。

 そういう風に各種神話に「火」が登場するのも感慨深い。
 私は、最も古い世界宗教はゾロアスター教(拝火教)だと考えている。そして、その「火」を貴ぶ精神はその後の世界宗教などの精神に引き継がれていると考えている。
 だから現代でも、大きく大事な宗教行事に使われる「火」が、燧臼(ひきりうす)・燧杵(ひきりきね)や火打石・火打金もような、素朴な方法で着火されるのは単なる伝統や踏襲だけではないように思う。

 平次親分が出かける際。女房のお静が右肩の後ろからカチカチとやる切火も味がある。
 邪悪な者は神聖な火を嫌うのである。
 そんなもので今般、ファイヤースターターは持っているには持っているのだが、石英の火打石と火打金(火打鎌)を新たに手に入れた。「これは切火用で着火はできない」かのような説明だったが、十分に着火も出来た。

 上の写真のとおり、孫の凜ちゃんに切火をしてあげて、凜ちゃんの前途に邪悪な者どもの侵入がないようにお祓いをした。
 下の写真は、その火打石に興味を持った凜ちゃんが玩具代わりにカチカチと切火に挑戦したところ、まさか着火から火事にはならないだろうが、早々に取り上げた。

 「火遊びをしたら寝小便をする」と言われているが、元々夜中にトイレに起きるから火遊びも大目に見てもらおう。なにしろ神聖な火で遊んでいるのだから。
 天つ神 國つ神 八百萬の神たち 我が孫たちを守り給え 急急如律令(急急に律令の如くせよ) カチカチカチ。

2022年11月22日火曜日

まるで脂なべ

   「縁は異なもの」というような艶っぽい話ではないが、私は高校生の時分から友達とホルモン屋(今でいう焼き肉屋)に行っていたほどではあったが、どういうわけか今日まで「もつ鍋」とは縁がなかった。

 大層なポリシーがあって避けてきたわけではないが、「もつ鍋」がブームであった頃はミナミにたくさん「もつ鍋屋」が誕生したが、どこも若い女性たちが行列をなしていて、そこまでして並ぶ気もしなかった。そして、そのうちにブームも去って、私も疎遠になっていた。ただそれだけだった。

 先日、それが食卓に上った。
 「いっぺん食べてみようかと思って」と妻が生協で取り寄せたもので、写真にあげたものではなく醤油ベースのものだった。

 そして「もつ」は何だろうと覗いたら、それは「腸」だった。つまりテッチャンだった。スープは脂たっぷりで、テッチャンは、イメージとしてはすき焼き鍋に挽いた後の牛脂(ヘッド)みたいに脂の塊だった。

 私はというとすき焼きの牛脂を好んで食べる方だが、この「もつ鍋」の脂っこさには妻が降参の手をあげた。
 若い女性がこれを食べると「お肌がつやつや」かもしれないが、成人病を指摘されている身には時限爆弾に火薬を増量しているような気もした。
 「いやいや、こういう「もつ鍋」は美味しいよ」という話があれば教えていただきたいが、わが家の食卓には二度と「もつ鍋」は上がらないように思う。

2022年11月21日月曜日

カエルの手

   季節が進んで、庭の落葉樹がいっぺんに散り始めた。
 写真の葉っぱはハナノキ(花の木)で、ハナカエデともいう。
 楓(カエデ)は広辞苑を引くと『蛙手(カエルテ)の約』とある。
 テレビのベニシアさんの番組のタイトルは「猫のしっぽカエルの手」だったような気がする。

 毎年、秋冬の到来の仕方で紅葉(黄葉)が随分と異なる。ピンクがかった真っ赤に染まる年もあれば茶色くなって散る年もある。
 スパッと寒気が来た方が綺麗に紅葉する。

 今年のわが家の紅葉は「もひとつ」というか「まあまあ」だった。
 日曜日の雨で絨毯のように敷き詰められたが、これは葉が大きいので掃除は難しくない。

 ケヤキやセンダンのような小さな葉っぱの落葉は少々ため息が出るがしょうがない。
 この「季節の移ろい」を感じたいので落葉樹を植えたのだから。
 …しかし、この清掃作業にいつまで体力が持つことやら。

2022年11月20日日曜日

くわばたりえ いいね!

   しんぶん赤旗(日曜版)11月20日号・裏の一面をかざして「見て見て」と妻が言ってきた。
 「漫才師やなくてタレントになってる」とも。

 というのも、先日、朝ドラ「舞いあがれ!」のくわばたりえについて「巧い!」と二人で語り合っていたところだったから。

 私の感想は、第一に、くわばたりえをキャスティングしてきたスタッフが図抜けてエライ。
 第二に、地のまま演じさせている演出が次いでエライ。
 第三に、芝居をしようと力の入ってない本人がエライ。というものだった。

 BK(大阪放送局)制作の朝ドラは、これまでも落語家など大阪の芸人の出演が少なくなかったが、ヘンに大阪的というかヨシモト的な個性を「これでもか」と強調する・・それが鼻につくケースが目立っていた。

 それが、今度の、くわばたりえ、その夫役の山口智充は、大阪の下町の役柄以上に出過ぎたことがなく、そのままで大阪の下町の夫婦だ。

 あまりに配役と合っているので、この先、くわばたりえが「役者」としてどこまで通じるかは知れないが、この朝ドラの限りではお見事!

 そして、日曜版・裏一面に持ってきた赤旗編集者もお見事!

2022年11月19日土曜日

馬印(うまじるし)

   「旗幟鮮明(きしせんめい)にする」との熟語もあるように、旗(はた)や幟(のぼり)はけっこう大切で、熟語からは外れるが、奈良公園・東大寺などを散歩していると、遠足や修学旅行を引率するガイドさんは必ず掲げている。

 だから我が退職者会も同様の小旗を持っているが、残念ながらひとつしかないので、ハイキングなどでグループが離れたりすると少々不便な時がある。

 今回も、本来の集合場所と、間違いやすい階段(出口)があるから、少し取り越し苦労を思っている。

 さて、戦国時代を考えると、旗や幟と同じように馬印(うまじるし)が使われている。秀吉の千成瓢箪は有名だ。
 これを思いついたのは百均で「伸縮性のバーベキューの串」を見つけたからだ。
 持ち運び時には短くなる。軽い。これをポール(旗竿)にしない手はないし、馬印のように作れば、風が凪いで見えないということもない。

 ということで作ってみたのが、写真の馬印。小さくても見えるのではないかと期待している。
 小旗用の伸縮性ポールはたしか3000円ほどした。それに対してこの製作費は200円未満というのが良い。

 さあ、馬印の下に集合じゃあ!

2022年11月18日金曜日

蔵相は女性?

   我が街にある某銀行の支店が廃止になる。
 賃金や年金などの入金とそのあとの市民が財布代わりの出入りでは採算が取れないというのだろう。

 街というものが生き物同様に成長し、成熟し、そして下り坂を迎えるということが実感される出来事だ。
 そこで、支店がある別の銀行に口座を開設して某銀行の方は定期預金の解約手続きに行った。
 向こうも慣れたもので「支店廃止のためですか」と言いながら、淡々と進めてくれた。
 素人考えでは、街全体では結構な痛手でないかと勘繰ったが、銀行側からすれば取るに足りない額なのだろう。

 その銀行の光景だが、いくつかの相談コーナーがあってそれぞれにメーンの椅子と、サブの椅子が置かれていた。サブの椅子には背もたれもない。
 そこで、私たち夫婦はメーンの椅子には妻が座って私はサブの椅子に座った。それは家計に係る仕事はほとんど妻にしてもらっているからである。

 そして、手続き途中の待ち時間に眺めるともなく眺めていると、他のコーナーでも圧倒的に女性がメーンの椅子に座り、男性はサブに座っていた。
 こういう日本の社会の現象は世界標準からは外れているだろうか。悪い意味でのジェンダー間の差別問題を含んでいるだろうか。
 定年離婚で亭主が追い出される話があるが、そことどこかで関わっているだろうか。
 銀行の中で、そんなことをツラツラ考えた。

2022年11月17日木曜日

古代研究

   角川ソフィア文庫全6巻『古代研究』(折口信夫)がNHK Eテレ「100分de名著」で放送されたが、そのすべてを見ることができなかったので、テキストを購入して読み終えた。 

 有名な「まれびと」論にはそれほど興味はないが、『古代研究』の各論も、そしてこのテキスト(上野誠)も非常におもしろい。

 特に『古代研究』は、民俗行事や芸能にぶつかる度に読み返している。

 外国の人々と会話が進んだ際(もうそんな機会はないだろうが)、自分の国や民族の文化を語れないようではグローバルも何もないだろう。

 昔、モリアオガエルの卵を外国人に説明したとき、日本語の解る人から「どうして緑色なのに青蛙なのか」と尋ねられたことがあるが、そういうこともある。

 (本日はここまで)

2022年11月16日水曜日

負けず嫌い

   血液型性格診断などはまったくもってナンセンスと私は切って捨てているが、「長男・長女にありがちな性格」や「末っ子にありがちな性格」という論になると、ちょっと納得できたりする。

 それでいうと孫の夏ちゃんは一人っ子で、やはり親たち大人に甘やかされて成長しているかもしれない。(知らんけど)

 先日は祖父ちゃんに将棋を挑んできたので、少しだけホンキで3連勝してしまったが、夏ちゃんの悔しがること、悔しがること。これまでは「誉めて育てる」方針でよく負けてあげてきたのだが・・・少し大人げなかった。

 この負けず嫌いが、この先に吉と出るか凶と出るか。それは祖父ちゃん祖母ちゃんの外のことである。

 もちろん、祖父ちゃんが「人生いろいろ負けてもよい」とか「悔しい分研究しろ」と言っても通じるはずもない。よけいに敗北感というか屈辱感を覚えるに相違ない。

 願わくは、この負けず嫌いが良い方に作用しますように。

2022年11月15日火曜日

予行演習

   11月2日のブログで退職者会ハイキングを計画したことを書き、そこではメンバーの足腰が心配だとも書いた。

 「膝の水を抜いてもらっている」「ヒアルロンサン注射を打ってもらっている」「平地を歩くのも辛い」等の声も少なくない。

 そこでNHKBSPの「こころ旅」で火野正平さんが山の上から「人生、下り坂サイコー」と叫びながら自転車で下るばかりの「旅」になっているのにヒントを得て、生駒山頂から下るばかりの、これ以上考えられないナマクラなハイキングコースを企画したが、心配事をひとつだけ残していた。

 それはケーブルカー宝山寺の駅からお寺の宝山寺までの階段が上りということで、計画している次の山上へのケーブルカーの発車時刻までに戻ってくるのが可能かどうかということだった。

 ということで、当日とほぼ同じ時間に、ケーブル駅~宝山寺の予行演習をしてみた。
 結果は、階段の「見た目」に驚かずに300mをゆっくり歩いて15分。
 宝山寺では奥の院参詣はパスして散策10分、
 下り階段15分、合計40分だった。
 計画では所要時間44分だからトイレも含めてクリアしている。

 なお、ここまでで腰を抜かした場合は、ケーブルカーで下山して近鉄石切駅まで「中抜き」して石切参道に向かう「奥の手」もないことはない。同じく山上まで行ってからこのエスケープもないことはない。

 おまけの話だが、宝山寺はとてつもなく「現世利益」のお寺だから、自分の財布で境内の「大きな巾着」などをなでて回る方々も多い。お金がざくざく、ご利益間違いないようだ。「1千万円」の石柱も珍しくない。ここは皆んなでなでなでして年金の増額を祈念いたしましょう。

2022年11月14日月曜日

童子と邪鬼

   12日に近鉄の大和西大寺で友人から、最新の労災認定基準についてレクチャーを受け別れた後、新装なった(といってもだいぶ以前のことだが)中央改札口を出た。
 そうすると南口周辺の整備状況も大きく変わっていて、真言律宗総本山・西大寺の門も見えていた。(以前は駅からはビルが邪魔をして見えなかった)
 その風景があまりに綺麗だったので、何度も行ったことのあるお寺だったが、行楽日和に誘われて西大寺を拝観してきた。

 丁度、秘仏・愛染明王坐像も公開されていたが、同じ堂宇に、ひっそりと二代目海老蔵の大きな奉納絵馬も久しぶりに公開されていた。 
 
 これは今般の十一代目團十郎襲名記念ということらしかった。
 歌舞伎十八番『矢ノ根』の絵馬は、愛染明王の模刻像(これは常に公開のお前立)を江戸で出開帳したとき、二代目海老蔵が愛染明王の衣装と化粧で登場した場面。衣装には三枡紋や赤い海老も入っていた。
 仏像に比べると江戸時代は近すぎるかもしれないが、当時の歌舞伎ブームが漂っているようで、私は仏像以上に見入った。

   次の写真は灰谷健次郎の小説『兎の目』の、兎の目をしている善財童子で、これは、片や邪気を踏んづけている四天王や憤怒の愛染明王よりも私は好きだ。
 というよりも、何かの理由で「邪鬼とされた」邪鬼の方に同情が湧いてきた。「いわんや悪人をや」でないか。
 「地獄に落ちるぞ」という風な教えが、マインドコントロール、霊感商法を下支えしていないだろうか・・・などと考え込む。
 西大寺の境内は静かでよい。

2022年11月13日日曜日

オーストリア・グラーツで

   プーチンのウクライナ侵略、習近平の独裁的な体制、それにトランプの復活か、というような国際報道でいくらか気分が塞いでいたが、小さいニュースながら、日本共産党の代表がオーストリア第2の都市グラーツの市長と会談したという記事に、世界は広いと悟らされた。

 というのも、会談したグラーツの市長がオーストリア共産党の市長というからで、私のイメージでは、オーストリアはかつて極右政党が連立政権に参加したり、政府首脳になっていたという記憶があったからで、また、国政ではオーストリア共産党が議席を失っていたという記憶があったからである。

 歴史は別にして現代のオーストリアのことは正直なところよく知らないが、旧ソ連の悪政を目の前で見てきた東欧の直近で、いろいろな困難があっただろうことを思えば、そんな中でウイーンに次ぐ第2の都市(といってもウイーンとは桁が違って小さいが)で、日本共産党の姿勢や政策に共感が広がっているのは面白い。

 ヨーロッパの共産党は、歴史的にはソ連追随などが多かったのでその辺りがどれくらい克服されているのか問題だが、日本共産党の明瞭な自主独立路線がヨーロッパ各国左翼党の中で注目されている事には明るさを感じている。

2022年11月12日土曜日

小春日和

   ここしばらく良い天気が続いていた。
 写真のような1センチぐらいの小さな虫も飛んでいた。
 一見昆虫には見えず、まるで紙製のゴミのように思えるが、ウンカの親分みたいなハゴロモだと思う。
 三角形のジェット戦闘機を思わせて恰好が良い。
 アミガサハゴロモ(編笠羽衣)ではないか。横から見ると阿波踊りや佐渡おけさの編笠みたいだし、幼虫はふわふわした白い蝋物質を出すので羽衣‥以上は私の想像。 

 連日小春日和である。これを英語でインディアンサマーというのはよく知られているが、なぜこういう気候をインディアンサマーと言うかについては百家争鳴・諸説紛々らしい。
 インディアンは、もちろんネイティブアメリカンのことを指しているのだが、穏やかな説としては「こういう気候はインディアンの多い地域によく起こる」というのから、反対の意見としては「霜柱が溶けて足跡が消えるからインディアンが襲ってくる季節」とか、「インディアンとの買い物ではよく偽物をつかまされるから『偽の夏』」というものもある。もっともっと諸説ある。
 私にはどれが本当の由来かは解らない。
 けっこう意地の悪い理由がほんとうだったということも世間にはある。

 明日13日の日曜日は久しぶりに本格的な雨らしい。
 わが家はABCラジオをよくかけたままにしているのだが、明日は万博公園で3年ぶりかの大イベント「ABCラジオまつり」が予定されている。
 で、こういう時には「雨男がいる」ということに昔からなっている。
 私も妻も、毒舌鋭いパーソナリティの「彼」こそ大雨男に違いないと意見が一致している。日頃、徳が積めていないのだろう。

 今日あたり気候痛(気象病)の妻が的確な低気圧予報を出すだろう。

2022年11月11日金曜日

壁塗り蜂

   庭に鎮座まします道祖神のお頭(おつむ)にドロバチが巣をこしらえた。
 毎日見ていたわけではないが、突然出現した(といっても1週間ぐらいだろうか)ので、手慣れた職人の突貫工事に思えた。
 ファーブル昆虫記にも出てくるカベヌリバチを想像させた。

 子ども用の図鑑だが、ドロバチ科のクロスジスズバチが怪しい。・・・14~21㎜、本州、南西諸島、1年中、家の壁など、蝶の幼虫・・・とある。

   周囲の様子をうかがった上で殺虫剤を吹きかけて、ドライバーで壊し始めたが、驚くほど頑丈で、セメント工事のようだった。これを砂埃と唾液で作ったのだから、やはり職人技だ。
 砂埃と書いたが、古い大きな植木鉢が経年劣化で徐々に外側から砂化しつつあるのが遠くないところにあるので、原材料はここではないかと思われる。そして唾液である。それにしてもすごい。

   外から見て最初から穴が三つ開いていたが、やはり部屋が三つあり、幼虫が3匹出てきた。可哀そうだが駆除をした。

   成虫になるまで観察したファーブルほどの研究心はない。
 
 ただ、卵を産みっぱなしの蝶や蜻蛉に比べて、わざわざ巣を作ってそこで育てる蜂はどこか賢く見える。
   もう少し違う場所だったら壊さずに放っておいて観察しただろうに。

2022年11月10日木曜日

十六夜

   前日が月食だったから 9日は十六夜(いざよい)。
 孫の凜ちゃんと「まん丸お月様」を観た。
 写真はスマホで撮ったものだから迫力がないが、実際は昨日並みの「ほゞ満月」。
 異称は既望(きぼう)。

 「いざよい」の意味は、満月よりも出るのが遅れているのを、「出るのをいざよっている=ためらっている」との意味。

 月の中の影を日本では兎の餅つきと見るが、世界各国では蟹だとか女性の顏だとかいろいろ。
 天皇即位(大嘗祭)などに掲げられる日幡、月幡の月幡の中にいるのはヒキガエル。これは正真正銘の道教。

 月と道教でいえば、かぐや姫のモチーフもそう。
 最後に富士山で不老不死の薬を燃やしてしまうが、この日本最古の物語の時分には富士山が煙たなびく活火山であったことを教えている。

 ことほど左様に、日本列島は地震大国。
 原発推進派は物理学の前に竹取物語を読むべし。
 新聞では遠くなくマグニチュード8以上の大地震に注意するようにとの発表が載っていた。
 コロナも怖いが大地震も怖い。
 そんなところに原発を並べて軍事費倍増というセンスの悪さよ。
 お月様、世界の皆に安寧を!

2022年11月9日水曜日

月に願いを

   11月8日の夜、442年ぶりだという皆既月食と天王星食を見ることができた。
 単純に442年のイメージを遡って確認すると、1576年に安土城築城、80年に石山合戦終了、82年に本能寺の変となる。

 歳をとるとものぐさになり、観測自体は少し本格的なフィールドスコープできれいに見たが、写真撮影はそれを使わず、300㎜望遠でそれも手持ちで簡単に撮った。442年ぶりなんだから、もっと本格的に撮ればよかったと後で思っても「後の祭り」だった。

   水金地火木土天海の天だから天王星食ははっきりとは判らなかった。
 ツイッターなどSNSでアップされているが、正直判らなかった。9日の新聞ででも見せてくれるだろう。

 民俗ということでは、月食や日食は、月や太陽が人間に代わって病んでくれていると考える地方がある。イエス様のように感じられる。

 よく似た感じで、人間の罪悪を背負って龍に齧られている、呑みこまれているというのもある。お守りなどが「代わりに割れていた」というのに通じるようだ。

   ただ私の印象としては、総じて月食は日食ほど不吉な感じがしなかったのではないだろうか。

 だから、プラス思考で、月食を拝むと病気にならないとか、水を汲んだタライに映った月食を拝むと病気が治るという言い伝えもある。

 よしよしそれならと、お皿に水を満たして覗いてみたが上手くいかなかったので、少し奥の手過ぎて気が引けるが、普通の鏡に映して写真を撮った。次のぼやけた写真がそれ。

 そこで、月は世界共通だからウクライナに平和を!でも祈ればよかったが、小人物の私は二人の孫の幸いを祈っただけである。お笑いください。
 流れ星に願いを伝えるのはせわしないが、月食の方は落ち着いて祈ることができた。お月さん、頼んまっせ。

2022年11月8日火曜日

郷愁

   朝日新聞がフォトアーカイブを順次公開しているが、写真は11月5日付け夕刊に掲載された5枚の内の1枚で、私も妻も懐かしいなあと呟いた。

 この写真は、私らは「キリンジャパン」と呼んでいた「馬乗り」である。
 私らはもっと多くで、例えば10人なら5人5人で二組に分かれ、馬が5人、飛び乗る攻撃陣が5人である。

 この写真では馬の子が肩で先頭の子にスクラムを組んでいるが、正しくは?先頭の子の股に頭を突っ込んでいた。そして次々に前の子の股(尻)に頭を突っ込んで長い馬が出来上がるのだ。
 担任の女の先生は戦後民主主義のこともあり、男女差別はあかんというので、私らは男女入り乱れて股の間に頭を突っ込んでいた。

 片や攻撃陣は長い馬の中でも弱い子を狙って集中的にそこへ飛び乗って馬を潰すわけだし、馬の方は体を揺さぶって払い落とすのだった。

 コメントのとおり、そのうちに危険な遊びということで禁止されたので、今では歴史書の中のアーカイブになってしまった。何か寂しい感じがする。

2022年11月7日月曜日

心の広さ

   「ラジオを聴いてて悲しくなったわ」と妻が言った。
 パーソナリティが愛犬を連れて旅行に出かけた際、ほかの旅行者に鳴き止まない犬がいて、「躾のできてない犬は連れてくるな」とコテンパンに怒っていたらしい。

 妻は、「そこまで一方的に言わなくてもよいだろう」「何か事情もあったのだろうと思いを巡らせても良くないか」と思ったという。
 そういえば、電車やバスで赤ちゃんの泣き声がうるさいと言っていじめに近い抗議を受けたというような話も少なくない。

 私の孫は生まれてすぐに心臓手術をしたりして、発達に数々の障害を持っている。そして、幸いというか、外見だけでは酷い障害があるようには見えない。
 だからお店で商品に直ぐに手を出そうとするし、他人から見ると奇声も発するし、ルール外とされている行動をとる。

 だから母親(つまり私たちの娘)も、「迷惑をかけるおそれのある」場所には連れて行ったりするのを徹底的に控えている。
 それでももし旅行に行ったりしたならば、ラジオパーソナリティ風に言えば、「こんな閑静な観光地に目障りな障害児を連れてくるな」となって良いのだろうか。

 日本では子どもに「人に迷惑をかけないように」と躾けるが、インドでは「人は迷惑をかけあって生きるものだから寛容でいなさい」と躾けるという話を聞いた。

 鳴き止まなかった犬にも、飼い主にも何か事情がなかっただろうか。パーソナリティの気持ちも良く分かるが、思いを巡らせるということについて、公共放送で一切の気配りの配慮もなく断定し、少数者を寄ってたかって叩くという風潮はいただけない。

2022年11月6日日曜日

かかあ天下

   昔、私が撮影したオシドリの写真を見せたとき、老人ホームに入居していた母は「雌の方が 地味過ぎて鳥は嫌いや」と言った。
 明治生まれで長い間男尊女卑社会で育ってきた100年の鬱憤が言わせたのだろう。

   さて、秋になって庭のジョロウグモが元気である。
 私が毎日通るコースに網を張る。
 で、しばしば顔にベチャーと蜘蛛の巣が絡まりつく。
 なので、その蜘蛛の巣を取っ払うのだが、翌日には更新している。そして、学ばぬ私は顔にベチャーと絡みとられて怒っている。
 それにしてもジョロウグモは美しい。
 上の写真はベチャーとは別の場所で、ジョロウグモは背中側である。

 冒頭、鳥は全般に♂の方が綺麗で、ほとんどは♀の方が地味だと書いたが、少なくともジョロウグモには全く当てはまらない。

   次の、腹側から撮った写真のとおり、この堂々たる「かかあ天下」ぶりはどうだろう。
 ♂はおどおどと「交尾させてもらえませんか」と揉み手を擦っているようだ(知らんけど)。
 ♂はそもそも♀の網に居候をして、交尾の機会を待つらしい。ヒモであろう。

 かかあ天下ぶりはわが家に似て同情したくもなる。

 この写真、そもそもジョロウグモだと思うが、もしかしたらコガネグモかもしれない。良くは知らない。

 見た目は毒々しく、確かに少ない毒を持っているようだが噛まれたこともないから怖い感じはない。
 それよりもその美しさが私は好きだ。女郎蜘蛛とか上臈蜘蛛というのも頷ける。

    圧倒す女は強し女郎蜘蛛

2022年11月5日土曜日

北と統一協会

   昨日は北朝鮮金正恩政権のミサイル発射を冷静に考えた上で批判するということを書いた。
 今日はその続きのつもりだ。
 
 世界平和統一家庭連合(旧統一協会)は日本ではこんなに社会問題になっているのに、本家の韓国ではそれほど大問題としては取り上げていないようだ。

 その理由は、韓国では彼らのことを世間一般では宗教団体と感じずに、巨大な企業グループと認識されていると、各マスコミが報じている。日本人相手のような霊感商法は慎んでいるように見える。
 ただ、企業グループの収支が思わしくない場合は、日本の霊感商法や高額献金が「収入」として威力を発揮しているようだ。
 エバの国の国民はアダムの国に尽くすことで救われるのだ。すごい呪文である。

 この企業グループの総裁故文鮮明は、日本では国際勝共連合を標榜して日本の右翼運動の一角を大きく担い、もう片方の手では北朝鮮の当時の金日成と手を組んだ(写真のとおり)。
 文鮮明は北の故郷に錦を飾り、金政権は見返りに多額の金を手に入れた。合弁会社以外にも1991年当時で4500億円持参したと米国防総省は述べている。その後も潜水艦の輸出入の仲介など、正体を隠しての闇商法は一貫している。

 孫子(まごこ)の安寧のためにと家庭崩壊までして献金した金が結局北のミサイルや核兵器開発に使われているという不幸をどう表現したらよいのだろう。

 その旧統一協会の広告塔に自民党などの議員が参画していたのである。
 昨日に続いて冷静に考えてもらいたい。私は言いたい。自民党の議員や日本会議の右翼と言われる人々に”愛国心はあるのか”と。
 真面目な保守を称する皆さん、こんな腐った嘘つきにいつまで騙され続けるのですか。

2022年11月4日金曜日

群衆

   テレビの情報番組が揃って「群衆」をキーワードにあげている。
 韓国梨泰院のハロウィン事故がもう少し前だったら、良くないことだが新語・流行語大賞にノミネートされていたことだろう。

 面白おかしく語っているつもりはない。群衆雪崩などと呼ばれる悲惨な事故を繰り返さないために、早急に頭をグレードアップしなければならないようだ。

 そんなもので、近々読もうと思っていた『100分で名著:群衆心理』を即購入して読んだ。
 共鳴するところが多かった。

 『「単純化」が社会を覆う』の『「わかりやすさ」を好む社会』の章では、「ですから、100分de名著の番組を観て、あるいはこのテキストを読んで、それで満足してはいけない」とはよく言った。

 内容が濃いので紹介し切れない。確かに、「複雑な時代の必読書」だ。

政府は扇動する

   ネットにあった『中学校社会 地理/日本のすがた 日本の国土と範囲』などでおさらいをしておくと、千島、竹島、尖閣の問題はとりあえず横に置いておいて、
 ●国の主権が及ぶ場所をまとめて、領域と言う。
 ● 領域は、領土のほかに、領海と領空からなる。 領空は大気圏内まで(これは各種取決めで100㎞とされている)。
 ●領海は、海岸線から12海里(12海里 = 約22km、正確には 22224m)の範囲( 1海里は1852mである )。
 ●国際海峡である「宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡西・東水道、大隅海峡」の5海峡は「特定海域」として3海里の外側については公海としている。  
 ●また領海の最外部から、海岸線から200海里(約370km、正確には 370400m)までの水域、つまり12海里~200海里の水域のことを排他的経済水域(EEZ)と言う。排他的経済水域は領海と違い、他の国と重なることもある。
 ●どの国の領海や経済水域にも属さない海は 公海で、どの国も平等に航行や利用が出来る。(公海自由の原則)
 図をあげておいたが、領海は非常に狭いことが解る。そして領空侵犯などの事件に該当する領空とは上空100㎞までである。

 そこで北朝鮮のミサイルだが、政治的には容認できないものであるが、いわゆる領土侵犯、領空侵犯は起こしていないことになる。
 「だから問題なし」とするものでは決してないが、アメリカの人工衛星が日本上空を飛んだからと言って領空侵犯として問題にならないように、日本人宇宙飛行士が北朝鮮上空を飛んだからと言って撃ち落とされないように、そういうことを十分知った上で問題を指摘しなければならない。

 重ねて言うが、ミサイル実験を繰り返して平和秩序を脅かすのは国連憲章等からも不当で批判されるべきであるが、まるで日本がミサイル攻撃されたような不正確で感情的な「情報」に踊らかされることのないようにしたいものだ。

 ウクライナへの戦争が始まったとき、私は日本では、日本がウクライナのようになる心配よりも、プーチンのロシアのようになる心配の方をすべきだと述べたが、冷静で自由な議論の環境こそ今Jアラートがなっているように感じている。

2022年11月3日木曜日

虹の彼方


   10月31日16時過ぎ、孫の凜ちゃんが学童から帰って来たとき、東の空に素晴らしい虹がかかっていた。
 きっと凜ちゃんにはホンモノの虹は初めてだろうと思い、「虹だ虹だ」と叫んで凜ちゃんを2階のベランダに大急ぎで連れて上がった。

 急いで撮った写真を左右繋ぎ合わせたので、構図もカラーも今一つだが、実際には”感動もの”だった。七色と言われれば七色に見えた。

 「虹は何色(なんしょく)?」というのは有名なクイズで、アフリカの一部では8色、日本、韓国、オランダ、フランスの一部では7色、アメリカ、イギリスでは6色、中国、ドイツ、フランスの多数、メキシコの多数では5色、ロシア、インドネシア、東南アジア諸国では4色、ジンバブエ、メキシコの一部、台湾の一部では3色、それに南アジアやアフリカの一部では2色というのだが、どう見ても2色は少なすぎるだろうと思うが面白い。

 わが家から見えている「限り」では、虹の柱はもう一人の孫の夏ちゃんの家のあたりから立ち上がっていた。(あくまでもわが家から見て)
 虹の柱の下には宝物が埋まっているというから、夏ちゃんにもきっと好いことがあるだろう。夏ちゃんに電話をかけて「見えてるか」と尋ねたら「見てる見てる」「素晴らしい」と返答してくれた。

 「雨が降らなければ虹は見えない」はハワイの諺だそうだが、箴言である。
  ニュースでは、この日の虹は日本列島のあちこちでも見られたらしい。

2022年11月2日水曜日

遠足 再開

   孫たちの学校でも遠足などの行事が再開された。考えると、この2~3年の自粛、自粛で子どもたちが受けた「思い出」の「欠損」は大きかった。教科書的知識だけで人は成長するのではない。

 失った時間の大きさは子どもたちだけではない。入院していても面会ができないなど、高齢者などの被ったそれも取り返しのつかないものが多かった。子どもも大人も「人は群れて生きるものだ」とは山極寿一先生の言葉だ。

 そんなもので、第8波やインフルエンザとの同時流行も懸念されるが、ある意味、時期的にはその間隙を縫って退職者会の遠足を再開することにした。日時は11月29日。
 
 メンバーも「着実に」歳を重ねた。足が弱った、膝の水を抜いてもらっている、ヒアルロンサン注射を打っているなどなどの声も増えているが、ここは再開第一弾ということでハイキングに出かけることとした。

 しかし、皆の体力が心配だ。そこでNHKBSPの「こころ旅」にヒントを得た。近頃火野正平さんは山の上から自転車で下るばかりの「旅」になっている。曰く「下り坂サイコー」。
 ということで、ケーブルカーで生駒山上まで登ってしまい、後は石切までただただ下るだけの、これ以上考えられないナマクラなハイキングコースを企画した。一般的には「下りの方が膝にこたえる」というが、ゆっくり歩ける時間を十分にとった。
 雨天の場合は「宝山寺散策でケーブルで下山」だから、もしかしたら雨天の方が参加者が多いかもしれない。???

 さて、ハイキング以外の見どころは二つ。ひとつは宝山寺(生駒の聖天さん)。聖天さんのルーツはヒンドゥ教のガネーシャ神。多くの場合は象頭人身の二神が抱擁している歓喜天。この強烈さが財運、福運の現世利益を招くらしい。もちろん、夫婦和合、子授けも言われるが会員にはほゞ関係なしか。願掛けの威力も強烈で、ギャンブル依存症推進のどこかの知事や市長を改心させたいものだが。

 もうひとつは石切剱箭(いしきりつるぎや)神社。強固な岩をも貫き通すという名前。古くから「でんぼの神さん」、腫れ物を治すと言われ、近頃は腫瘍(癌)を治すとの評判。先の宝山寺とともに「男はつらいよ 寅次郎 浪花の恋の物語」の舞台だった。〽お百度こいさん(和田弘とマヒナスターズ)は法善寺だったがここはお百度詣りが超有名。境内にはイシキリツルギヤ号という元競走馬の銅像もあるから、宝山寺でギャンブル依存症克服の願掛けをしなかった人はここで勝馬のお願いも可。

 そんなこんなで昨日は整形外科を受診して、ハイキングに耐える膝にしてくれるよう、神仏ならぬ医者にお願いをしてきた。
 「ダンドリ八分」という言葉もある。当日よりもダンドリ、つまりは準備期間が重要である。少し足腰を鍛え直そう。

2022年11月1日火曜日

闇の世界

   王将社長射殺事件のヒットマン逮捕のニュースがあるが、科捜研のドラマのようなニュースの解説ばかりが独り歩きしていてなんとなく歯がゆくないだろうか。
 いうまでもなくヒットマンは所詮ヒットマンであり、真犯人は黒幕である。同種の犯罪の再発防止策からいっても、重要なのはそこだろう。誰がなぜヒットマンに「発注?」したのか。

 朝日新聞は、王将が「特定の企業経営者との間で総額約260億円にのぼる不適切取引を繰り返していたが、大東氏はその関係解消に動いていた」と報じている。

 産経新聞はネット記事で、「不適切取引とは、王将の創業家一族が過去に特定企業グループ側に約200億円もの資金を流出させたという内容だ。企業グループ、工藤会の拠点はともに福岡県。会見では、京都府警と福岡県警が合同捜査本部を設置したことも発表され、捜査の主戦場が福岡になることを示唆していた。
 直接の接点がなかった田中容疑者と大東さんをつなぐ点と線。それを考えるとき、この企業グループを率いるキーマンの男性Xの存在を避けて通ることはできない。
 平成5年6月に死去した王将の創業者、加藤朝雄氏の社葬に、友人代表として参列するXの姿があった。福岡県を中心にゴルフ場経営や不動産業を手掛けていたXは、王将の取引先で作る親睦団体「王将友の会」の設立にも尽力。王将が全国に店舗を拡大していく際、トラブルの解決に暗躍していた。
 Xの兄はある同和団体の「ドン」と呼ばれ、X自身も「政財界や芸能界に顔が広かった」(知人)という。28年3月、王将フードサービスが公表した不適切取引に関する第三者委員会の報告書などによると、同じ福岡県出身の朝雄氏と昭和52年ごろに知り合い、交流を始めた。
 王将は全国チェーンへと急成長を遂げたが、各方面に影響力を持つXの水面下での動きが支えになったことは否定できない。各地の出店を支援し、平成元年に大阪・ミナミの店舗で起きた失火では、建物の所有者が死亡した問題の解決も仲介したとされる」と書いている。

 ミナミの王将が火事を出し、入っていたビルのオーナー夫妻が焼死した。夫妻は華僑の重鎮で、夫妻とビルの管理会社から王将は高額の損害賠償を訴えられていたが、訴えは取り消され和解が成立した。この際の王将側の代理人がXだと思われる。そして、このための「謝礼」、一種の買収工作費が悪質所得隠しとして大阪国税局に脱税で摘発されている。

 その後Xの関連企業がゴルフ場その他の不動産売買を繰り返し、結局莫大な損失を生むのだが、その穴埋め資金は王将から調達されていたようだ。

 そう考えると産経記事と符号が合う。その親企業は京都通信機建設工業で、Xはその代表の上杉昌也氏と思われる。ちなみに、上杉昌也氏は福岡出身で、部落解放同盟故上杉佐一郎委員長の実弟で、山口組三代目田岡組長が亡くなった際は美空ひばりの「面倒をみていた」と書かれている本もある。

 とすると、この事件の真相は、いわゆるタブーとぶつかる大事件ではなかろうか。産経の記事でいうならば、「政財界に顔が広かった」というから、何かの忖度等があって捜査が長引いていたのかもしれない。