2020年4月30日木曜日

戦後に比べれば

暮らしの手帖
   このブログでもシバシバ老朗介護のことを書いてきたが、ここ数年は「請われれば一差し舞う」ことにして、老人ホーム家族会の会長を引き受けてきた。
 それも昨秋義母が逝ったので、この春は「立つ鳥」の気持ちになって会長退任の定期総会を準備してきたが、そこへ降って湧いてきたコロナ騒動で、急遽書面総会という前代未聞の体験をすることになった。
 結果、全議案と新役員体制が承認され、少しほっとした気持ちでいる。
 入居の義母はいなくなったが、御礼奉公ではないが引き続き家族会のサポーターとしてお手伝いは続けていく。

 考えれば老人ホーム入居中の方々は、ほとんどが昭和前半の戦時体制下で青春を過ごされ、戦後の混乱の中を生き抜いてこられている。
 戦地や外地で九死に一生を得、地獄の釜の中を垣間見てこられた方々も・・・。
 それに比べれば、非科学的精神主義はいけないけれど、この程度のコロナ騒動にしゅんとなんかしてはおれない。先日来「共感疲労」という言葉を使ってきたが、メンタルの疲労は思考停止を呼び、結局、粛々と進めるべき実務も停滞させてしまう。

 今回のコロナ禍で、世間ではテレワークが一段と進んでいる。
 娘婿もテレワークや会社の近所のホテル宿泊で通勤混雑を避けている。
 日本共産党の府県委員会もテレワークだと聞いた。こんな時代だからSNSで頑張ろうとも言っている。
 
 そんなもので、作業の最終段階で中断していたミニコミ紙だが、コンパクトなA4判で、何人かがそれぞれ自宅のプリンターでアウトプットして、手分けをして発送する手はずにした。テレワークである。
 残念ながら、そういうネットワークに参加できない市民運動がある。
 シニアも「歳だから」とか「体が」などと言っている場合ではないと思うのだが、なかなか分かってもらえない。
 市民運動の中にも「お任せ民主主義」がある。

   日ごとに膨らむや豌豆四月尽

2020年4月29日水曜日

手水(ちょうず)

   この記事は4月23日の「泥落としマット」の記事を読んでからにしてほしい。
 あの記事で「”吊り手水”は止めにした」と書いたが君子は豹変するのだ。
 子や孫たちに昔の道具を教えるのも生きた民俗学だし、「玄関のドアノブを触る前に気を引き締める意義もあろう。
 寺社の手水舎と意義はよく似ている。

 玄関門柱(枕木)裏に”吊り手水”を設置した。
 妻は手拭いもぶら下げようかというが、そこは各自のハンカチに頼ることにした。

 コロナ禍は、政府などからは「この1~2週間」「この1~2週間」と場当たりにも似た非常事態宣言等の延長が繰り返されているが、常識的に見てワクチンや対応薬ができるまでの長距離走になるであろう。
 故に、「この1~2週間」「この1~2週間」と短距離走をしていると、各所に破綻が生じるのは明らかだ。
 で、わが家では、とりあえずは先ず吊り手水で手洗いをして、何となくこのアナクロ感を笑って満喫して、しかる後マットで泥を落として、衣服を掃ってから本格的に屋内で手洗い、うがい、消毒に進むのだ。

 頭のてっぺんからつま先まで現代っ子である孫の夏ちゃんも大いに気に入ってくれた。
 読者の皆様方にも、ご一緒に笑い飛ばしてコロナ感染を予防してもらいたい。

   夏近し孫に受けたる吊り手水

2020年4月28日火曜日

一日当たりの死者数は12.5人

   (1)さすがに温厚な私もこの発言は許せない。
 右の図のとおり、政府もいわゆる専門家もいわゆる解説者もコメンテーターも、「4日間はうちで」とアナウンスを繰り返し、保健所などPCR検査相談センターでも「発熱4日の基準に達していないから」と検査や受診を断ってきたという事実は隠しようもない。

   ところが4月22日の専門家会議の会見で、委員である日本医師会の釜萢敏(かまやち さとし)常任理事は、「ま、4日間様子をみてくださいというようなメッセージというふうに取られたんですが、それはあの、そうではなくてですね、体調が少し悪いからといって、みなさんすぐに医療機関を受診されるわけではないので、少しいつもと違う症状が続いた場合には、少なくとも4日も続くというのであれば、普段はあまり受診されなくても、今回に関してはぜひ相談をしていただきたい。まず電話で相談して、その相談の結果、受診が必要になれば医療機関を受診していただきたいと、そういうことでありました」と発言した。

 それはないでしょう釜萢さん。無理をして自宅待機中に悪化して、入院時にはすでに手遅れだった人もいるというのが事実でないか。
 一方、結果ヨシだが、橋下徹氏は一度だけ37度3分の発熱とその後の喉の腫れでPCR検査を受けていたが・・(これは余談)

 初期の段階で政権の政治課題である習近平訪日やオリンピックを忖度して検査を抑えて感染者数を低く操作した責任は、専門家会議委員である貴方にもある。
 
 百歩譲って、テレビや新聞が報じた内容が誤っていたとすれば、それを訂正しなかった貴方は何の専門家か。
 今になっての、こんな公文書偽造にも似た発言は絶対に許せない。

 (2)以上のとおり、口を酸っぱくして言うが、日本の感染者数は信用ならない。
 そもそも検査をしないのだから感染者数は抑えられている上に、検査数の中には軽症退院のための二度の陰性確認検査数なども含まれているから、もう問題外というレベルである。付け加えれば、私は元々の検査数が極端に低いから、何倍とは言わないが死亡者数も相当漏れていると考えるのが常識であろう。で、死亡者数だが・・・
 元感染研研究員白鴎大学の岡田晴恵教授は、それらに対して明確な指摘をしている。曰く・・・
 「感染者の総数だけじゃなく、何を指標にするかというと、死亡者の数なんです」
 「31日~10日は1日あたりの死者は0.5人」
    11日~20日は1日あたりの死者は2人」
 21日から30日は1日あたりの死者は2.3人」
    331日から4月9日は1日あたりの死者は4.2人」
 「410日~18日は1日あたりの死者は12.5人」 
 ・・これは10日ごとの死者数を1日あたりで計算した数字だ。 
 「これっていうのは一つのメルクマール(指標)になると思うんですね。(引用おわり)
 
 昨日触れたが、東京ではすでに市中感染、家庭内感染の段階にきている。そんな時にステイホームだと感染はさらに広がるだろう。早い話が政策は誤っている。ステイホームでは防げない。
 そういう意味ではスーパーも危険というのはある意味正しいことになる。

 内容とは全く別にテレビで露出すれば好感度が上がるらしい。都知事のことである。大阪の例の知事や市長のことである。
 「見るべき程のことは見つ」という気分になる時がある。


 祖母ちゃんは来るなと娘に言われてる旧友(とも)の電話のトーンは低し

2020年4月27日月曜日

心は濃厚接触

   「断三密でも心は濃厚接触」と言いたいが、有名人の離婚騒動なども直前までアツアツ報道が多いから、我がタイトルにも眉に唾を付けて読んでいただきたい。

 パチンコ店に並ぶ写真を見て「許せん!」という気がないではないが、オリンピックのためにデータと真実をひた隠しにしてきた(という意味では刑事被告人だと私は思うが)都知事辺りに飼い犬みたいに「ステイホーム」などとやたら横文字で命令されても、現実に”ホーム”も含め行き場のない人々にも同情したくなる。
 岡田晴恵教授の指摘では、東京などでは市中感染・家庭内感染が広がっているから、ステイホームは感染拡大の素なのかもしれないし。

 幸い私は田舎に住んでいるから、換気100%の場所でこんな昼食をとっている。
 もちろん、老夫婦二人だけのステイホームである。
 あけっぴろげの庭だから、道行く人々が「そんなステイホームの手があったか」と感心した・・・かどうかはわからない。
 
 環境も大いに味のうちだから、こんな風にするとただのモヤシの塩コショウ炒めもごちそうになる。
 マンションの方はベランダでBBQなどしたら叱られるのだろうか。
 かねがね主張しているが、BBQはGWぐらいまでが虫も来ずグッドタイミングである。

 26日の朝日歌壇にこんなのがあった。
   預かりて二歳を耳鼻科に七歳を歯科につれゆき妻は早寝す(茅ヶ崎市)大川哲雄
 今週は二人の孫の日程を同じ日に調節してもらって、2日だけイクジイの日となる。
 街では、俄かイクジイ、イクバアらしき姿が目に付く。
 そんな折、旧友(祖母ちゃん)から電話があった。曰く、娘から孫には接見禁止「来るな」と言われていると。断接触というならそれもやむを得ないかも。
 我が方は特殊事情かもしれないが、わが家が孫のシェルターになっている。
 だから自分の体調には最善の気を使っている。

   コロナ禍に負けるな子らの春休み

2020年4月26日日曜日

シニアは飲めないオンライン居酒屋

 口角泡を飛ばしてしゃべる飲み会はコロナウイルスの感染防止上非常に危険というのは実体験上よくわかる。
   で、近頃推奨されているのが「オンライン飲み会」である。
 となると「いっちょかみ」の関西人は、それがどういうものか見てみたい。
 そこで私は、一番簡単そうなLINE上に2軒の居酒屋を開業した。
 が、スマホをそもそも持っていない、スマホは持っているが普段は切っている、LINEなど考えたくもない・・という友人たちとはなかなか開店できないでいる。

 2軒目の居酒屋はテストピースとして、とりあえずお客は妻と私である。
 1階と2階でビデオ電話で飲み会をやってみた。
 理屈はわかった。
 でもねえ、私には「オンライン飲み会」の面白さがもう一つ解らない。
 ネット世代の若い人には面白いのかもしれないし、どちらかというと活字派の私とは相性がよくないだけかもしれない。

 それに、娘婿などは実際にテレワークに入っているから、こんな世界もバーチャルというよりもリアルな世界‥というのが時代の流れだろうか。
 とりあえず、文句は言える程度に「オンライン飲み会」ぐらい知っておこうと今は思っている。
 利点を挙げるなら、下戸の人もこの飲み会には参加できそうだ。(それならオンライン カフェかな)

 25日夜、息子(夏ちゃんファミリー)からZOOMの招待があったが、私の方のスピーカーが上手くいかない。それでも、時代に取り残されないよう何とか頑張っていっている。

2020年4月25日土曜日

手作りの遮蔽カーテン

 ジャーナリスト江川紹子氏が、橋下徹氏の“公務員10万円受け取り禁止提言”に「今、公務員のやる気をそいでどうする」と、4/22() 17:00配信東スポWebで発信された。
 記事を転載する。

 橋下氏は前日「(10万円一律給付金)給料がびた一文減らない国会議員、地方議員、公務員は受け取り禁止!となぜルール化しないのか」と投稿した。 
 これを受けて江川氏は「こんな状況で働いている人たちがいるのに、1人10万円の給付金を『公務員に払う必要がない』など、またぞろ公務員叩きをしてスポットライトを浴びている著名人がいる。今、公務員のやる気をそいで、どうする?公務員も国民。国民の分断をけしかけて、どうする」と反論した。 
 この時点で橋下氏の名前は挙げていないが「最前線で頑張っている公務員には特別手当の支給」という橋下氏の代案を示した投稿に、江川氏は「『最前線で頑張っている公務員』と『最前線で頑張っていない公務員』を、誰が、どういう基準で決めるの?」と疑問を呈している。 

 公務員の10万円の給付金をめぐっては広島の湯崎英彦知事が21日「新型コロナウイルスの対策費に活用したい」と発言したものの、22日に事実上撤回している。(引用おわり)

    この投稿に私は『超いいね!』をポチッとして次のとおりコメントを返した。
 「私の知る複数の国の出先機関の例ですが、窓口のビニールカーテンを職員が自費で手作りで設置しています。みんな国公労連の組合員です。

 わたくし的には「自費でなくてもいいのに」と思うがその話は横において、行政民主化を闘う国公労働者はすばらしい。(世間でいうお役所仕事でもないし指示待ち人間でもない)

   橋下徹の手法は、人材を生かすという経営理論の常識から言ってもリーダー失格である。
 そんな男が近頃やたらにテレビやメディアに登場している。
   それは橋下徹の力などではなく、彼の厚顔無恥の発信力を利用している黒幕たちの思惑に寄っているのだろう。

 橋下的パフォーマンスが如何に善くないかは次の日赤の動画を見てもよくわかる。

   イクジイは給食調理に腕ふるい


2020年4月24日金曜日

幼児の責任逃れ

   右の写真は22日の朝日の夕刊だが、どうも寂しい気持ちになった。(有名な公園が事実上行楽地のように混雑しているという文脈ではない。普通の市民公園だ)
 わたしが自治体の担当者なら「保護者の皆さんへ! たっぷり遊んだ後は手洗いと殺菌スプレーをしっかりしてくださいね」という掲示をして「利用禁止」にはしない。

 どうしてもこの記事の自治体等には「責任逃れ」の体質があるように思う。
 それは首長と役所内の民主主義というか民度の問題だろう。
 住民の安全とともに小さい子供の現状を考えて考えて考え抜いて、知恵を出し合って決断できないなら「公務員を辞めろ」と私は思う。
 昨今ならパワハラと言われるかもしれないが私が現役の時はそのようによく話し合ってきた。

 「何かあったらどうしてくれる」という責任逃れの主張は自治会などでもよくある。
 この呪文は伝家の宝刀で、要は何かをするための困難を打開しようとする議論でなく、見事な門前払いで自分がそれをしないことの正当性(横着さ)をカバーしてくれる。

 私が家族会の役員をしている老人ホームの広報誌に、新しい管理栄養士の方のインタビュー記事があったのが面白かった。
 曰く「以前勤めていた施設なんかでは、リスクを考えて餅つきなんかはしてなかったんです。ここではしていたのでびっくりしました。・・・ご入居者の事をすごく考えているなと思います」。(私:みんな大いに議論し考え抜いて実施してきたのですよ)
 
 少なくない世間では、極論を吐いて入り口で議論を止めていないだろうか。
 知恵と常識でリスクを予防したり解決はできる。餅つきをしないなどはその典型だろう。
 「餅つきをしてもよろしいかと保健所に聞いたら『問題ない』とは言ってくれなかったから」という声も聴く。
 そんなことだから、スーパーの買い物の仕方まで都知事がご指導されるという。(東京の一部スーパーの酷いのはそこで解決すればよい)
 加藤諦三氏の指摘ではないが、現代人と社会の特徴を一言で言えば「幼児化」だとつくづく思う。



   
 

2020年4月23日木曜日

真似ぶ

 広辞苑でも「学ぶ」の①は「まねてする」とあるから「学ぶと真似るの語源は同根」という説はただの語呂合わせの俗説ではないようだ。

   コロナの新聞記事で西欧の院内感染かなんかで「靴底の泥が原因」というのを読んで、少し納得したことがある。

 というのは、① 日本会議仲良し内閣の全般的低能力、② 正常性バイアスに引きずられた非科学的判断、③ 医学や科学や統計や数値を軽視否蔑視する精神主義 ④ 習近平訪日を手柄にしたい思惑、⑤ オリンピック中止阻止を優先課題にした判断、⑥ 国民の命や生活を支えようと考えない新自由主義、等々の結果、まったく手遅れになった政府のコロナ対策にもかかわらずどうして日本の死亡者数が比較的少なく抑えられているかと考えていたからである。

 そもそもPCR検査をできるだけしないという方針で来ているから、感染者数も死亡者数も実態よりは少なく出ているが、それにしても・・・・と思っていた。

 これまで言われていたのは日本のCOOLとして、キスやハグといった習慣がない、元々手洗いの習慣がある、洟はティッシュで拭きハンカチで洟をかむ習慣が少ない、マスクに対して拒絶反応がない、うがいや外出自粛もアナウンスに道理があれば従う世論、というようなことだった。
 それに!、そう、玄関で靴を脱ぐという習慣を加えると、政府の愚策を補って余りある日本文化がコロナ対策上一定は有効だと考えられるのではないだろうか。

 ということで、学ぶは真似るで、玄関屋外泥落としマットを早速設置した。
 ここで泥を落とし、衣服をできるだけ叩き、玄関内には殺菌スプレーを置いてあるから、手洗い、うがいは少々順序がよくないが、まあまあ上等ではないかと思っている。

 手洗いでいえば、寺社の手水舎(ちょうずしゃ)が参考になるが、まさか玄関先に石をくりぬいた船を置いて龍の口から水を出したりはできないから、そういえば、バケツの底にカランがあってチョンと手で押すと少し水の出る「吊り手水」が田舎の昔はあったなと思って検索してみると、アウトドアの手洗い用に今様のものがあるが、今様のものはフォルム等が味気なく、それを玄関先に吊るのは止めにした。

 ある意味繰り返しになるが、古代国家が成立する時代から、感染症の流行は国家と為政者の重大事項であった。
 飛鳥の水の祭祀場や、その後の寺社の手水舎は、それに立ち向かった先人の知恵であったかもしれない。

   花冷えと言いたいがコロナ風邪

2020年4月22日水曜日

スマホの力

   昨日は本のネット通販にお世話になったことを書いた。
 その「ポチッ」という関連でいうと私は長年スマホを利用しているがほとんど有効には使用はしていない。
 それに比べると、今年になってガラ携からスマホに切り替えた妻の方は長足の進歩である。
 黒幕は娘なのだが、私はLINEのスタンプを妻から教えてもらった。より実際には孫の夏ちゃんがQRコードから幾つか入力してくれた。
 LINEのビデオ通話はいわば「超簡単テレビ電話」だが、そんなものも妻や孫から教わった。
 ただ、孫の顔が出てきて話せるのはいいが、シニアの友人たちとはいまさら顔を見せ合うこともないだろう。
 顔は見せ合わなくても、こんな時代だから『ネット句会』のようなものもしてみたいが、ネット難民に近い友人たちも多く、この企画の実現性もパッとしない。

 さらに妻のスマホ活用術でいうと、新聞の判らない新語のようなものは即スマホで検索していて感心する。
 例えば19日の朝日歌壇にこんなのがあった。
   長生きの母には重き十字架だったピエタ三度も経験し逝く (三島市)渕野里子
 この「ピエタ」がわが夫婦には解らなかった。だから歌の意味も・・・。
 検索すると「死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリアの彫刻や絵の事を指す」「ミケランジェロや多くの芸術家がピエタを製作している」と。
 お母さんは長生きと引き換えに我が子3人の逆縁を背負われたのだろうか。
 検索機能などはコピペと馬鹿にされることもあるが、なかなか侮りがたいものがある。

   なんとなく朧月夜を口ずさみ

2020年4月21日火曜日

地球を歩くぞ

   私は、政府が言うからというのではなく、数字や論理に納得すればそれを実践しようと考える方である。だから、悪意のない隠れ感染者が街にいるとの専門家の評価に納得して、できるだけ外出を避けるべく「引籠って」いる。
 なので、古い本などを引っ張り出して読んだりしているが、やはり新刊も読みたい。

 そこで、西谷文和著『西谷流 地球の歩き方 下』を、先ず近所の未来屋書店に在庫がないかをネットで調べたが置いてなかった。同じくイオン・未来屋書店のネット通販『mibon』にもなし。amazonにもなかったが、最後に楽天ブックスにそれを見つけた。
 街の本屋さんを応援する立場からamazonも楽天もできるだけ避けたいが、ポチッと画面を押して翌日には届くのであるから便利と言えば便利である。

 1ページ目の『はじめに』に中村哲さんとの写真があった。
 この本は姿勢を正して「ゆっくり」「ゆっくり」読むことにしよう。すぐに読み終えるのは惜しい。あえてページを閉じて机の端に積み上げた。

 それでもページをめくっていくと次のような文章があった。
 2001年10月に著者がタジキスタンからアフガニスタンへ入国の時・・・、
 『河川敷に掘っ立て小屋があって、この小屋がアフガニスタンの入国審査だった。30人くらいの記者の列。出遅れた私は後方に並ぶ。「おい、お前!」審査官が私を指差す。「えっ、何ですか?」「日本人か?」「はい」「では、お前からだ」。えっ、ホンマにエエの?「悪いね!」。英米仏などの記者たちに謝りながら、行列のトップに。「俺は日本が大好きだ。日露戦争では憎いロシアに勝ってくれた。そして憎っくき欧米に一矢報いたのも日本人だ。審査官はろくにチェックもせず、パスポートにスタンプを押す。「おい日本人、メシでも食っていけ」。別部屋に通され夜食が・・・。
 あれから約20年の歳月が流れた。アフガニスタンを空爆する米軍に給油をしてきた日本。「間接殺人」に手を染めた日本の評価はガタ落ちし、今や日本人が狙われるまでになってしまった』 
 
 足で稼いだ文章には代えがたい重みがある。
 頭の中で地球を歩き回りながら考えさせられることの多い本だ。楽しい。

 中学校の音楽の時間にはただレコードを聴くだけの授業があった。
 その中の一つ、ボロディンの交響詩『中央アジアの高原にて』は理屈抜きに私の心を揺さぶった。
 あの中央アジアの高原が、いまは・・・。

   文明の十字路読むや春時雨

2020年4月20日月曜日

共感疲労と平野教授の解説

 暗いニュース、苦しんでおられる方々のニュースを見すぎると心が疲労する。共感疲労という。人間性の豊かな人ほど影響を受ける。それは決して異常なことではなく正常な精神で、共感疲労を覚えない方がほんとうは精神が歪んでいる。
 そんな指摘をされる前からわが家ではテレビを消してラジオの時間を増やしている。というか、コロナのニュースを適当に遮断している。メンタルに一番よくないのは首相の会見と識見を持たない芸人(コメンテーター)のコメントである。

 首相の会見やワイドショーで疲れるのは、冷静な科学的説明以上に「大変なことになる」という不安感を煽って行動を自粛させようとしていることである。
 阪大元総長平野俊夫教授(医学博士、免疫学等)の言葉を借りれば、残念ながらこの対策はフルマラソンの持久戦になるという。
 だから、「この2週間、この1週間」と100メートル競走のように全力疾走すると完走は不可能になる。そして疲れ果てて緩んで再爆発もある。ペース配分が重要だ。

   さて、フランスの農相は移民が帰国したことによる人手不足という文脈ではあるが「外出を自粛して畑仕事をしよう」と訴えた。
 その言葉に心が半分フランス人になった私は夏野菜の植栽第一弾を行った。キュウリ、トマト、ナス、マッカウリ、マンガンジ、レタス、ルッコラ、バジルなどなどを1~2株ずつ植えた。持久戦モードである。
 そのうち虫にやられたり病気にやられたり連作障害がでたりするだろうが、そんなマイナス思考を忘れて夢見るこの時期はメンタルに非常に良い。

 メンタルだけではない。この間から、田中修・丹治邦和著『植物はなぜ毒があるか』(幻冬舎新書)を読んでいるが・・・、
 植物たちがもつ有毒な物質は、動物に食べられることから植物たちのからだを守っていることは確かな事実で、また、それらの物質は、病原菌の感染から植物自身を防御している。
 例えば、檜(ひのき)の香りのヒノキチオールは、人間の肺炎球菌の増殖を防ぎ、その種の肺炎に有効とされている。

 そも森林浴の主役のフィトンチッドはロシア語でフィトン=植物、チッド=殺すもの。森の香りが抗菌・殺菌作用を持つことに由来している。
 車か自転車か徒歩で遠くない森に行くのが、共感疲労で疲れたメンタルの有効な回復方法だろう。

 この本ではないが、本来コロナウイルスも森の奥で野生動物と共生していたものが、人間が行った自然環境破壊から巡り巡って人間界に変異して登場してきたものだという見解もある。

 重要な補足として平野教授の解説の一部を掲載する。
 新型コロナウイルスにはワクチンも治療薬もない。この客観的事実を押さえつつ・・・、
 1 何もせずに放置すると終息するまでに、日本で最悪70万人から250万人、世界で1億9千万人が死亡する。
 2 ワクチン開発には少なくても2~3年あるいはそれ以上かかる。
 3 治療薬の開発には5~10年かかる。既存の薬で効果があるものがあれば数か月で使用可能という可能性はないことはない。
 4 日本で流行が終息したとしても海外から流入するし、国内でまた流行する。そのような流行の波を作りながら最終的に国民の30~60%が感染して免疫を獲得するまで終息しない。
 5 まずは丁寧な手洗いを頻繁に行う。玄関で70%エタノールか0.05%次亜塩素酸で消毒してから家に入る。さらに石鹸で丁寧に手洗いする。食事の前、料理の前、その他こまめに石鹸で手洗いする。
 6 3条件(3密)を避ける。(密閉空間(換気をする)、近距離での会話、手の届く距離に多くの人がいる)。
 7 このウイルスは細胞膜が脂質でできているので界面活性剤(石鹸)で簡単に破壊される。飛沫感染なので以上の3条件を守り手洗いを頻繁に行えば感染リスクを限りなくゼロにできる。
 8 睡眠を十分にとり、過労を防ぎ、栄養価の高い食事で免疫力を十分に維持する。
 9 幼児や若い人も重症者や死亡者が出ているので安心しない。
 10 空気感染でなく飛沫感染であるので手洗いを励行し3条件を厳格に実行すれば感染は防ぐことができる。過度に恐れることはない。あくまでも冷静に。

   萌えいづる若葉の香りと鳥の声

2020年4月19日日曜日

つける薬はない

biz-jounal.comの「当日の写真」である
   17日の安倍首相の会見は、相変わらずプロンプター(原稿映写機)頼りのパフォーマンス(演説)だったが、冒頭に近いところで(国民に向かって)「どうか外出を控えてください。できる限り人との接触を避けてください」と言ったときには、「それは家庭で言え!」とわが家は夫婦でツッコんだ。

 思い起こすと、安倍首相は229日に「これから2週間が瀬戸際」「あらゆる手を尽くすべき」と宣言し、全国の小中高校生は卒業式も止められて休校に入った。そして2週間後の39日に「さらに2週間」と国民に、それこそ「あらゆる手を尽くすこと」を要請した。さらにさらに、安倍晋三首相が、新型コロナウイルスから「自らの身を守る行動を」と警戒を呼びかけた翌日・・・3月15日、
昭恵夫人が大分に旅行し、約50人の団体とともに大分県宇佐市の「宇佐神宮」に参拝していた。
週刊文春によると同行者に「コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ行こうと思っていたんです」と語っていたという。
 文春の記事は、『ほとんどの人がマスクをつけていない団体が境内を歩いていたのです。しかも、よく見ると先頭に立っていたのはノーマスクの昭恵夫人。無警戒さに驚きましたね」(目撃者)』『最近はコロナ対策で、祈祷の際にも間隔を空けて着席するグループが多いのですが、昭恵さんたちは密着しており、警戒しているそぶりはなかったそうです(大分県関係者)』とも書いている。

 なお、昭恵氏が参拝に同行した主催者は医師の松久正氏で、「ドクタードルフィン」「変態ドクター」などと自称し、新型コロナウイルスについてもフェイスブックで、「不安と恐怖が、ウィルスに対する愛と感謝に変わった途端、ウィルスは、目の前で、ブラックホールから、突然、喜んで、消え去ります」と書いている。う~ん。類は友を呼ぶともいう。

 元に戻って17日の衆院厚労委員会で首相は、「事前に本人より聞いて知っていた」が「密閉空間ではない」ので問題ないではないかと居直った。
 掲載した写真を見る限り、密閉ではないが密集に近く、「間近で会話や発声をする」密接場面であることは間違いない。
 3密が重ならなくても「ゼロ密」を目指してほしいとは政府、厚労省の主張でなかったか。

 コロナに関して諸外国のリーダーやNY市長などの言動が報じられているが、その度にこんなリーダーとファーストレディーをいただく国であることが恥ずかしい。

   自粛して窓から人間ウォッチィング

2020年4月18日土曜日

後生畏るべし

 子曰く、後生(こうせい)畏(おそ)るべし。
 若者は先行く者を追い越していく。

   3月9日に書いたが、社会心理学者加藤諦三氏によると、現代社会は『人類の「幼児化」』がキーワードという。
 幼児化とは、心理的に退行することで、それは意識の下に広がる無意識にある心理的な動きで、本人は、自分が退行していることに気づいていない。
 具体的には「わがまま」「異なる者の排除」「理想放棄」「承認欲求」というようなもので、社会に、相互理解や寛容といった、難しいことを避ける人間が増えていると氏は指摘している。
 
 思い当たることの多い的確な指摘だ。
 オープンショップ制の職場で「労働条件に差別がないなら組合費分だけ損だ」という子供のような主張はずいぶん以前から聞いてきた。
 自治会(町内会)でも同じようなチルドレンは現にいる。
 だがしかし、それが社会の大多数だとすると社会の展望は暗いものになる。事実はどうだろうか。

 そんな折、後輩から新年度の新規採用者全員が労働組合に加入したとの知らせがあった。
 採用時の迅速な労働組合の説明会と説明のたまものだろう。勧奨にあたった人々の努力と熱意のたまものだろう。
 先を行った人間が「我々の時代には・・」などと言う必要はない。言ってもいいが歳を重ねた言い方が必要だ。
 孔子先生の言葉を味わおう。展望は決して暗くない。ご同輩の皆さん。

   風もなく孫の来ぬ日も鯉あげて

2020年4月17日金曜日

季節の話題

   苗代茱萸
 春グミが出始めた。孫の夏ちゃんと脚立を持参して摘みに行った。
 たくさん食べたが、まだ少し若すぎて渋かった。
 夏ちゃんは少しお腹が痛くなったらしい。
 お腹の弱い祖父ちゃんが何もなかったのだから、昼食の食べすぎだと思うが、ちょっと祖父ちゃんがワルモノになってしまった。
   シェルター
 大学病院の日だったので、病院の帰りに凜ちゃんがコロナウイルスから避難してきた。
 Wイクジイで大変だったが、わが家がシェルターの役割にはなっているようだ。
 お父さんがテレワークのために凜ちゃんが家を追い出された感じでもある。
 テレワークさせるなら十分な住宅手当を!といいたいものだ。
 会社は、最初はテレビ電話だったらしいが、みんなの背景が辛すぎて即それは中止になったらしい。

   特別のメジロ
   メジロのさえずりがとても賑やかだ。カタカナでは表記できない複雑で大きな歌である。
 庭で凜ちゃんが食事中、ずーっと頭上で鳴いていた。
 社会全般にはなんか鬱陶しい時間が流れているが、道行く人が「こんにちは」「よろしいな」と声を掛けてくれて、メジロと併せてコロナを忘れる時間が流れた。

   お化粧
 ヒヨドリが椿の蜜を吸いにやってくる。
 受粉の仕組みの見事さに圧倒されるが、それにしても花粉でお化粧をしたヒヨドリも可愛い。
 普段はヒヨドリは可愛いようには思わないのだが・・・。

 陰性
 友人の甥っ子が「陰性」になったらしい。
   まずはめでたしめでたし。ただ世界中には今現在大変な方々もいる。
 外出自粛以外に何かできることはないものか。
 稚拙ではあっても、なぜ日本政府の対応はどんなに非適切であるのか、それを私の言葉で発信し続けることだろうか。

2020年4月16日木曜日

弦月

   弦月(げんげつ)。4月15日の夜明け(つまり14日の夜の終わり)にあまりに綺麗な半月なので撮ってみた。
 この位置だと弦(つる)が上か下かわからないが、先日スーパームーンの写真を掲載したから下弦の月であることは間違いない。
 弦が上か下かは夜が基準である(だから14日の夜の終わりと書いた)。

   14日の朝は先輩のF田さんから「今日は古代史の勉強会があるやろか」と電話があった。
 病身ながら気力はあるようで少し安心したが、「私も断三密で外出は止めているから、先輩も止めておいたら」と助言をした(私は基本的にイクジイだったが、それがなかっても今は止めておく)。

   弦月の近くの屋根に鳩が止まっているように見えたが、よく見ていると鳴きだしてイソヒヨドリだった。婚姻色からして♂である。

 イソヒヨドリは飛び立つときに羽を広げず、まるで「身投げ」みたいに飛び立つのが可笑しい。 
「ちょっとまて、早まるな」とつい声を掛けたくなる。

   足元には野蒜(ノビル)が出ているが、まあ99.99%は雑草としか感じないだろう。
 義母がお世話になっていた老人ホームの庭にもきっと出ているだろうが、今は基本的に出入り制限である。
 認知症の方々には家族のスキンシップが大事だが、コロナが収束したころには他の症状が悪化していないだろうかと心配する。
 人間界は大騒ぎだが、年年歳歳花鳥風月は同じである。
 風雨順時、季節は季節ごとに来る。

   コロナ禍も知らず野鳥は婚姻色

2020年4月15日水曜日

はっくしょん

   外出を自粛した上でコロナのニュースばかりを観ているとストレスが溜まる気がする。
 そこでイクジイは廃材で急遽孫の凜ちゃん用のベンチを作り、土曜日には凜ちゃんと庭でランチを食べた。

 写真は凜ちゃんが大きな「はっくしょん」で、ウイルスではなくご飯粒を大放出したところ。
 もちろん、その掃除は無用で、屋外だから野鳥たちが瞬く間に片づけてくれる。
 「あとは引き受けるから早く引っ込みなさい」とシジュウカラが凜ちゃん食事中からすぐ頭の上でうるさい。
 
 シジュウカラやヤマガラが都会で増えていると言われている。
 外出自粛でストレスフルになった時はベランダなどに餌などを置いて、ガラス越しのバードウォッチングをするのもお勧めだ。

   くしゃみひとつ同調圧力のようずかな

           免疫力弱き児らにも春の風

2020年4月14日火曜日

断 三蜜

 ものの本によると、「三密加持すれば速疾に顕わる」と空海は説いた。
 身体の運動(身)、言語活動(口)、心作用(意)、すなわち人間の活動全般を三密といい、人と仏が力を与え合うことを加持という。
 空海は「三密を通じて力を与え合うならば悟りは成就する」と教えているらしい。

 先日からの「三密を避けよ、三密を避けよ」という言動を聞くたびに、真言宗関係の人々はどんな感情を抱いておられるのかと複雑な気になるが、本願寺が「他力本願とは無責任ということではない」と発する感情と似ているかもしれない。だが同音異句や漢字や熟語に複数の意味のあることは日本語には避けられない。

 ネット上には『断密』にかけた壇蜜氏がセクシーな出で立ちで「濃厚接触自粛」というポスター風の図が話題?だが、「断 密閉、密集、密接」は誰が言おうと正しい。

 一坪にも満たない一坪菜園のおかげで新鮮な野菜は当分摂れるから、約1週間は完全封鎖されても生き延びられると思う。
 雨水は大壺に満ちており、炭もカセットガスボンベもある。
 時間つぶしの本は何十年分もある。
 で、ビールとワインを2週間分買って来た。 

   三蜜を避け朝八時品薄きスーパーはけっこうな人出

2020年4月13日月曜日

コロナ肺炎 中間まとめ

 昨年12月31日に台湾が「入国検疫」を強化し、WHOに武漢の情報を伝えたのにWHOの動きは鈍かった。
 中国がヒトからヒトへの感染を認めたのは1月20日のことだから、ある意味しようがなかった気もする。
 1月18日段階の中国の発表は感染者(患者)45人、内死亡2人だった。
 労働災害防止の法則のひとつにハインリッヒの法則があり、それをそのまま感染症に摘要するのは正しくないが、「当たらずと雖も遠からず」的に社会の常識を推測すると、私は家族に600人以上の感染者が発生していると語った。(この話は1月31日のブログ記事に書いた)

 前後するが1月16日に国内で初めて感染者が出た。
 1月29日に参議院で野党が「対策本部も立ち上げていないのか」と追及し、
 1月30日にようやく政府が対策本部を立ち上げた。
 1月31日にはWHOが緊急事態宣言を発し、それから半月が経過して・・・
 2月14日に専門家会議が初めて開かれた。

 このように異常なまでの対応の酷さは、予定されていた習近平氏の訪日で政権支持率を上げるために「臭いものに蓋」をした。
 オリンピック中止に至らないように「臭いものに蓋」をした。
 そして、この政権の致命的な忖度精神で、首相のそういう姿勢を邪魔せずサポートするための大臣と官僚の歪んだ精神、
 さらに、科学や統計や理論を軽視もしくは蔑視する精神の腐敗、
 無能力、さらに正常性バイアスに原因があった。

 2月24日に専門家会議が基本方針を発表したが、そのアナウンスは「軽症者は医者に行くな」という、まったく常識外れのものだった。曰く「医療崩壊を防ぐ」であったが、この時点でいう言葉では決してなかったはずである。

 2月25日現在の韓国の検査者数は40,304人であったが日本のそれは913人(チャーター便クルーズ船を除く)であった。
 事実、各都道府県では医師が検査が必要と判断してもPCR検査を拒否されるケースが生まれ、医師会調べでそのワーストワンは大阪府であった。

 こういう風に発表された数字は小さく、専門家などが「軽症者は医者に行かなくてよい」というものだから、国中に警戒心が弛緩していった。
 2月25日のブログ記事では、大阪府の検査者数が655人、内陽性1人だったが、あの春節を中心としたインバウンドでごった返していた大阪ミナミを知るものとしては、「それは嘘でしょう」というものだった。

 日本の感染者数と死亡者数は、安倍首相のご主人筋のトランプのアメリカからも「信用ならん」と馬鹿にされるもので、今では国際比較上の統計として採用できないというのが常識になっている。

 以上、中間的に振り返ってみて、現下の新型コロナウイルス肺炎のパンデミックは、日本国民はウイルスに負けたというよりも、政治に負けた、政権に負けて危機に直面しているのだと言った方がよいだろう。

 昨日の記事で、西浦北大教授の「8割の外出自粛」が正しいだろうということを書いたが、安定的な対症療法や医療技術の改善と並行できるレベルに下げるためには、これは大切なことだと私は思う。
 西浦教授の論に対して、「永遠に8割自粛しなければならない理論でないか」という反論、批判があるが、台湾、韓国、中国はその方法でピークを抑え込んでいる。イタリアも先が見えてきたようだし、ドイツもそうだ。
 
 ほんとうにパンデミックの抑え込みを希求している。政権は、補償なしの自粛要請だけでお茶を濁し、うまくいけば自分たちの手柄、失敗すれば「政府の忠告を信じないアホな国民のせい」として、そういうアホを従わせるためには人権を超えた強権的権限、改憲による独裁国家が必要という準備をしている。
 外出を控えているうちに、心ある人々はSNSで発信を始めよう。

2020年4月12日日曜日

8割おじさんに「真」がある

 内田樹氏の『常識的で何か問題でも?』という本はいろいろ感心させられるが、『知らないことの真偽を判定する能力』などと言う小節は参考になった。
 つまり、現下のコロナウイルスの今後についても、現にいろんな情報が飛び交っている中でどの説に寄り添うのが正しいだろうかということは悩ましいわけだが・・・。

 昨日の私の記事の「おまけ」の記事を読んでいただけただろうか。
 羽鳥慎一モーニングショーで田崎史郎氏が西村担当大臣に聞いたとして「休業要請の2週間先延ばし(様子見)は北大の西浦教授の専門的意見に沿ったものだ」と堂々と発言したが、当の西浦教授は「そんなことは言っていない」「即時対応すべきだ」「私の数字や見解が意図的に歪められて官〇から発出されている」とツイッターで反論した。

 西浦博北大教授は厚労省のコロナ・クラスター対策班の専門家である。専攻は「感染症数理モデルを利用した流行データの分析」ということで、氏のその理論を理解できたかどうかはわからないが、下記に紹介するFB記事を読む限り真偽の「真」は西浦教授にあると思う。

 西浦教授は最近『8割おじさん』と呼ばれているらしいが、安倍首相の「7割から8割の外出自粛」は正しくなく、本気で人との接触を8割減らさなければ大変なことになる。
 政治家は目先の経済と補償の方を向いて危険性を理解しようとしない。
 官邸も厚労省も私の数字を勝手に変えて流している…という趣旨の話を書いている。

 現状を正確に認識して「正しく怖れる」態度が大切だと思う。

 https://l.facebook.com/l.php?u=https%3A%2F%2Fheadlines.yahoo.co.jp%2Fhl%3Fa%3D20200411-00010003-bfj-soci%26fbclid%3DIwAR3VSDxYRWF06Z5SmzqiLREbfEjNnangXZA0gz1mF-yLVfJGK3c_N5cp-kQ&h=AT3ymsI3QlZDXV-yt36GuP9tCjaEQ6z6idW2G_KZvF2Q-rZnnBt-KtEg93H81RNb4D9bAPw3m3YLD77JXYxb-xegyhqEH5gI2FMsAHxHT8phtHoPznvFWHTXsu-91xt4sPnk&__tn__=%2CmH-R&c[0]=AT0sTrpyxSnu3c70d0GDsKvE3ETPPTgW1ObuxJQ3PUD2DvoPNXM7nasaf__n20V45g0oHGCG8sdlrHVy0EmWUUF-5Hs7uM1KQRVK6jkiR4-eUzX7aU_aRT-Oz5WYewQbcyqeKUmPtK_C7mbNGKw4

2020年4月11日土曜日

勉強、勉強

 萩原清文著『好きになる免疫学』を読み返しながら「なかなかウイルスは奥が深い」と溜息をついていたところ、FBにオフィス アコール代表の新楽智夫(にいら ともお)氏の『ジョンズ・ホプキンス大学の感染症教授による非常に有益な情報の日本語訳』というのを見つけ、「なるほど」と感心したところが多かったので、転載してお知らせしたい。

   ちなみに、ジョンズ・ホプキンス大学とは屈指の医学部を有するアメリカ最難関大学の一つであり、世界最大の公衆衛生プログラムを持ち、日本の新聞各紙やテレビ各局が日々伝える「世界の感染状況」のデータの発信元である。
 そしてこの記事は、日本とは関係なく、どちらかというとアメリカ国民に向かって発した情報提供と思われる。

 ☆☆☆☆☆☆☆☆
〇 ウィルスは生物ではなく、何層もの脂質(脂肪)でできた保護膜に覆われたにたんぱく質分子(DNA)です。
 このウィルスが、眼・鼻または口の粘膜の細胞に付着すると、突然遺伝コードが変異し倍々方式で増え侵略します。
〇 ウィルスは生物ではなくたんぱく質分子であるため殺すことはできませんが、自然に崩壊(減衰)します。ウィルスが崩壊する時間は温度、湿度、どこ()に付着したかにより違います。
〇 本来ウィルスはとても壊れやすいのですが、脂質でできた何層もの膜に覆われていることが問題でこの脂質の保護膜を取り除く必要がでてきます。
 脂質の保護膜を破壊することができる石けんや洗浄剤は有効(泡立ててこすり破壊)な訳です。破壊するためには石けんをたっぷりと泡立てて20秒以上こする必要があります。
 保護膜を破壊することによりウィルスたんぱく質は自然に減衰し崩壊していきます。
〇 熱は脂質を溶かします・・・25度以上の水で手や衣服、その他を洗うことが有効な理由となります。さらに暖かい水は泡がより泡立つため、より有効となります。
〇 アルコールとアルコールを65%以上含むものは脂質を分解します・・・特にウィルスの外側のたんぱく質の層を分解します。
〇 漂白剤(塩素)1対水5の割合でプロテイン(たんぱく質)を破壊します・・・ウィルスの内側から崩壊させます。
〇 過酸化水素水は石けん、アルコール、塩素の効果を長持ちさせます・・・過酸化水素はウィルスたんぱく質を破壊します。しかし、純過酸化水素水を使用する必要があり、皮膚を傷つける可能性があることに注意が必要です。
〇 殺菌剤、抗生物質は役に立ちません・・・ウィルスはバクテリアなどの生物ではないので抗生物質で殺すことはできません。
〇 服やシーツ、布などを振ってはいけません(使用、未使用にかかわらず)・・・表面に張り付いた状態では不活性なので勝手に時間がたてば分解するからです。しかし、これを振ったりハタキを使用すると、最大3時間空気中にウィルスが浮遊し鼻などに付着してしまいます。
― 3時間 (生地)
― 4時間 (銅と木)
― 24時間 (段ボール)
― 42時間 (金属)
― 72時間 (プラスチック)
〇 ウィルスは冷たい空気、寒い空間や家や車などエアコンがある場所では安定した状態で残存します。
 また、湿気と暗さはウィルスの残存を促します。したがって逆に乾燥した暖かい、明るい環境は勢いを墜落させます。
〇 紫外線ライトや光線はウィルスたんぱく質を破壊します。たとえば使用済みのマスクの殺菌には紫外線ライト(UVlight)を使用すると完璧です。但し、肌のコラーゲン(これもプロテイン)も破壊するので注意して下さい。
〇 ウィルスは健康な肌を通り抜けることはできません。
〇 酢(酢酸)は脂質の保護膜を破壊できないので有効ではありません。
〇 スピリッツ、ウォッカも役に立ちません。
 強いウォッカでもアルコール度数は40%です。ウィルスを破壊するには65%以上のアルコール度数が必要です。
〇 アルコール65%以上のリステリンは役立ちます。
〇 より狭く限られたスペースではウィルスも集中しているかもしれません。広い場所で換気がよければウィルスも少なくなります。
〇 粘膜を触ったり、食べ物、鍵、ドアノブ、スイッチ、リモコン、携帯電話、時計、パソコン、机、テレビ、トイレなどを触る前にも、触った後にも手を洗わなければなりません。
〇 頻繁に手を洗うことになるのでての保湿をして下さい。乾燥により生じる肌の小さなひび割れにウィルスが隠れ潜む可能性がありますから、厚めにハンドクリームを塗るのがお薦めです。
〇 爪の中にウィルスが隠れるのを防ぐために、爪も短くしておきましょう。
     ―ジョンズ・ホプキンス病院― (転載おわり)

 おまけだが、安倍内閣がどんなに嘘つきかという一端が次のLITERAの記事でよくわかる。

https://lite-ra.com/2020/04/post-5362.html?fbclid=IwAR0JU8OqjfwpW22siGxKH5haqpcAKPlsL3TQ17P2oKyBlO_iOKiYrIYNu9A

 誰だ、神風邪が吹いた!と喜んでいる奴は・・・。

2020年4月10日金曜日

辰野会長のFB

   休校でイクジイも楽しくてかつしんどい。
 祖父ちゃんは部屋の中でゲーム機を離さない孫を無理やり少し先の公園まで連れ出した。
 「外出自粛」のせいか公園には誰もおらず、貸し切り状態でひと時を楽しんだ。
 写真は小規模なジップラインだが、結構楽しんだ。
 本人が嫌がった、孫にしては少し失敗した絵である。それにしても冒険者の絵である。

 冒険というと冒険者モンベル会長辰野勇氏のFBには考えさせられた。引用する。

 「緊急事態宣言」の発表を受けて、7都府県の大型商業施設に出店している40店舗のモンベル ショップが休業となりました。この状況が長引けば、経済的なダメージは甚大です。
 米国コロラド州の2店舗、スイスの2店舗もすでに休業しています。
 そんな中、米国政府はいち早く小規模事業者に対して、当面8週間分の「従業員給与、家賃、光熱費」の全額を実質的に支援すると表明しました。
 スイス政府もまた、従業員給与の80%を当面支援するとの決定を下しました。更にツエルマット店の大家さんからは、家賃の80%を免除するとの連絡を頂きました。
 思いやりと助け合いの精神に感謝します。(引用おわり)

 こういう話を聞くと、東洋の礼儀の国は恥ずかしい。
 保守も革新もなく、こんな恥ずかしい政権は引退させたいと思うのですがどうでしょうか。

   妻がゲーム機漬けの孫に少しは勉強を考えさせようと「スーパームーンが月の出の時は真っ赤なのは何故か」と問いかけたが「そんなの知らん」と一蹴された。
 9日の夜、夫婦は真っ赤な月を見ながらため息をつくだけだった。(写真の色は一切加工していない)

2020年4月9日木曜日

花まつり

   4月8日は灌仏会(かんぶつえ:花まつり)の日だった。奈良の古寺でも例年華やいだ行事が行われるものだが今年はどうだっただろう。
 不要不急などと言うとお釈迦様に叱られそうだが、今年は写真のとおり家の中で生誕祭を行った。
 
 こんな大事な日に罰当たりな人間の話を書くのは躊躇(ためら)われるが、安倍首相の緊急事態宣言は酷いものだった。

 7日の記事に書いたが、中国の武漢で新型コロナ肺炎が発生したのは、201912月で、台湾などでは即時対応した。
 しかし安倍首相は習近平の訪日で支持率を上げることしか頭になく、なんと、中国の武漢で新型コロナ肺炎で死者41人が出ているのを知りながら、1月24日に首相官邸のホームページで、中国からの観光客に「訪日」を呼びかけていた。
 7日アップの写真の官邸ホームページが証拠だが、今はお得意の証拠隠滅のために削除されている。
 その結果、中国の旧正月(春節)中に約94万人の中国人が、北海道から沖縄まで、日本各地を訪れ、ウイルスは潜伏し感染を広げたと考えられている。

 その後は、もっぱら政権支持率のためにオリンピックの中止を避けることだけに意識を集中し、感染者数を小さく見せるため検査数を抑制し、海外からの帰国者も事実上ノーチェックで国内を移動して回った。
 なので、「日本の感染者数も死亡者数も信用ならん」とは安倍氏ご主人筋のアメリカでさえ公言している。
 それらの失策に一切の反省もなく、今後の感染拡大は国民の態度次第だと言ってのけたのだ。

 西欧の諸外国では、感染拡大防止の観点から外出を制限しているが、そのためには即決で補償額を前渡ししているが、この国の総理大臣は、そのようなことは一切できないと言い切った。口先だけ、30万円、30万円と繰り返したが、実際にもらえる人は非常に限定されている。

 山崎雅弘氏はツイッターで、「安倍政権と日本政府が今やっているのは、海に落ちた人に浮き輪を投げる前に「本当に必要とする人に浮き輪を渡すために、まず貴方が『泳げない人』であることを証明して下さい」と要求する態度。諸外国は「とりあえず浮き輪を投げる」。諸外国は人命救助を優先するが、日本政府は形式と手続を優先する。」と投稿したが全く的を射た例えだと思う。

   祈祷ではないが頼りの花まつり

9日朝5時

2020年4月8日水曜日

鯉のぼり

 政府がポエムのような緊急事態宣言を出した。補償などの内容は「これだけ待たしてこれだけかい」というのが正直な感想だ。
 それよりも、数日前からテレビのコメンテーターなる人々らによって「早く緊急事態宣言を出せ」という言葉が流されたことの方に心のざわつきを感じる。
 その文脈は、海外の都市封鎖のイメージで、自分らは三蜜に気を付けて自粛しているのに意識が希薄な若者(馬鹿者)がいるから拡大しているのだ。そんな外出している若者は逮捕ぐらいせよ! という気分を芬々(ふんぷん)とさせているのだった。

 現実の諸問題に直面した場合、その原因や対処方針を語って大きな合意を作って解決しようとするのでなく、何となく与えられた「正解」を妄信して、物わかりの悪い人間を取り締まれば世の中が上手くいくというような「世論」の醸成を私は恐れる。
 下手をすれば、感染者は犯罪者扱いされ差別されることになる。
 大阪では集会やデモも困難だ。今こそ心ある人々はSNSなどに参加して欲しい。

   小学校の休校で孫の夏ちゃんのイクジイをした。
 三蜜には当たらないだろうから、庭先で3人でBBQをした。今日のイノシシ肉は特に美味しかった。

 夕方は孫の凜ちゃんがやってきた。
 凜ちゃんと、世界中の子供たちの健康のために鯉のぼりを上げた。
 夜にはスーパームーンが・・・。
 お月様、世界の子供たちに平和を!



 

2020年4月7日火曜日

西部劇の国

 日本ではマスクやトイレットペーパーの買い溜めが話題になった頃、3月中旬に「アメリカで銃を買い求める長蛇の列」的なニュースに接して、いやはや西部劇の国であることよと半分軽蔑しながら笑っていたが、それが単なる「遅れた民衆?」の話でなく、れっきとした政権周辺のこととなると軽蔑だけでは済まない。

 話はこうだ。朝日新聞5日の記事によると、ドイツメディアは3日、タイのバンコクからベルリンへ運ばれるはずだった医療用マスク20万枚がアメリカに奪われたと報じた。ベルリン市警察が米国企業に発注し、中国で製造されたマスクだったが・・・
 フランスでも、東部の地域圏議会議長が1日、中国からフランスに向かうはずだったマスクが「空港の滑走路で自分たちより3~4倍高い値段で米国に現金で買われ、届かなくなった」と仏メディアに訴えた。
 
 ただアメリカのモラルの低さだけを笑ってはいられない。同記事の続きによると、当のフランスも3月上旬、スウェーデンの医療機器会社がイタリアやスペイン向けに発送したマスク400万枚を中継地のフランス国内で没収。当該会社が外交ルートで働きかけた結果、ようやく2週間後に、200万枚だけの発送を認めて残りは没収したという。

 このような海賊合戦に日本が名指しされていないのは好いことだが、ちょっと待てよ、世界各国では常識であった異常事態に日本政府周辺は無為無策、ノーテンキだっただけではなかったか。

   中国の武漢で新型コロナ肺炎が発生したのは、201912月!
 台湾などでは即時対応策を発動した。
 しかし安倍首相は習近平の訪日で支持率を上げることしか頭になく、なんと、中国の武漢で新型コロナ肺炎で死者41人が出ているのを知りながら、首相官邸のホームページで、中国からの観光客に「訪日」を呼びかけていた。
 写真の官邸ホームページが証拠だが、今は証拠隠滅のために削除されている。
 その結果、中国の旧正月(春節)中に約94万人の中国人が、北海道から沖縄まで、日本各地を訪れ、ウイルスは潜伏し感染を広げたと考えられる。
 この推理が違っているなら証拠を出して反論せよ。

 その後は、もっぱら政権支持率のためにオリンピックの中止を避けることだけに意識を集中し、感染者数を小さく見せるための検査数の抑制に走ったというのが事実でないか。

 盟友?トランプは他国のマスクまで横取りしていてもお裾分けは一切なく。
 ならばと首相の選挙区のある山口県の首相のフェースブック友達の会社に布マスクを発注して、一家族2マスクというありさまである。
 不要不急というならば、この政権の存続こそが不要不急だと私は思う。
 (官邸HPの写真や関連する文章は、高田富雄➭巨悪を許さない市民の会のFBから転載させていただいた。)

2020年4月6日月曜日

罪にはよも候はじ

 白河院、法勝寺つくらせ給(たまい)て、禅林寺の永観(ようかん)律師に「いかほどの功徳なるらん」と御尋(おたずね)ありければ、とばかり物も申さで、「罪にはよも候はじ」とぞ申されたりける。(続古事談)
 (白河院は法勝寺を造営なさって、禅林寺の永観律師に「どれほどのすばらしい功徳になるだろうか」とお尋ねになった。永観律師は一瞬言葉につまったが、「少なくとも罪にはならないでしょう」と、お答えになったということである)本郷恵子著『怪しいものたちの中世』角川選書
 さすがに永観律師、白川法皇に対しては「バ~カ!」とは口に出せなかったのだ。 
 
 瞬く間に世界中に拡散されて失笑の渦を巻き起こしたニッポン国総理大臣が下賜してくださる布マスク2枚。 
   「ウイルスはブラウン運動をするから布マスクでも捕獲できる」という主張を否定も肯定もできるほどの知識はないが、私の感覚でいえば、ウイルスの小ささとマスクのメでいうと布も不織布も、医師用のものでない限り五十歩百歩でないかと思っている。

 つまり、ウイルスの侵入阻止といえばどちらも不合格だが、『咳エチケット』という意味では全く無意味であったりマイナス作用ということはないのではないだろうか。
 ということで、『罪にはよも候はじ』という言葉が脳裏に浮かんだのだがチト誉めすぎだろうか。

 いや、首相はオカルト的な信仰がお好きなようであるから、「笑えばコロナはうつらない」的な信念から、全国民を布マスク2枚で嘲笑(わら)わせてコロナに勝とうとしているかもしれない。

   それならと、こちらも花粉症バッジで対抗して笑い飛ばそう。
 「ほんとうのコロナ感染者が着けていたら混乱する」などのお叱りもありましょうが、あまりに鬱々としたニュースの洪水の下で、これくらいのジョークは許されよ。

 私は決してコロナの局面を軽視はしていない。
 だから全面的に外出は自粛してこんなジョークを考えているのだが、副作用として今年は花粉症が少々軽く経過している。功徳であろう。




 





2020年4月5日日曜日

早蕨(さわらび)

   ああ、このもやもやをどうにかしたい! と思うが、コロナウィルスとの戦いは長期戦になるだろう。
 そんなもので今日は、コロナに意識を集中しすぎるのを避けてメンタルのバランスを回復させようと、能天気な写真と記事にする。
 
 石走る(いはばしる)垂水(たるみ)の上のさわらびの萌え出(い)づる春になりにけるかも (志貴皇子)

 これは万葉集巻(まき)八の巻頭歌である。
   岩の上を 
   ほとばしり流れ出る滝のほとりの
   蕨が
   萌え出すように天に向かって伸びてゆく……
   春になった!         (上野誠訳)

   一般に野草は強い毒(アク)を含んでいる。正確に語れば、あらゆる植物は自己の防衛のための毒の要素を持っている。
 だから、ディアーラインといって鹿の食べられる高さから下は見通しがよい奈良公園だが、毒性の強い馬酔木(あせび)や蕨(わらび)だけは食べられずに繁殖する。

 そんなもので、鹿が芝を食んでいる横手で妻がビニール袋いっぱい収穫した。
 早蕨(さわらび)を見るとウズウズして放っておけないという。
 場所は孫の病院の前の広場(東大寺西塔跡)で、自然のあまりの大きさに感じ入りつつ春風と花粉を浴びながら・・・。
 写真の孫は鹿を叩いているのではなく、やあ!と挨拶しているところです。

   奈良鹿の食い残したる蕨かな
   ハンデある児らの病院前の鹿
   ウィルス避けよ弱き子らの病院ぞ

2020年4月4日土曜日

中央大学真野俊樹教授(医師)の見解

 コロナの問題で新聞やテレビを見ていてももひとつ胸に落ちない。
 首相や都知事や府知事が演説をしても何か白々しい。
 2か月かかって首相がやると約束したのは「各住居に2枚の布製マスク」。それは山口県の会社で首相のFB友達が社長らしい。

 国民がいろいろ考えるにしてもデータが限られている。
 そんなもので朝日新聞のデータを基に何回か書いてきたが、分かったことは日本の感染者数は重症者数に近い。死者数にも漏れているものがありそうだ。
 そのように「隠れ感染者」が相当数居て爆発する危険性がある。
 一方、死者数は今のところ相当数抑えられている。・・・ということだ。

 なので、各国の状況を見るだけでなく、山を越えたように見える韓国、必死の抑え込みができていそうなドイツ、そして医療崩壊を生じているイタリアに的を絞って検討しようと考えた。が、ネット上を検索してもこれといったデータはほんとうに見つからない。
 と困っていたら、私の問題意識とぴったり合う、真野俊樹(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師)の見解表明が見つかった。アドレスは次のとおりだが、念のため、コピーを表示する。
 私自身は門外漢の一市民だが、説得力のある見解だと考える。(ただし、文末に記すような異なった意見もある)

 https://diamond.jp/articles/-/232537



コロナで絶体絶命のイタリアと違い、日本で死者激増の可能性は低い理由
真野俊樹:中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師
(ライフ・社会 DOL特別レポート2020.3.24 5:37
 
なぜ、イタリアではこれほど死亡者が増えてしまったのか

欧米で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。特にイタリアでの死亡者は発生源の中国を上回るほどのひどい状況となっている。なぜ、イタリアではこれほど死亡者が増えてしまったのか。将来的に日本はイタリアのような状態になりうるのか。医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで医療経営を教えているという立場の筆者が各種データに基づき、「日本の今後」を予想してみた。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)

イタリアで新型コロナの死亡者が増えた原因
 なぜ、イタリアがこんなことになったのだろうか。
 そもそもイタリア北部では1990年代以降、中国人の移民が急増していた。運悪く年末から、1月下旬に始まる中国の旧正月である春節休みの時期に、中国系の移民が中国とイタリアとを行き来し、感染の引き金を引いたという説が有力視されている。
 筆者はその説を正しいと考える。ただ、それは「感染が広まった理由」の大きな要因なのかもしれないが、重要な指標である「死亡者数」や「死亡率」の説明にはならない。
 イタリアについては、他にも、日本に次いで「世界2位の高齢化国」であるという事実もある。
それでは「世界一の高齢化国である日本ではどうなんだ」という話になり、これも死亡者数が多い理由を説明できない。
 そこで、筆者は医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで医療経営を教えている立場から、日本の今後を予想したい。各国比較のデータは、すべてOECD(経済協力開発機構)の2019年版から引用している。

 最近、メディアでよく聞くのは「医療崩壊」という言葉である。医療崩壊という言葉に厳密な定義はないが、ここでは、「患者が医学的に必要な措置が生じた際に入院できない、あるいは医師による適切な診断・治療を受けられないこと」を指すと定義しよう。
 つまり、患者数に対して、医師の数が不足していたり、病院(病床数)が不足していたりすることである。
 ちなみに、ここでは単なる感染者数は、各国ごとの検査に対しての「考え方」が異なるために、比較の材料としては使用しない。あくまでも、死亡者数や人口当たりの死亡数の多さについて、比較・検証していきたい。

イタリアでは発症から死亡に至るまでが早すぎる
 まず、イタリア国立衛生研究所が公表した文書によると、感染者の症状発現から入院するまで4日間かかり、さらに4日後に死亡する、という発症から入院、死亡までの異様な早さが目に付く。
 死亡者の平均年齢の中央値は80.5歳で、感染者の場合は63歳だという。いくら高齢者とはいえ、わずか8日で死亡というのは早すぎるという印象がある。
 これは患者が必要十分な医療を受けられていない状態、いわゆる「医療崩壊」が間違いなく、生じていると考えられる。
 実際、2020322日のデータにおいて、イタリアでは感染者数47021人、死亡者数4852人、人口当たり死亡率0.008%(以降人口は外務省基礎データで計算)と死亡者数が多い。
 他のEUの国でもドイツでは感染者数18323人、死亡者数が45人と少なく、人口当たり死亡率0.00054%で、ドイツの感染者数はそこそこ多いが「医療崩壊していない国」とされる。また、韓国は312日の感染者数7476人で、ピークアウトしたといわれている。
 しかし、1カ月前は全く状況が異なっていた。

韓国とイタリアでは同じように220日前後に患者が急増している。39日にはWHOの数字によれば、両国とも感染者数が7000人を超えている。詳しく述べれば、39日はイタリアの感染者数は7375人、死亡者数は366人、韓国は7382人で、死亡者数は51人である。
 つまり、両国においてはここからの経過がまったく異なっており、322日現在、イタリアは感染者数が53578名、死亡者数は4825人、韓国の感染者数は8697人で、死亡者数は104人にとどまっている。
 感染者数においては国ごとの対応が異なったりする場合や、手洗いなど生活習慣の差などがあろうが、死亡者数に鑑みて一言で言えば、韓国は医療崩壊を免れてピークアウトしたといえよう。

感染者数激増の韓国がイタリアのようにならなかった理由

 ここで韓国とイタリア、ドイツの医療提供体制において3カ国を比較してみよう。筆者はイタリアについては、現地調査に行ったことがない国なので、もしかしたら誤解があるかもしれないが、すべてデータに基づいて考えてみたい。
 まず特徴は、3カ国とも国民皆保険の国であるということである。イタリアは100%国民皆保険の国であり、ドイツは収入の多い一定層は国の保険に入っていないため国の保険制度への加入は89.4%であるが、その代わりに民間保険に加入することが義務付けられているので実質は100パーセントといっていい。韓国、日本も100%国民皆保険の国である。その点において、同じく感染者数、死亡数が急増しているアメリカとは全く異なる背景を持つ。
 そうなると、比較のポイントとして、病床数(特に重症な患者を扱う急性期病床数)、医師数、そして医療レベル、付随的に、医療費といった視点で評価したい。

 ◎イタリア、ドイツ、韓国、日本との医療データの比較
            平均     ベッド数     ベッド   急性期    医師数      脳卒中
       在院日数 (人口1000     占有率   病床    (人口1000    死亡率
                   人当たり)               人当たり)  (人口10万人当たり)  
 イタリア  7.8      3.2            78.90%        2.8           4        62.2
 ドイツ          8.9      8         79.80%        6             4.3     46.1
 韓国          18.5      12.3           ―              ―              2.3     56.1
 日本          16.2      13.1            75.50%         7.8             2.4     46.1

OECDなどのデータを基に筆者作成。急性期病院の比率のみは、2017年のOECDデータによる。韓国の急性期病床の「―」は約7.5 拡大画像表示表を見ていただきたい。


 最初に韓国である。韓国については313日前後の各メディアの報道を見ると、「PCR検査を拡大したために感染者数が一気に増えて医療崩壊した」という指摘が目立ったが、それは一時的な現象にとどまり、最終的には医療崩壊を起こさずにピークアウトした。その理由は何か。
 一つはイタリアよりはるかに多い豊富なベッド数である。OECDのデータからはわからなかったが、筆者の過去の調査では、韓国では急性期の医療が中心であり、ベッド数の60%以上は急性期ベッドで、日本とほぼ同じ比率である。急性期病床の占有率(利用率)は10%ほど高いと思われる。その点で病院の余力は少なく、医師数もヨーロッパよりは少ないが、乗り切ることができている。
おそらく、医師の過重労働という点では、ヨーロッパの病院よりもひどかったかもしれないが、新型コロナ感染者のすべてがICU(集中治療室)に入院するなどの重症者ばかりではないということから考えれば、とりあえず入院させて隔離したりすることができたことが、ピークアウトの大きな要因ではなかろうか。
 結核の感染病床でも医師の高度な治療が常に必要なわけではない。隔離して感染を防ぎ、重症化しそうな時にすぐに介入することができることが重要であろう。

ドイツはなぜ死亡者が増えていないのか

 さてここで、おなじEUの国として似通った医療体制を持つイタリアとドイツを比べてみよう。ほぼ同じようなトレンドで片方が医療崩壊、片方がピークアウトという対照的な動きをしたイタリアと韓国と違い、イタリアとドイツは感染者数が増える時期が異なっており、ドイツでさえ現状ではピークアウトしていない。
 イタリアとドイツの「決定的な差」が何になるかといえば、やはり病床数と医療のレベルということになろう。ドイツに比して、イタリアは病床数が半分以下である。
 そして付随的な対GDP比当たりの医療費も異なる。イタリアは8.8%に対し、ドイツは11.2%である。この費用の差から考えれば、医師などの待遇や病院の設備という点で、ドイツはイタリアよりすぐれていると考えられる。
 病床の利用率や平均在院日数にはあまり差はないので、病床の余力としても大きな差がないと思われ、正確にいえば、このような急性期の治療を行うための「急性期病床数の差」ということになるが、ここにおいてもドイツとイタリアの病床数差は大きい。
 つまり、病床率の差が、医療崩壊の定義となる「患者が医学的に必要な措置が生じた際に入院できない、あるいは医師による適切な診断・治療を受けられないこと」に直結したと思われる。
 次いで医療レベルである。先述したように、筆者はイタリアに直接病院や医療関係の調査に行ったことがないので医療のレベルを正確に判断する立場にはないが、一つの例として「脳卒中の死亡率」を取り上げてみたい(前掲表参照)。
 この差を見ると、急性期の疾患において、やはりドイツの方が医療レベルは高いとみた方がいいであろう。
 もう一つの重要な要素となる「医師数」においてはイタリアとドイツはあまり差がない。これはヨーロッパには比較的、医師数が充実している国が多いということによる。
 もちろん、ドイツは感染者数が少ないから、「現状では医療崩壊するわけがなく、今後はどうなるかわからない」という批判はあり得る。

これまでの状況に鑑みれば、イタリアや韓国の感染者数が7000人を超えた39日に、ドイツは1112人で死者数は0である。ドイツで感染者数が7000人を超えたのは318日であり、その後322日には上述したように感染者数18323人だが、死亡者数が45人にとどまっている。
 ということから考えると、感染者数がイタリア同様に多いドイツであっても、現在医療崩壊を起こさずに死亡者数が少ないのは、病床数が行き届き、医師数が充足しているからだと考えられる。
 もちろん現場の医師が過重労働になったり、イタリアでは医師会長が新型コロナウイルに感染して死亡し「殉職」ともいえるような亡くなられ方をしたという話も聞いている。医師の「充足」とはあくまで数の問題のことだけであり、冷たく聞こえる点はご容赦いただきたい。
 さらに、318日以降感染者数が激増していることを考えれば、病床数が少ないことを考えれば、確かにドイツでも今後が不安ではある。

日本での死亡者はイタリア並みに増えるのか

 さて、ここで日本の将来を考えよう。
 実は筆者は「日本では医療崩壊は起きない」と考えている。医療崩壊を起こさないという理由は医師数や病床数、特に病床数に余裕があるということである。
 日本はドイツよりも、病床数は圧倒的に多く、韓国と同程度である。少ないのは医師の数であるが、これも韓国とほぼ同じである。また病床の空床率は韓国より高いので、余力もある。対GDP比の医療費のかけ方も韓国は8.1%なのに対し、日本は109%である。
 また、新型コロナウイルスの診断に重要な役割を果たすCTの台数は人口当たり世界一である。
 もちろん、慢性期の病床であれば“急性期へ転用”ということも考えねばならないが、諸外国で「ホテルを病床で使おう」という話まで出ていることに比べれば、日本の優位はゆるぎない。
 ただし、感染者数が爆発的に増え、韓国のピークをはるかに超え、現在のドイツのように2万人近くになった時に医療崩壊が起きないという保証はない。
 東京都知事が「首都のロックダウンもあり得る」と発言したように、決して「油断はできない」という事態であることは、強調しておきたい。
 その意味では、「またか」といわれるかもしれないが、手洗いの励行に加え、「密閉・密集・密室」における他人との濃厚接触を避けるという努力は今後も続ける必要がある。
 医療者と患者で一致団結し、この難局を何とか乗り切りたいものである。
 (以上、引用おわり)

 データは、OECD、厚労省、日本医師会等々を見ても微妙に異なっていて、門外漢には非常に理解が困難だ。
 ただ、日本集中治療医学会理事長声明は、イタリアとドイツの死亡率の違いは集中治療体制の違いと述べ、人口10万人当たりのICU(集中治療室)のベッド数は、ドイツが29~30床に対してイタリアは12床で、集中治療を受けることなく多くの人々が亡くなっていると指摘。
 その上で、日本は人口10万人当たり5床程度と、行き過ぎた行革等で医療体制が崩壊したと言われるイタリアのさらにその半分以下であり、日本の集中治療体制の崩壊は非常に早く訪れると予想される。さらには、人工呼吸器を扱える医師も少なくマンパワーも不足していると強調している。
 日本医師会も同様に「医療危機的状況宣言」を発表した。



 最後に、安倍自公政権は、このような新感染症などの最前線にあたる公立、公的病院を統廃合し、病床を20万床削減しようとしている。
 心ある人々は、こんな政権を大きな声で批判しよう。
 
 その上で、津波や台風などの自然災害で『正常性バイアス』のことが度々指摘されてきたが、この新型コロナウィルス問題では、為政者の「脅しのような政治発言」は横においても、少し臆病なぐらいに慎重である方がよいと私は思う。

   ウィルスはヒトの力を試してる