フクシマ第1原発事故の廃炉作業の目標すら具体化できない中、安全対策の巨額のコストなどを別にしても、原発はほんとうに安価でクリーンなのかをもう一度確認しておきたい。
その1、原発は稼働率が低いのでコストは高い。
発電事業は燃料費よりも固定資産に多額の費用がかかるので、机上の計算で稼働率を上げれば安く見えるが、大島堅一教授の現実の試算(1970~2007)では、1キロワット時あたり、一般水力が3.98円、原子力が10.68円、実際にある原子力+揚水が12.23円となっている。
ネットを開けると「原子力は安い」という宣伝が、政府や電力会社、そういうところから予算を貰った研究所や御用学者によっていっぱい出てくるが、「原発は絶対に安全だ」と宣伝してきた反省はないのか。
その2、原発の周辺には化石燃料が大量に使用されている。
「原発は二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギー」という宣伝も大きいが、原発の建設、ウランの採掘、その運搬、製錬、濃縮、加工には莫大な化石燃料が使われている。
そういう真っ当な批判を受けて国や電力会社も、近頃は「発電時に二酸化炭素を出さない」と言い換えているが、正しい日本語なら「ウランの核分裂反応は二酸化炭素を出さない」と言うべきだ。
その3、地球温暖化の原因はCO2だけではない。原発は海水の大きな湯沸かし器である。
恥ずかしい話をすると若い頃、某電力会社の保養施設を利用したことがある。日本中の企業がそういう保養施設を持ち、お互いに融通しあってた頃の話。そこでは鯛のお刺身などが割安であった。なぜか。原発の温排水で鯛の養殖がされていたからだ。
それは反対にいうと今まで獲れていた海水温での魚種が不漁になったり、環境を混乱させていることでもある。
日本列島には年間約6500億トンの雨が降り、4000億トンが川を通じて海に流れている。
さて、原発は300万キロワットの熱を産んで、その3分の1を電気に変え、3分の2は海に捨てている。1秒間に70トンの海水を引き込んで7度Cあげて排水している。風呂の温度を7℃上げるとどうなるかを想像してほしい。年間約1000億トンの海水を7度C温めているのだから、近年の気候危機に影響がないと考える方がおかしくないだろうか。
日本政府が「原発だ、原発だ」と言っている間に世界の砂漠地帯が巨大な発電所に変わりつつある。
「原発建て替え」。こんなニュースを見過ごしていて良いだろうか。


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