第1に、先ずは古代からの思想・宗教を押さえておいて、第2に、明治の脱亜入欧政策を理解しておく必要がある。
その第1だが、古い思想を語る場合、当然ジェンダー不平等や階層差別があるが、今日のところはそのことは学問的には横に置いておいて、「お内裏」とされているので男雛が天皇、女雛が皇后と考えて大きくは間違いがない。となると当然、男雛を上位に飾るのが正しい。これは男女でなくても左右の大臣と考えてもよい。
第2に、明治の政権は西欧の王様と王妃の立ち位置を真似て日本の伝統をコロッと投げ捨てて、左右を逆転させたので、以降、雛人形も、いわば平安流と明治以降流が並存して今に至っている。
よく自称保守とか右翼と言われる人が日本の伝統を投げ捨てた明治風を「伝統だ」などと言っているのは軽薄な気がするがそれはさておき、本題の左右の問題である。
そもそも天皇という言葉は道教にいう北極星を神格化した神(北辰信仰)のことである。 北極星であるから当然顔は南を向く。「天子南面」である。
そして道教では左右のうち左を上位としてきたので、飾られた内裏(雛人形)の左(向かって右)が上位になるから男雛は左(向かって右)に飾るのが正しい。
重ねて言うが、大河ドラマでも理解が容易いが、右大臣よりも左大臣の方が位は上である。
古典芸能の舞台の上手、下手もそう。落語の場合も基本は通ずる。左(向かってなら右)が上(かみ)である。
これらのイメージは京都市の地図を思い浮かべると解りやすい。御所は京の北にあって南を向いている。だから東側に左京区があって西側に右京区がある。歴史を考えない人は京都の玄関口京都駅(七条口)で降りて京都の中心街(北)を向いて「なんで右側に左京区があるの?」と悩む。普通の地図もそうである。と、とりあえず悩むのは正しい。それを考えもせず悩みもしない人は論外であるが・・。
天子は南面す。左が上位。・・なのである。
この種の伝統を知らずに明治以降の流行に流されてヨシとする人は反対に飾るとよい。それも一つの判断だ。ただ、私はそういうのを好まない。
それはさておき、我が国での「天子南面」の思想は古代史的には新しい思想だった。以降、有名な寺社は基本的に南を向いているので、そうではなく東にある三輪山(西面している三輪大神)を拝む大神神社はそれ以前からの古い神社ということができる。
奈良時代の古地図では春日大社も西面していたように見えるが現在は南面になっている。
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