3.11から数か月も経たずに生まれた孫の夏ちゃんも中学生である。その間に私たち大人たちはこの国をどれだけ安全で穏やかな国に「改善」できただろうか。終活だとか〇〇終いだとか言っている暇はない。
津波について語ると、あのとき勤労者の多くは就業中であったから、現地以外のほとんどの方は夜のニュースで知ったことだろう。そして、海岸べり以外の現地の方々は停電でそれを見ていない方も多かったと思う。
しかし私は、けっこう揺れた奈良市内から飛んで帰ってテレビでそれをLIVE、つまりヘリコプターからの実況で見ていた。
人が歩いたり自動車に乗ったりして避難していたが、そのすぐ後ろから津波が襲ってきて、人が津波に飲み込まれて死んでいくのをLIVEで直接放映していた。そのとき、即、人が死んでいくのをテレビは実況していたのである。
ほんとうに、「あかん。そっちへ行ったらあかん。早く丘へ向かって」とテレビのこっちでほんとうに声を出していた。
夜のニュースの映像の何千倍、何万倍もの強烈なショックであった。重ねて言うが、海岸から離れた現地の方々は停電で知らなかったのではないだろうか。
「津波てんでんこ」とは、「津波が来そうだったら、躊躇せず各自てんでんばらばらに高台に逃げろ」という昔からの大切な教えである。
福島原発事故についても触れたい。最初に述べたとおり、あの時に生まれていなかった孫が中学生である。15年が経過した。「私から保証します。状況はアンダーコントロール(統御)されています」と安倍晋三氏が言い放った880㌧のデブリは15年で0.9グラム取り出しただけである。
世間では理系・文系ということがあるが、大切なことは「理系バカ」にならないことだと思う。
確かに医学や自然科学の進展はめまぐるしいが、そして、「原発は安全だ」というコマーシャルは今も大きいが、樋口裁判官の下した判決文にあるとおり、フク1原発は「あってはならない欠陥があったため流れ込んだ水で冷やされて東日本壊滅が防げられた」のだった。
もう一つ、ほんとうに「絶対安全だ」というものならば、電力の大消費地近く、東電は東京湾岸に、関電は大阪湾臨海部に原発を建てるべきである。
それを、過疎に悩む地方の弱みに付け込み、考えられないような札束で頬を叩きまくって今がある。
最後に気候危機のこともある。原発は、核分裂や核融合のエネルギーを使用すること以外は理屈は単純な釜である。その過程で使用される海水(冷却水)は海に放出されるので、その温排水は海水を7℃上げていると言われている。電力会社側は2℃と主張しているが、要するに、日本列島を取り巻く海水温度を上げている。
酷暑も豪雪も気候温暖化のせいだという。
世界は確実に再生可能エネルギーにシフトしている。冷静に立ち止まって議論すべきだろう。(写真は9日の朝日新聞)