2026年3月27日金曜日

ホトケノザ

    24日に「ホトケノザとヒメオドリコソウが満開」と書いたが、このホトケノザ(仏の座)は、ほんに蓮華の上に座っているように咲いているので判りやすい。
 だが問題は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、の春の七草のホトケノザはこれではないということ。
 春の七草のホトケノザは正しくは写真のコオニタビラコだからややこしい。
 だから一旦覚えても毎年この名前は何だったかなあと首をひねる。
 ところが昨今は、スマホのカメラ機能で質問すると即座に名前などが判る。便利だと思うが、もの足りない気分も残るのはなぜだろう。

 スマホの機能でもう一つ。近頃の私の朝食はトーストだが、トーストは5枚切り、カマンベールチーズは6P、ヨーグルトは4個セット、乳酸飲料は10本セットで、何かが切れそうだと買い物に出かけている。
 そこで、買い物に出かける回数を減らすためにはいつ出かければよいかと、つまり最小公倍数の出し方はどうだったかなあと遠い記憶を探ってみた。先に答えを書くと最小公倍数の出し方には3通りあり、①倍数を書きだす方法、②連除法(はしご算)を使う、③素因数分解を使う、・・のだが、なんと、スマホで「5と6と4と10の最小公倍数は」と尋ねると即時に答えが出てくるのである。

 漢字もいざ書こうと思うとアレレと手が止まるときがある。
 賢明な皆さんはそうではないだろうが、私はずんずん退化していっているのが判る。

2026年3月26日木曜日

古代寺院と造営氏族

    小笠原好彦著『日本の古代寺院と造営氏族』吉川弘文館は、索引を除いて355頁の大著である。
 大きな目次だけを紹介すると・・・、
 第一部      大和の古代寺院と造営氏族
  第一章      願興寺出土の飛鳥朝軒丸瓦と造営寺院
  第二章      巨勢寺跡と造営氏族の動向
  第三章      吉備池廃寺と木之本廃寺の性格
  第四章      川原寺の瓦当笵の移動と寺院の造営
  第五章      檜隈寺跡の伽藍と大改修
  第六章      本薬師寺の伽藍と新羅の感恩寺
  第七章      小山廃寺の性格とその寺院名
  第八章      加守廃寺の長六角円堂とその性格
  第九章      毛原廃寺の性格と造営氏族
  第十章      菅原遺跡の八角円堂と長岡院
 第二部      大和周辺の古代寺院と造営氏族
  第一章      摂津の猪名寺廃寺・伊丹廃寺と造営氏族
  第二章      古代の同笵軒瓦からみた僧寺と尼寺
  おわりに
   ・・・となっている。章の下の節を書くとするとこの記事が終わってしまう。「おわりに」だけでも17頁に及んでいる。

 多くの章の骨子については夫々私が受講したものだが、不良受講生の記憶は矢よりも早く消えているから、この本を読むたびに新鮮で、「そういえばそんな講義だったな」とやっと記憶を呼び戻す日々である。
 とりあえず斜め読みをしたが、これから一章が一冊の本だと思って、興味の湧く章からゆっくりと再読していきたい。
 柱穴や礎石や瓦の紋様などなどの考古学的な見解と、日本書紀その他の記録を照合しながら歴史を明らかにしていくこの本は、一面では推理小説、サスペンス劇場のような面白みもある。
 高額であるから購入まではお勧めしないが、図書館で読んでみてほしい。なければ図書館に購入方依頼してほしい。
 暗記ではなく探求する歴史は面白い。

2026年3月25日水曜日

焚火パーティー

    NHKeテレ 日曜朝早くに『野菜の時間』という番組があるがその中で・・・、ある日曜日の番組の片方では、「こう耕して、こう肥料をやって、こう農薬をまく」という番組をしていると思うと、別の日(週)には、「耕す必要なし(不耕起)、草取り農薬必要なし」という「有機のチカラ」という放送をしている。どっちやねん??
 で、怠け根性は「渡りに船」と有機不耕起栽培側に傾くのである。
 写真はホトケノザとヒメオドリコソウの群落だが、実はウスイエンドウの畑そのもので、この上にウスイエンドウが伸びている。
 ホトケノザもヒメオドリコソウも満開で実に美しいが、資本主義社会で市場のお世話にならない花は「雑草」と言って嫌われている。草に意思があったなら「理不尽な!」と怒っていることだろう。

    そんな放送のあった日曜日に、孫の凜ちゃんのリクエストで焚火で焼き芋と焼きリンゴを作った。
 近畿一円乾燥注意報が出ていたが、可愛い焚火なので許してもらおう。
 焼き芋もこれまで何回も失敗してきたので近頃は「ほゞマスター」というレベルにだんだん近づいてきた。
 さつま芋自身品種改良で旨くなっているし、生焼け、丸焦げさえしなければ旨い焼き芋は作れるのだが、そのタイミングが難しい。
 いろんな調理器具で焼き芋も上手くできる時代だが、それでも焚火の焼き芋は格別で贅沢だ。
 やきいも やきいも おなかがグー
 ほかほか ほかほか あちちのチー

2026年3月24日火曜日

9条の制約

    日米首脳会談が終わって、世論調査では内閣支持率が上がったと報道された。少なくない人々が、投資という名の莫大な貢物と引き換えに予想値の中では最悪のシナリオを回避できたことを評価したのだろう。
 最悪のシナリオはホルムズ海峡への自衛隊の派遣で、もしかしたら日本国民である隊員の犠牲をも厭わないという想定であったのは間違いなく。少なくない国民がその可能性を払拭できないでいたところ、それだけはなくなって多くの日本国民がホッとしたという感情が世論調査に反映されたのではないか。
 高市シンパのSNSでの発信では、「日本には憲法9条があるから自衛隊派遣などありえないのに、あり得るかのように心配していた人々はがっかりしただろう」と揶揄するのがあったが、私の知らない間に高市シンパは護憲派に鞍替えしたようだ。それならそれでよろしい。
 しかし! 西欧の主要国トップは「国の法制度上は艦艇派遣できるが、この戦争には正義がないから派遣しない」と明確に述べているが、高市首相の論立ては「私はトランプさんネタニヤフさんの戦争は正しいと考え艦艇を派遣したいが、日本には憲法9条があるから派遣できないことをわかってほしい」というものだ。
 これを「似て非なるもの」だと正しい理解が広がればあんな内閣支持率は出ないのではないだろうか。

 以前のことだが、私は航空自衛隊のハイレベルの幹部の方と親しくしていただいていたことがある。その折、何人かの酒席でAさんが「やっぱり皆さんは改憲派ですか」と尋ねると、大幹部のその方は「憲法9条は変えてはならん」ときっぱりと申されたので少々驚いたことがある。憲法9条の下での自衛隊というのが尤も現実的な防衛策だと・・・
 高市シンパの皆さんは護憲や自衛隊の海外派遣反対などの主張を「お花畑だ」などと揶揄されるが、ユーラシア大陸のそばの列島の島国で、しかもGDPも順に抜かされて行っている現実の下で、軍拡で脅せば周辺諸国は腰を抜かすであろうという想定こそがお花畑でなくて何であろう。
 いまの瞬間は石油問題が話題であるが、レアメタルどころか日本のコメ作りの肥料や農薬の自給率はほゞ0%である。
 土下座外交をせよというのではない。憲法9条を堅持した友好外交こそが日本国民を豊かにする道である。

2026年3月23日月曜日

木の芽時

    春分の頃、気候も変化し連動して体調も不安定になる。特にこの時期は「木の芽時」といって昔から「メンタルの不調」が起きやすいと言われてきている。
 冬が過ぎて芽吹きが花のように美しくパッといきたいのに毎日難儀なことである。
 ただしメンタルの不調に対してガンバレなどと励ますのは逆効果と言われているから、ありのままを受け入れて無理をしないことが肝要と言われている。

    現職の頃は過労自殺などをたくさん扱ってきたが、現代社会でこの問題は一向に改善されていない。
 長時間労働は、それ自体が疲労の原因だが、その疲労の上にパフォーマンスを上げようとするから乗数的に精神にダメージを受ける。
 にもかかわらず、高市首相は働いて働いて!などとエエカッコをして、長時間労働の規制を緩和せよとのたまわった。これは良くない。
 それに上司(高市)が部下(赤沢)に『「私に恥をかかせるな」と言ったよね』と公表したのも「管理者」としては最低の振舞いだ。

    もうすぐ北帰行の季節がやって来る。彼らツグミはすでにモンゴルやシベリアの草原を夢見ていることだろう。

 先日庭の木にアクセサリー的に巣箱を付けたことを書いたが、ヤマガラが窓からのぞいて優良物件かどうかの品定めをしていた。
 カメラ!カメラ!と用意するうちに飛び立ったので撮影できなかったが、賃貸契約は成立しなかったようだ。

2026年3月22日日曜日

社畜発見

    昨日の、トランプに媚びを売りまくる高市首相の記事で、『自ら「社畜」などと自嘲するサラリーマンなら「少しおべんちゃらもオーバーな!」で済むかも?しれないが 』と書いたが、ここで「社畜」という言葉をチョイスしたのには理由(わけ)がある。
 読売テレビの夕方の番組・tenの中に「ますだ岡田のますだがあなたの町をアポなしノープランロケ!お宝発見・街かどトレジャー」というコーナーが週に1回あるが、先日のそれは特別にタイのバンコクで、さすがにタイではアポなしではロケは上手くいかず、それでも飛び込んだ店にいたアメリカ人二人とようやく話が盛り上がって無事番組の体裁が成り立ったというのがあった。
 そこで私が驚いたのは、そのアメリカ人が日本のIT企業で働いているということで番組が上手くできたのだが、最初の自己紹介で彼が「社畜です」と言ったことだった。(ロケ全体はよくできていた)

 Wikipediaを牽くと『社畜(しゃちく)とは、主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされ、自分の意思と良心を放棄し、サービス残業や転勤もいとわない奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄、あるいは自嘲する言葉である。「会社+家畜」から来た造語かつ俗語で、「会社人間」や「企業戦士」などよりも、外部から馬鹿にされる意味合いを持つ』とある。

 確か佐高信氏の造語だったと思うが、「会社の家畜」とは言い得て妙である。もう一度Wikipediaを読み返すと、「会社に飼い慣らされ、自分の意思と良心を放棄し、会社の家畜と化し、馬鹿にされる」存在といえる。
 例えば上司の理不尽に対するに、労働組合に団結してモノ申す訳でなく、強いもの長いものに巻かれて保身を図ろうとすることを選択する。
 その意識は会社の外のことについても免れることができなくなり、一見強そうな言葉、単純でスピーディーに見える言動に魅かれることとなる。もっと言えば、誠実さや正義感などよりも目先の利益を選択の基準にする。
 もし高市首相の媚びを売って売って売って売りまくる言動に、「それも処世の現実」などと了解するなら、もう間違いなく社畜根性に染まりきっている。
 一億総社畜の国には未来は開けない。

2026年3月21日土曜日

愉快でない絵面

    高市首相はトランプ大統領に向かって、「今、中東とか大変ですが、世界中に平和と繁栄をもたらすことができるのはドナルド貴方だけです。それを伝えたくて今日来ました」と発言した。
 自ら「社畜」などと自嘲するサラリーマンなら「少しおべんちゃらもオーバーな!」で済む?かもしれないが、その言葉と絵面(えづら)が、アラブ地域最大級のニュースメディアであるアルジャジーラによって中東全域に一瞬にして拡散されてしまった。ああ!

 在日大使の経験もあるイランのアラグチ外相は「アメリカとイスラエルの戦争に協力さえしなければ、どこの国の船舶もホルムズ海峡を安全に通過できる」とあらためて表明したし、現にトルコ等のタンカーはホルムズ海峡を通過しているが、口先では「したたかな外交」などと言いながら、この首相の言動は国益を大きく損ねつつあるのが現実だ。

トランプの艦艇派遣要請にNATOや西側有力諸国が揃ってNOを突き付けたおかげで自衛隊派遣は止められたようだが、新聞報道では、『テネシー州、アラバマ州での次世代原子炉「小型モジュール炉」(SMR)建設など最大730億ドル(約11兆5000億円)にものぼる対米投資』を差し出したという。

それらは決して手柄でもなく、トランプに媚びた態度のせいでアラブ諸国からは軽蔑され、当のトランプからは、日本の記者から対イラン攻撃を日本など同盟国に事前に知らせなかった理由を問われると、真珠湾攻撃に言及し「日本ほど奇襲に詳しい国はない」と皮肉られ、米側関係者から笑い声が起き、高市氏は一言も発さず、目を大きく見開いていたと報じられている。

 私は高市首相を支持はしていないが、これには日本人が侮辱されていると感じて実に不愉快だ。
 日頃「愛国者」などと標榜されている皆さんは如何お考えだろう?

2026年3月20日金曜日

やはり9条

    トランプの言うことはころころ変わるからその一つ一つについて論評するのはしんどいし意義も大きくはないが、こんな情緒不安定な男一人に絶大な権力を集中させている超大国を見ていると、権力の分立ということが民主主義にとって如何に大事かということが判る。
 そもそもトランプは、同じように脛に傷を持つネタニアフの誘いに乗って、エプスタイン事件に蓋をするために戦争を始めたというのがもっぱらの真相と言われているがそれは後に書くとして・・・

 さて、トランプのイラン攻撃とホルムズ海峡への艦艇派遣要請を見ると、いわゆる西側の各国首脳でも、NATO、カナダ、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、さらにはブラジルその他でもきっぱりNOと応え、そんな中、日本政府の属国根性だけが鮮明で、それが日本国民の特徴的精神だと世界に思われるのは恥ずかしい。

 イラクのフセイン殺害戦争のときなどにブッシュの要求で日本は1兆円を超える金を出したものの、アメリカはショーザフラッグ(日の丸を見せろ、人を出せ)と日本をなじったが、終わってみれば、当事者のアメリカもイギリスも「イラクは大量破壊兵器など持っていなかった」と弁明した。
 トランプのホンネを絵に描くと、そのうちに「共同作戦の戦死者の数に応じて関税をかける」と言いたいだろう。中学校のテストで「次の文章から作者は何を言おうとしたのかを書け」というので言えば・・・

    戦後80年、戦争で自国民が殺されたり他国民を殺したりしてこなかった国であることを現政権は恥じているのであろうか。裏返せば、この稀有な平和を維持してきた力は憲法9条である。
 核を含む軍事力での抑止力というのは「変なことをしたらタダではおかんぞ」という「脅迫力」であるから対する国には恐怖である。当然その国は上回る軍事力で恐怖を乗り越えようとする。けっきょく決着がつくまでに莫大な犠牲者が生まれる。つまり殺し殺される。
 国際関係は中学生の不良グループの喧嘩ではない。
 そして、嫌いな人間どおしなら分かれればよいが、隣国、近国という土地は引き離すことはできない。
 外交のできない人たちに政治を任してはならない。

 【どう考えてもこの訪米は百害あって一利なし。一体、何のための訪米なのか。ブチ切れるトランプ大統領に言い訳に行くのか。そのために貢ぎ物を用意し差し出すのか。今度の訪米に意味があるとすれば、米国隷従からの方針転換を鮮明にすることだ】は日刊ゲンダイの主張。異議はない。

2026年3月19日木曜日

力=質量✖加速度

    大相撲が千秋楽に近づいてきた。
 大阪で電車に乗るとお相撲さんが居たりして、やはり華やぐ。太っているせいもあるし何しろ若いので、肌も張っていて美しい。
 さてさて力士の最大の相手は対戦力士よりも怪我ではないかと思う。
 もっと丸い土俵を大きくする。その外の四角い部分も大きくする。さらに高さや土俵下の硬さも考える。そうなればもう少し怪我も減って技の掛け合いなどが面白くならないだろうか。昔の栃若時代の映像などを見るとそんなことを思う。
 当時の映像を見ると、近頃の力士のなんと大きいことか・・・

 さて物理でいえば、力は=(質量✖加速度)になるから、このごろ圧倒的に多い押し出しを考えると、絶対的に重い力士が有利になる。
 軽い力士が重い力士と衝突した場合、相手に与えた「力積」と同じ「力積」を自分も受けてしまうから、相手の筋肉や体格と関係なく重い力士が有利というのが物理の法則である(軽自動車とトラックが同じスピードで衝突すると、車体の構造を別にしても、軽自動車の運転者の方が大怪我をする)。
 それでもそれを超える業師が出てくるから相撲は面白いのだが、そもそもはこの無差別級というのは小さい土俵では非常に難しい。
 ガンバレ小兵力士。判官贔屓は潜在的な庶民の気持ちである。
 宇良はすごい!

2026年3月18日水曜日

ほんとうに便利なのは快速じゃないの?

    各地から春のダイヤ改正のニュースが届いているが、その中に「近鉄が平日朝に天理発大阪難波行きの直通特急を新設した」というのがあり、妻が「高市ダイヤやろか」と呟いた。天理は高市氏の選挙区にある。
 乗車料金は830円に特急料金が920円。所要時間は大阪難波まで54分。
 ちなみに現行の普通に使用されるダイヤよりも10分程度短縮される。ただし、現行は大和西大寺の乗り換えが必要だったし、乗換後は座れる保証はなかったしその限りでは便利になったが、そのためには+920円が必要になったし、なにしろ一日に片道これ一本である。
 ほんとうに通勤者の利便を考えるなら、特急料金不要の天理発大阪難波行きの直通快速急行を朝夕に走らせる方が何百倍も便利である。ほんとうに便利なのは快速急行じゃないの?
 つまり、このダイヤは、「天理駅は特急停車駅だ」とカッコづけるためだけのように思えるのだがどうだろう。
 私は鉄ちゃんではないからよくは知らないが、元々奈良発大阪難波行きの特急を振り替えただけということはないか。
 如何にも高市政治駅と思うのは考え過ぎだろうか。
 撮り鉄ちゃんによる天理駅乗車状況のリポートを期待したい。
 また、鉄ちゃんのご意見を乞う。

2026年3月17日火曜日

女子小学校爆撃

    アメリカがイラン南部の女子小学校をミサイル爆撃し175人の児童が亡くなった。 
 当初アメリカは「イラン軍が爆撃した」と公表していたが、ニューヨークタイムスが報じたところでは、アメリカ軍のデータが古くて軍事施設と設定されていたので起こった誤爆だったという。
 入力されたデータで発射されるミサイルという何とも「乾いた」恐怖を覚える。現代の戦争は戦場から遠く離れた指令室のデータが独り歩きする。
 きっと、誤入力に関連した人間たちはそれほど胸を痛めていないことだろう。現代戦争の恐ろしいところである。

 いわゆる西側ながらイランの友好国と言われていた日本では、このニュースは瞬く間に「古いニュース」となり、テレビは「ガソリン代の予想屋」と化している。
 確かに石油は産業の大きな要素だが、私はそれと同時に授業中にミサイルで殺された児童たちの代わりに怒り続けたい。

 その子どもたちの遺体らしい白布の並んだ写真がフェイスブックにあったのでシェアしたところ、旧フェイスブック社であるMeta(メタ)社から「その写真はAIのファクトチェックで正確でないとなったので貴君(私)のフェイスブック記事の公開の順位を大幅に下げる」と連絡があった。
 もし正確でない写真であったのならと反省もするが、本末転倒のAIにも怒りが湧く。
 慎重になることと委縮することは同じでない。
 物の本質を突いた意見は言い続けなければならない。言い続ける。

   春愁い 児の殺されしは 事実なり

2026年3月16日月曜日

木瓜(ぼけ)の花

    「その花は何ですか?」「ボケです」という会話を通行されている方々とする度になんて可哀相な名前なんだと思ったことが度々だった。 
 日本語は世界一かどうかは知らないが、世界中で同音異義語の多い言語のひとつであるとされている。
 要するに「呆け」や「惚け」に聞こえ、真っ赤でもないオレンジやピンクでもないその朱色が暈けたイメージなのかと勝手に想像したりして・・
 もともと刺があるにもかかわらず茶花とされているという「格式?」に失礼な、下品な想像力にお詫び・・
 木瓜は織田信長の家紋や夏目漱石が好んだ花としても有名。
 いち早く春を告げる花。
 花言葉には、「先駆者」というのもあり、「一目ぼれ」というのもある。

2026年3月15日日曜日

考古学の現代史

    先週、「文化財保存全国協議会(文全協)」の歴史講座に行ってきた。今回の講座は昨年亡くなられた都出比呂志氏追悼と銘打った講座であった。 
 そのためでもあるし私の勉強不足もあり、都出比呂志氏の解き明かした学説の内容よりも、考古学黎明期の先学・都出比呂志氏の生き方、考古学・日本史学の現代史を興味深く聴いた。

 美濃部達吉氏の天皇機関説や津田左右吉氏の一連の古事記及び日本書紀の研究のことはこれまでも書いてきたが、一言でいえば、それらは戦前の天皇制を批判するものでもなかったし、只々学問的に考察しただけのものであったが、戦前の政治体制はそれさえも許さずにいた。
 そういう「天皇は現人神である」として、神話さえ「歴史である」「科学である」と一切の批判を許さなかった政治体制が終わり、日本国憲法下の科学的な観点で日本の歴史を解き明かそうとした人々の現代史として、都出比呂志氏や考古学の実際を聴くのは楽しかった。

    その時代、教条ではなく、フリードリヒ・エンゲルス「家族・私有財産および国家の起源」が学ばれ、議論されていたという事実も新鮮な話だったので、帰宅の後、書架から都出比呂志著「古代国家はいつ成立したか」を引っ張り出してきた。

 世界考古学会議執行委員の岡村勝行氏が紹介された都出比呂志氏の経歴では、氏は、学問として考古学を深められると同時に、京大文学部教職員組合の支部長として鋭く権力批判を行われ、かつ、各種の遺跡保存運動でも奮闘されたとのことだった。
 それ故か、京大当局には昇進差別をされ、氏は滋賀大そして阪大に移られた。その後の華々しいほどの活躍の話は割愛するが、結果、阪大の考古学教室は大きく発展した。

 さて現代は、新聞社や自治体などが多くの歴史講座を開催しているが、それを単なる余暇のための「教養講座」にしていてはならないというか、先輩たちに申し訳ない気持ちを抱いて冬の京都から帰ってきた。

2026年3月14日土曜日

大砲は土の中

     2013713日に【維新と大砲】というタイトルで、大要次のような記事を書いた。
🔳 明治維新のとき大和國鎮府総督が廃仏毀釈の音頭に乗って、大仏殿をブッ飛ばしてやろうと大仏殿の正面に大砲二門を置いたとき、近くに住んでいた中山忠愛朝臣が「我は中山大納言なり、先ず我が身より撃て」と立ちはだかったところ、勤王藩士は公家の名を聞くや恐懼して退散した。
 この逸話に因んで奈良の人吉村長慶が、大砲を踏み押える石灯籠を東大寺に寄進したのだが、太平洋戦争敗戦時、進駐軍基地や施設の設けられた奈良や東大寺において「大砲付きの灯籠は不適切だろう」と東大寺が灯籠の下部を土中に埋めて今に至っている。
 故に灯籠の文字もさらには寄進者の文字も不自然に「吉村長」で切れていて、台座の下部は全く埋められている。🔳

 さて先日、大仏殿に行って驚いた。ここ数か月、大仏殿前のこの灯籠周辺を含む広場の整備工事をしているのは知っていたが、その結果、この灯籠には新たなコンクリート製の土台が増強されていた。場所ももしかしたら若干移動したかもしれない。確かに元の灯籠の土台あたりが欠けたりしていたからいろんな「気遣い」があったのかもしれないが、一旦掘り出したのならどうして大砲(横向きの石の円柱?)を元どおり見えるようにしなかったのだろう。
 吉村長慶は新興宗教を唱えたりしたから関係者?はいろんなことを蒸し返されたくないという気持ちがあったのだろうか。そうだったとしたら面白くない。 
 
 吉村長慶については、2019330日【二聖よ起きよ】でも大要次のことを書いた。
🔳 吉村家は、奈良町の徳融寺の檀家総代であったらしいが、ここの山門を入ってすぐの『世界二聖・大日如来像』という大きな石のレリーフは吉村長慶が昭和12年に建立したもので、なんと、釈迦 と十字架を背おったキリストが横臥し、マント姿の吉村長慶が二人の間に割り込んで「あなた方が寝ている時ではない。はやく起き上がってこの世の乱れを救ってください」と胸をゆすっている。讃文は「軍馬の嘶(いなな)きは則ち国を亡ぼす」である。終戦まで寺では、讃文が官憲の目にふれると大変なことになると、レリーフ全体を板で囲って秘仏としていたと。🔳

 現代世界は、釈迦もイエスもマホメットも起きよ!と言いたいほど乱れている。この国もガムシャラな軍拡路線に舵を切った。
 そんなとき思うのは、東大寺の歴史も奈良時代だけが大切なのではない。近現代のこんな歴史の一コマ・・大砲を踏みつけた灯籠もちょっとした歴史だろう。せっかくの工事の機会があったのだから元の形で灯籠を復活させてもよかった気がする。
[以前の写真]