焚火の際、近頃わが家では、孫の夏ちゃんがファイヤースターターで着火する決まりになっている。
ファイヤースターターの原理は火打石だが、どことなく少しバタ臭いという感じがしないこともない。
そういう火打石と切火(きりび)のことは、野鳥の尉火焚(ジョウビタキ)のことや銭形平次親分の映画を牽いて何回かブログに書いてきた。
ギリシャ神話ではプロメテウスが天界の火を人間に与えたが、古事記では叔母ヤマトヒメがヤマトタケルに「火打石と火打金」を与えている。ということは、それ以前に火を使いこなしていたことになる。
ヤマトタケルが焼津の野で焼き殺されようとしたとき、この火打石と火打金で草に着火して向火を放った。そのとき草を刈ったのが草薙剣(くさなぎのつるぎ)という例の話。
そういう風に各種神話に「火」が登場するのも感慨深い。
私は、最も古い世界宗教はゾロアスター教(拝火教)だと考えている。そして、その「火」を貴ぶ精神はその後の世界宗教などの精神に引き継がれていると考えている。
だから現代でも、大きく大事な宗教行事に使われる「火」が、燧臼(ひきりうす)・燧杵(ひきりきね)や火打石・火打金もような、素朴な方法で着火されるのは単なる伝統や踏襲だけではないように思う。
平次親分が出かける際。女房のお静が右肩の後ろからカチカチとやる切火も味がある。
邪悪な者は神聖な火を嫌うのである。
そんなもので今般、ファイヤースターターは持っているには持っているのだが、石英の火打石と火打金(火打鎌)を新たに手に入れた。「これは切火用で着火はできない」かのような説明だったが、十分に着火も出来た。
上の写真のとおり、孫の凜ちゃんに切火をしてあげて、凜ちゃんの前途に邪悪な者どもの侵入がないようにお祓いをした。
下の写真は、その火打石に興味を持った凜ちゃんが玩具代わりにカチカチと切火に挑戦したところ、まさか着火から火事にはならないだろうが、早々に取り上げた。
「火遊びをしたら寝小便をする」と言われているが、元々夜中にトイレに起きるから火遊びも大目に見てもらおう。なにしろ神聖な火で遊んでいるのだから。
天つ神 國つ神 八百萬の神たち 我が孫たちを守り給え 急急如律令(急急に律令の如くせよ) カチカチカチ。
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