2022年11月14日月曜日

童子と邪鬼

   12日に近鉄の大和西大寺で友人から、最新の労災認定基準についてレクチャーを受け別れた後、新装なった(といってもだいぶ以前のことだが)中央改札口を出た。
 そうすると南口周辺の整備状況も大きく変わっていて、真言律宗総本山・西大寺の門も見えていた。(以前は駅からはビルが邪魔をして見えなかった)
 その風景があまりに綺麗だったので、何度も行ったことのあるお寺だったが、行楽日和に誘われて西大寺を拝観してきた。

 丁度、秘仏・愛染明王坐像も公開されていたが、同じ堂宇に、ひっそりと二代目海老蔵の大きな奉納絵馬も久しぶりに公開されていた。 
 
 これは今般の十一代目團十郎襲名記念ということらしかった。
 歌舞伎十八番『矢ノ根』の絵馬は、愛染明王の模刻像(これは常に公開のお前立)を江戸で出開帳したとき、二代目海老蔵が愛染明王の衣装と化粧で登場した場面。衣装には三枡紋や赤い海老も入っていた。
 仏像に比べると江戸時代は近すぎるかもしれないが、当時の歌舞伎ブームが漂っているようで、私は仏像以上に見入った。

   次の写真は灰谷健次郎の小説『兎の目』の、兎の目をしている善財童子で、これは、片や邪気を踏んづけている四天王や憤怒の愛染明王よりも私は好きだ。
 というよりも、何かの理由で「邪鬼とされた」邪鬼の方に同情が湧いてきた。「いわんや悪人をや」でないか。
 「地獄に落ちるぞ」という風な教えが、マインドコントロール、霊感商法を下支えしていないだろうか・・・などと考え込む。
 西大寺の境内は静かでよい。

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