NHK俳句が増刊号と称して時々『歳時記食堂』というのを放送する。先日のそれは、女将が宇多喜代子、本日のお客が奥田暎二、常連客が古坂大魔王、看板娘が南沢奈央ということで、宇多喜代子さんが『鱧の皮』を作り、客の二人が一杯やりながら俳句の話をしていた。
日頃から、宇多喜代子さんの料理に関わる蘊蓄や俳句は楽しく拝聴していたが、この回のお客は『鱧の皮』と聞いて、鱧の皮の部分を焼き魚のイメージで食するようなジェスチャーをして「美味しそうですね」と語るなど、少し可笑しかった。
そもそも客の二人は「鱧」・「の」・「皮」と発音していたが、ここは「ハモノカワ」とワンセンテンスで語らないといけない。「はもきゅう」とか「鱧のざくざく」とか態々(ワザワザ)いう所もあるが、一般には「鱧の皮」というだけでその胡瓜もみを指す。
鰻の「うざく」、「穴子のざくざく」もよいが「鱧の皮」には如何にも「関西の夏」という匂いがある。料理と語るほどの手順は不要だから、魚屋(わが家周辺には蒲鉾屋はない)で見つけたら買って帰り、夕食の一品に付け加えたりする。それを超一流のお店で飲み食いしている人たちが知らなかったと言い、美味しい美味しいと言っているのも可笑しかった。
『鱧の皮』。もちろん『夏』の季語であることは言うまでもない。
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