言うまでもなくNATO・大西洋条約機構はヨーロッパおよび北米の30カ国による軍事同盟である。
現に、単なる戦争抑止力としての同盟ではなく、ボスニア・ヘルツコビナ、コソボ、マケドニア、リビアなどで実際に戦争の当事者になっている。
さらに忘れてはならないことは、アフガニスタン紛争の一方の当事者でもあった。
今は叩く気もないが、叩けば埃の出る身なのである。
さて日本国憲法は第98条で「最高法規」であることを詠い、第99条で「憲法尊重擁護の義務」を定めた下で、第9条で、1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。・・と定めている。
ウクライナの国土を踏み外して侵略をしていないウクライナ国の自衛権は認めるが、だとしても、NATOの性格そして現実の歴史と日本国憲法との間には明らかに超えることのできない壁がある。とすれば、日本国の首相なら日本国憲法に立脚して立ち居振舞わなければならないことは明確である。
よく似た問題としてはヨーロッパにあって永世中立を掲げるスイスがあるが、【6月1日・チューリヒ・ロイター・時事】が報道したところによると、スイス政府はデンマークに売却した装甲兵員輸送車について、ウクライナへの再輸出を求めたデンマークの申請を退けた。
デンマークが申請していたのは、装甲兵員輸送車「ピラーニャ3」約20台の再輸出。スイス政府は「紛争地域に兵器を供給しない」という原則に基づき認めなかった。
永世中立国スイスは、同国から輸入した兵器を第三国へ再輸出する場合、許可を得るよう購入国に義務付けている。4月にはスイス製の弾薬のウクライナ輸出を求めたドイツの申請を却下。ポーランドが申請したウクライナへの兵器再輸出も認めなかった。
これこそ、国及び国を代表する首相の人間の器を示していると私は思う。
この間まではプーチンにへいこらし、今度はアメリカにへいこらする。
どうして「わが国は非軍事的な支援はするが、わが憲法に違背する軍事同盟とは一線を画す」と堂々と発言し態度を示さないのか。NATO首脳会議には参加すべきでない。日本国首相の行き先はマドリードではなくウィーン(6/21~23核兵器禁止条約締約国会議)ではないのか。
数々の対米従属の仕組みは勿論あるが、あえて言えば、自公政権を代表する面々の人間の器の程度(小ささ)が恥ずかしい。
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