早苗(サナエ)は苗代から田に植え替える田植えの頃の稲の苗のことで6月の季語でもあるから、この時期から飛び回るトンボで早苗蜻蛉(サナエトンボ)とはピッタリのネーミングだ。
私といえば、「戦後」と言われていた時代でも小学校区に田圃がなかったような街と海の都会育ちであったから、稲作農家のあれこれを全くと言ってよいほど知らずに育ったのだが、それでも、この瑞穂の国のDNAがどこかに残っていて、写真のような田植えの諸作業には季節の活力を感じる。
その農作業を、少し離れた地点からすっくと立って眺めているゴイサギもまたいい。
この風景全体を季節の花と見ると、年年歳歳 花相似たり 歳歳年年 人同じからず と思う。
この風景は、来年も、再来年も、きっとこの季節には繰り返されることだろう。しかし、主人公も、観察者である私も今年と同じ自分ではないだろうし、最悪の場合は退場しているかもしれない。
これは、だから厭世的になるというのではなく、今の一日一日を大事にしようということになる。
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