2020年5月31日日曜日

鱧の皮

 5月28日のブログ記事に 孫の食む甘き穴子の胡瓜揉 と駄作を書いたところ、「(私は)鱧の皮で胡瓜揉を作っていました」とのコメントをいただいた。
 私も、うざく(鰻)も穴子も良いが鱧の皮を使うことも少なくない。うれしいコメントだった。

   祭鱧(まつりはも)という言葉がある。その祭を京都の人は祇園祭というが私などは天神祭だと思い込んできた。(どちらも正解に違いない)
 どちらにせよ、鱧の旬は夏であり胡瓜も言わずもがな。
 なので鱧の皮の胡瓜揉は夏の季節感を100%漂わせている。これが好い。鱧皮の味というよりも季節を味わうのである。

 今では料理も食材も地域性が薄れたが、元来鱧も鱧の皮も上方の料理と食材だった。
 食材とは言ってみたものの、鰻や穴子が堂々たるそれであるのに比べて、鱧の皮は蒲鉾製造時の”あまりもの”である。
 よく似たものに鰻や穴子の頭だけがあり、それを半助というが、こういう”あまりもの”ほど、ほんとうは美味しい。
 話は寄り道ながら、昔、奈良出身の明石家さんまが師匠の笑福亭松之助に「半助買うてこい」と言われて何のことかわからなかったという話をしていたことがあった。これは寄り道。

 そんな「鱧の皮」が堂々と季語になっているのも少しおかしくも好もしい。
  好きやねん天神祭鱧の皮 坪内稔典
  大阪で生まれて逝きて鱧の皮 永田佳子 というのもある。
 魚偏に豊と書いて鱧というのはよいが、骨切の下手なのにあたると腹も立つ。

   コロナ禍や夏祭なく鱧の皮

2 件のコメント:

  1.  天神祭りの賑やかな船渡御などが今年はないそうでコロナ恨めしい、と嘆き悲しんでいる方も多いかもしれません。古来、疫病や天災(菅原道真の祟り)を鎮めるための祭りだったのであるからこんな時こそ、盛大にやるべきなのかもしれませんが3密の恐れがある以上中止やむなしということでしょう。でも祭りは中止でも「白蒸し」(白いおこわ、祭りに参加した氏子たちの力めし)などは売って欲しいと思います。

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  2.  わが家は端午の節句に菖蒲湯をつかい菖蒲刀で鉢巻きをして邪気を払いました。今夏は個々人でお祭りをすることでしょう。

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