レジリエンスということを2015年3月26日と10月27日に書いたが、今回のコロナ騒動の中で改めてその重要性を感じている。
枝廣淳子氏によると『レジリエンス(resilience)は「復元力」「弾力性」「再起性」などと訳される言葉だが、私は「しなやかな強さ」と訳す。強い風にも重い雪にも、ぽきっと折れることなく、しなってまた元の姿に戻る竹のように「何かあってもしなやかに立ち直れる力」のこと』と書かれている。
国の影響力を超えた感染症、異常気象、金融危機などなどが考えられる今日、目先の利潤だけに没頭する社会はしなやかさを欠いてぽきっと折れやすい。
物理的な対策だけでなく、暮らし、社会、心理を含むシステム全体で考えるのがレジリエンス。
氏の著作『レジリエンスとは何か』(東洋経済新聞社)にはキューバの市民防衛法が紹介されている。面白いので紹介したいが紙面がない。ちょっとだけ摘んでみる。
キューバのハリケーンのすさまじさは日本の台風の比ではない。「市民防衛制度では、リスクが高い地区のことをまず調べ、次にそれを減らすために対応を行う。政府や公社等はもちろん、企業、病院、工場等あらゆる組織が、何が脆弱で何を守るべきか、災害時には何をすべきか計画を立てている」
「優れた気象観測技術を駆使して予測し、いち早く危険を知らせ、水、食料、電気と万全の準備をしたうえで安全な地帯に避難する」
「ハリケーンが接近する前に、飲料水が運ばれ、病院、パン屋、食品加工センター、ホテル、学校、電話センターには72時間稼働する発電機が準備される」
「直撃の予想で避難命令が出れば、避難にかかる費用はすべて負担されて避難する。1998年のハリケーン・ヘルでは対象地域から818,000人と750,000頭の家畜が72時間内に避難した。ペットも避難できるしペット用の獣医も配置される」
「出た町には泥棒が入らないよう警官が配備される」
「避難所には診療所、ベッド、医療機器、資材が用意される」などなどなど・・・、
米国の関係者も「たとえ我が国の政府がキューバ政権をどれほどけなそうとも、大成功していることは事実だ」と述べている。
一言で言って、「災害は起こるものだ」という前提で、それでも国民の命と生活を守り切るという備えをしている。
いつ来るかわからない非常事態に備えるのは無駄だ、セフティーネットは無駄だと、目先の効率だけで行動する自公や維新の政治の対極と言える。
よかったら、レジリエンスを少し齧ってみて欲しい。
コロナ風邪しなやかにかわさん五月闇
コロナ風邪しなやかにかわさん五月闇
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