2025年9月23日火曜日

新聞紙は大事だ

    昨日のブログ記事で「若者は新聞を読んでいない」ことに触れたが、新聞協会等の発表でも大手新聞の発行部数は、2000年に比べて昨今は半分以下になっていて、識者?は10年後には10分の1になると指摘している。 
 思うに、これは新聞だけでなく活字文化全体の危機かもしれないと、相次ぐ書店の閉店ニュースを見ながら、日本人の未来を私は心配している。
 ガンバレ、オールドメディア!

 9月22日、そんな新聞の一つである朝日新聞に「朝日歌壇 番外地」というのがあった。
 朝日歌壇に寄せられた中で、選には漏れたもののユーモアあふれる秀歌を年に1度紹介する「番外地」なのである。
 新聞の楽しい解説を割愛して短歌だけを紹介すると・・、
 啄木をブタギと読みて嗤われし吾も年老いてじっと手を見る 清水基義
 「生(い)きくらげ」こりゃまたなんとよく見れば「生(なま)きくらげ」が売られています 太田千鶴子
 新札はつばめのように飛んでゆくアスリートだったか渋沢栄一 斎藤哲哉
 店員に一生ものと勧められ九十三の義母涙ぐむ 山木海絵子
 父親はよく自らの病名をキーパーソンと自慢してた 脇本俊雄
 張り紙に「手のひらほどのクサガメが逃げました。めちゃくちゃ無口です」 佐々木ひろみち
 選にもれ捨てられてゆく歌たちに供養塔などないのだろうなあ 松井徹朗
 母さんが「暇な人ら」と言っていた朝日歌壇にわたしもいるよ 高寺美穂子

・・・そこで最後に、今日のテーマと重なった秀歌を紹介。私ならこれが一席。
 「新聞を取っていない人がいるそうね。天ぷらはどうするのかしら」と叔母 上田結香
 活字文化の心配も失望も忘れて笑ってしまった。

4 件のコメント:

  1. 思わず表情が緩んでクスッとしました。ありがとうございます。

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  2. 「新聞を取っていない人がいるそうね。天ぷらはどうするのかしらと叔母」の短歌は愉快ですね。私などの世代はクーベルタン男爵の言葉が出てきますが、この「愉快」を感じられないのは精神に疲れがあるのでは?
    このように、日々「愉快」を探しながら生きたいものです。Yukuriさんコメントありがとうございました。

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  3. ありがとうございます! 一席をいただいてとてもうれしいです。朝日歌壇の方に時々載せていただいていますが、番外地に選ばれるのが夢でした(笑)
    次回もがんばります。(番外地は一応落選だから、ががんばっちゃいけないんだけど)

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  4. 上田結香さん、コメント恐縮です。素晴らしい感受性とユーモア、見習わなければ! 

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