昨日のブログ記事で「若者は新聞を読んでいない」ことに触れたが、新聞協会等の発表でも大手新聞の発行部数は、2000年に比べて昨今は半分以下になっていて、識者?は10年後には10分の1になると指摘している。
思うに、これは新聞だけでなく活字文化全体の危機かもしれないと、相次ぐ書店の閉店ニュースを見ながら、日本人の未来を私は心配している。
ガンバレ、オールドメディア!
9月22日、そんな新聞の一つである朝日新聞に「朝日歌壇 番外地」というのがあった。
朝日歌壇に寄せられた中で、選には漏れたもののユーモアあふれる秀歌を年に1度紹介する「番外地」なのである。
新聞の楽しい解説を割愛して短歌だけを紹介すると・・、
啄木をブタギと読みて嗤われし吾も年老いてじっと手を見る 清水基義
「生(い)きくらげ」こりゃまたなんとよく見れば「生(なま)きくらげ」が売られています 太田千鶴子
新札はつばめのように飛んでゆくアスリートだったか渋沢栄一 斎藤哲哉
店員に一生ものと勧められ九十三の義母涙ぐむ 山木海絵子
父親はよく自らの病名をキーパーソンと自慢してた 脇本俊雄
張り紙に「手のひらほどのクサガメが逃げました。めちゃくちゃ無口です」 佐々木ひろみち
選にもれ捨てられてゆく歌たちに供養塔などないのだろうなあ 松井徹朗
母さんが「暇な人ら」と言っていた朝日歌壇にわたしもいるよ 高寺美穂子
・・・そこで最後に、今日のテーマと重なった秀歌を紹介。私ならこれが一席。
「新聞を取っていない人がいるそうね。天ぷらはどうするのかしら」と叔母 上田結香
活字文化の心配も失望も忘れて笑ってしまった。

思わず表情が緩んでクスッとしました。ありがとうございます。
返信削除「新聞を取っていない人がいるそうね。天ぷらはどうするのかしらと叔母」の短歌は愉快ですね。私などの世代はクーベルタン男爵の言葉が出てきますが、この「愉快」を感じられないのは精神に疲れがあるのでは?
返信削除このように、日々「愉快」を探しながら生きたいものです。Yukuriさんコメントありがとうございました。
ありがとうございます! 一席をいただいてとてもうれしいです。朝日歌壇の方に時々載せていただいていますが、番外地に選ばれるのが夢でした(笑)
返信削除次回もがんばります。(番外地は一応落選だから、ががんばっちゃいけないんだけど)
上田結香さん、コメント恐縮です。素晴らしい感受性とユーモア、見習わなければ!
返信削除