普通にテレビのニュースを見ていると、香港のデモ隊が火炎瓶や石を投げているのが強調され、強引な警察の実弾発砲までもが「どっちもどっち」というように見えてしまう。
しかし考えてみれば、ほんとうに「どっちもどっち」だったとすれば、先日の議員選挙での民主派の圧勝は生まれていないはずで、あのデモの圧倒的な部分は市民自身が参加した、圧倒的市民に支持された運動なんだと思う。
しかし考えてみれば、ほんとうに「どっちもどっち」だったとすれば、先日の議員選挙での民主派の圧勝は生まれていないはずで、あのデモの圧倒的な部分は市民自身が参加した、圧倒的市民に支持された運動なんだと思う。
1970年代に私は労働組合の本部(東京)で大規模なデモの先頭中の先頭でフランス式デモ(通りを大きく広がって整然と進む)をリードしたことがあるが、そんなときもテレビは圧倒的なデモの本体を紹介するのでなく、ほんとうに一部の学生らの投石と警察の催涙弾の攻防を紹介していたことを思い出す。ニュースというのは地味だが大切な本質問題を報じるのでなく、絵になる騒動を強調するという体質がある。
では区議会議員選挙圧勝をつくった香港の民主化運動の本体がどうして報道されないのだろうか。マスコミがなくてもソーシャルネットワーキングシステム(SNS)があるではないかと私は考えていた。が・・
そんな折、ANNニュース等が「香港の若者の“不自殺宣言”」を報じていた。紙や電子媒体で「私は自殺しない。もしも私の不審死が報じられても決してそれは自殺ではない」と宣言しておく「運動」で、つまり「そんな場合は権力(警察やスパイや雇われ暴力団)による弾圧の結果だと思ってほしい」というものだった。ニュースでは高校生がそう語っていた。これは権力による弾圧が日本では想像できないほどのひどさであることを物語っている。
嫌中国などでは全くない内田樹先生の「内田樹の研究室」というブログには、「AIの軍事技術では中国はアメリカを上回っている」「顔認証システムやカメラによる国民監視システムでは中国はすでに世界一である(パッケージしてシンガポールやアフリカの独裁国家に輸出しているほどである)」との主旨が語られているが、香港の若者のSNSは妨害されているだけでなく、発信元が特定されて文字どおり命がけなのだろう。
台湾経由で見ることのできる動画では、香港警察のすさまじい弾圧の事実がこれでもかと映されているが、これがなかなか大きく広がっていない理由もそういうところにあるようだ。
香港政府、中国政府そして中国共産党は、香港市民の民主主義の要求に対する弾圧を止めよ。
日本からも香港を注視し、弾圧止めよ!の声を広げていきたい。
日本からも香港を注視し、弾圧止めよ!の声を広げていきたい。