だから、その方向から風が吹くと、春のそよ風であっても上昇気流が発生しているものと思われる。間違いない。
風が強い日などには、その上昇気流に「飛び込みジャンプ」するようにカラスの群れが舞う時があるが、あれは「ほんとうに遊んでいるのだ」と何処かで読んだことがある。
しかし、上昇気流に一番似合うのは帆翔(はんしょう=ソアリング)する鷹であり、事実、タマにではあるが鷹が輪を描いて上っているのを見かける。
(寄り道ながら・・、夏鳥である鷹の中の数種は春と秋に集団で「鷹の渡り」を行なう。秋には、知多半島に集合して中央構造線に沿って西に向う。その際、そびえる山に発生する上昇気流で高く高く舞い上がり、その後はグライダーよろしく、すこぶる経済的な省エネ飛行をする。三重と奈良の県境の高見山は、集団で鷹が旋回して柱のように上っていく「鷹柱」で有名である。)
その上昇の速度は、優雅な姿に似ず結構速く、あっという間に高く上ってしまうからシャッターチャンスはあまりない。
だから、この写真も「あっ!鷹だ」というような『出会いがしら』のようなものであるが、ハヤブサ類のチョウゲンボウだと思っている。正確には判らない。
でも、私はチョウゲンボウだと信じたい。
なぜなら、その名前の由来は、・・・、昔、凶作に苦しむ村に「長元坊」というお坊さんが来て断食をして祈ってくれ、そして・・・亡くなった。
すると、翌年は大豊作となり、お坊さんが修行していた山の上から稔りを確かめるように飛んでいる鷹がいた。
村人たちはその鷹を「長元坊」の生れ変りだと信じ「長元坊」と呼ぶようになった・・・というのだから。
よく考えると、この種の救世主待望の思想はポピュリズムの土壌かも知れないが、目くじらを立てずに言えば、「長元坊」の名前の由来はほのぼのと好きである。
ただ前節で触れたとおり、近頃は、大阪の状況やフランス大統領選挙でのル・ペン候補の得票率などを見ると、ポピュリズムの彼方から、微笑みながらやってくる「民主的(選挙的?)なファシズムが気になって仕方がない。
朝ドラのカーネーションでも、「この非常時に」とミシンの供出を迫る国防婦人会のおばちゃんに存在感があったが、「市民が節電目標をよう達成しなかったら原発再稼動だ」と、まるでヤクザの恐喝・言いがかりまがいのプロパガンダ(情報戦)を展開する坊ちゃんを「脱原発派市長」と持ち上げるマスコミを見ていると、何か「いつか来た道」のような同種の危険性を感じるのは心配性だからだろうか。