この秋、奈良公園の鹿がニュースになった。 農作物を荒らす癖の付いた鹿やケガや病気の鹿を一般財団法人奈良の鹿愛護会が鹿苑(ろくえん)という特別柵の中で飼育しているのだが、そこの餌が十分でなく死亡する鹿も多く動物福祉に反すると同愛護会の獣医師が内部告発し、奈良市長や奈良県知事も「不適切だった」と認めたという一連のニュースである。
私は奈良公園が好きな一市民以外の何ものでもないのだが、一連のニュース、特に市長や知事が「不適切だった」と発言していることに大きな違和感があった。
餌が仮に不十分だったとすると、餌代である予算を流用などしていたというなら別だが、十分な手当てをしてこなかったのは市であり県ではないのか。
スペースが過密であったというなら、施設拡充の措置をとってこなかったのは市であり県ではないのか。
この問題は単純なものではなく、農作物を荒らす鹿は普通に村里に出てくれば駆除つまり場合によっては殺す対象である。
駆除が良いというのではないが冷静な検討が必要な問題であろう。
もっと格段に広い特別柵の施設をつくればよい。場合によっては奈良公園から少し離れてもよい。
私は何の利害もない立場だが、印象としては同愛護会は少ない予算でよく働いているとの印象を持っている。
鹿がカワイイ、死ぬ鹿がいるのはカワイソウ、そういう情緒で終わるニュースには違和感を覚えている。