雀(スズメ)ときたら窓の内側のカーテンを開けるだけで蜘蛛の子を散らすように逃げていくのに、シジュウカラは「何ですか」とでもいうように残っている。
スズメが人に慣れないのはスズメが悪いのでなく、長い歴史追いかけまわした人間(特に稲作民族)のせいだろう。
実際、東京の霞が関にはよく出かけたことがあるが、日比谷公園の松本楼のテラスでランチをとっているとテーブルにまでスズメがやってきてご飯粒を食べに来る。
東京のスズメはこの国が瑞穂の国であるとの歴史をすでに失っている。
寄り道したが今日の主人公はシジュウカラである。
この稲作民族はスズメのようにはシジュウカラを目の敵にせず、否、害虫を食べてくれる益鳥として遇してきた。
事実、「四十雀を捕ると飯櫃(めしびつ)が始終空(から)になる」というようなことわざが全国にあるという。
秋風とともにわが庭にもシジュウカラがやってくるようになった。
本当は「秋の内は自然の餌を食べなさい」と突き放すべきなのだろうが、ツツピー ツツピーの声が餌をねだっているようなので、夏中はしまっていたバードテーブルを引っ張り出し、ホームセンターでハムスター用のヒマワリの種を買ってきた。
そして毎日、ネクタイを締めた正装で食事に来るシジュウカラを楽しんでいる。
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