2020年10月31日土曜日

大阪市民の住民サービスは確実に低下する

   大阪市廃止条例に「反対」を!という宣伝行動があった。主に税理士の方々が大阪市廃止・4特別区案が如何に財政的に成り立たない案であるかを訴えられた。財政的に成り立たないとは「住民サービスが低下する」ということである。

 維新はこの問題が余程”痛いところを突かれた”らしく、衆議院本会議で内容に反論もできずに「毎日新聞が大誤報」と攻撃し、松井市長は財政局長に、財政局が出した資料を「ねつ造」だったと記者会見で言わせた。

 ほんとうに大阪市の財政局長が誤報、ねつ造したなら前代未聞の大事件だが、常識的に考えてそんなことはありえない。

 財政局の試算は、総務省が提供している基準財政需要額の政令市用の計算式を活用して、単純に大阪市を4つに分割した場合の試算で、事実そのように述べている。そもそも「特別区」の基準財政需要額を計算する式が存在しない(正しくは存在しているが公表していない)ことをもって、この試算を「ねつ造」と非難することはまったくの筋違いだ。

 市長がみずからに都合の悪い資料を出したからといって、幹部を追い詰め、見解をひっくり返させ、すべての責任を押し付けるなど、森友事件とそっくりのあるまじき行為である。

 問題の核心は、「大阪市を廃止・分割」することによって、どれほどコストが増えるのか。これに対して国から交付されない基準財政需要額の不足分の穴埋めをどうするつもりなのか。法定協議会で何度も資料提出を求められながら、松井市長らが拒み続けてきたことにある。

 松井市長が知事当時、2014年11月7日第30次地方制度調査会の専門小委員会に「大阪府市統合本部」が提出した「取りまとめに向けた考え方」では、「知事・市長案の考え」として、「地方交付税の算定上から導き出せる増加需要額を増加コストとして理論的に算出した結果、24区再編で約200億円~800億円(推計値)」と説明し、その穴埋めは「行政の効率化で財源を生み出す」と述べていた。大阪市廃止・4特別区案が約200億円以上予算が不足するのは常識的な結論である。

 森友問題、赤木さん事件を思うと、自分たちに不都合な情報は隠蔽し、都合が悪くなると「メディアの誤報」「財政局長の責任」と責任を転嫁する今回の異常な手法は、大阪市廃止方針の胡散臭さ、恐ろしさを如実に物語っている。

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