2020年10月23日金曜日

誰がなっても同じでない

   欧米ではコロナ禍収束の目途が立っておらず、東京オリンピックの中止もささやかれている。それに比べると東南アジアから東アジアの感染者数及び死亡者数は少なく、山中伸弥教授らはファクターX(エックス)としてその原因究明にあたられている。

 この欧米とアジアの差については暫し専門家に任せるとして、同じ東アジアどうし、もっと言えば日本よりも中国大陸との接触の多い台湾と日本の現状を比較してみたい。

  厚労省と外務省のホームページによると、10月22日現在の日本のコロナ感染者数は94,524人、死者数は1,685人。

 10月22日現在の台湾の感染者数は548人、死者数は7人。

 日本の5月現在の人口は125,895,000人、台湾の2月現在の人口は23,600,000人。

 よって人口100,000人あたりでは、感染者数が日本75.08人、台湾2.32人。つまり比率でいうと日本の感染者数は台湾の32.36倍。

 死者数は日本1.33人、台湾0.02人。同じく比率では日本の死者数は台湾の66.5倍。

 その差の理由は明確に彼我の政権の姿勢と能力、政治の結果だといえる。

 

 よく選挙の時などテレビが『街の声』として、「誰がなっても同じだ」という映像を流すし、今般の『大阪市廃止住民投票』でもそれによく似た声を聴く。

 原因はメディアがファクトチェック(真偽検証)をせず、権力側の宣伝文句を垂れ流すところに一番の問題があるのだが、前述の『街の声』的報道や素人以下の偽コメンテーターの「どっちもどっちや」的な発言にも大きな原因がある。

 ところが、上記のとおり、政権の姿勢と能力によって庶民の生命の危険度すら大いに異なる。「誰がなっても同じ」では決してない。

 先日放送された『ガイアの夜明け』は、台湾が新型コロナの封じ込めに成功した理由について、その1つが「初動の速さ」。キーマンは最前線の指揮官 陳 時中氏。

 封じ込めに成功したもう1つの理由が「正しい情報を絶え間なく国民に伝えること」。台湾では、コロナの対策チームが、毎日時間無制限で会見。国民が知りたい事を、事細かに答えていった。・・・等々と伝え、台湾はどの国よりも早く日常生活を取り戻していたと放送した。見逃しなどはネットで見られるので参考にしてもらいたい。

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