2020年10月10日土曜日

惜別 Tさん

  昨夜T先輩とお別れをしてきた。

   奥様のお話によると、T先輩は戦中にお生まれになり、父君は先輩が2歳のときに戦死された。ということはあの戦中戦後を文字どおり女手一つで育てられたわけで、私の場合は小学校高学年で母子家庭になったのだが、それよりも何十倍というご苦労があったことだろう。さらに加えてポリオ(脊髄性小児麻痺)で右足の機能を大きくなくされたので、ほんとうは筆舌に尽くしがたい困難があったに違いない。

 それでもと言うべきか、それだからと言うべきか、先輩がそういう辛そうな顔を見せられたことは全くなく、仕事でも趣味でもそして社会運動でも、常に明るく後輩たちの面倒を見てくれた。アドバイスは常に的確で聡明な方だった。

 別れは悲しいけれど、私は最後に「決して、ちっちゃなことで落ち込むなよ」という強いメッセージをもらった気がした。

 楽しそうな写真もいっぱいあった。釣りの本かスポーツ紙の釣り情報の紙面か知らないが、先輩が写真入りで「どこそこでこんな大物を釣った」という記事の写真もあった。

 掲載の写真もそんな楽しい一場面だったのだろう。合掌

3 件のコメント:

  1.  先輩は採用された時の同じ課の方でした。右も左もわからない私にいろいろと教えてくれました。奥様のご挨拶も先輩の人となりがわかるとっても良いご挨拶でした。先輩のご冥福をお祈りいたします。

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  2.  今日、先輩に最後のお別れをしてきました。仕事だけでなく、40歳を過ぎてから運転免許を取った私の教官でもありました(おかげで「スピードは速めに」が今も続いていますが)。心からご冥福をお祈りいたします。

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  3. 苦労人とはこの方のことを言うのだと思います。

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