雨がやんでタマムシも喜んで葉陰から飛び出してきた。
輝く翅に水玉までつけてキラキラしている。
私はカメラでこの小さな虫を追いかけるのだが、飛んでいるところはなかなかピントが合わない。(近頃の言葉ではフォーカスというが私はピントと言いなれている)
ところでタマムシが飛んでいる目的はただ一つ、交尾をして卵を産み付けるだけだ。故に彼らは必死である。
と見ていると、街路樹の向こうの屋根にカラスがやってきた。
まさか!と思っていたが、恋に夢中のタマムシが飛び出した途端、見事に空中でくわえて近くの屋根に飛んで行った。
タマムシの立派な”構造色”もなんの役にも立たなかった。
こんな綺麗な昆虫を食うなんて・・と腹の底で怒ったが、カラスにはカラスの言い分もあろう。
タマムシも注意が欠けていた。恋は盲目※とは人間だけのことではないようだ。
※ タイトルにしても本文にしても視力に障害のある方にとっては不愉快な差別用語に当たらないかと悩んだが、シェークスピアの翻訳などですでに人口に膾炙している用語だと判断した。文章は全体の文意で評価するのが基本だと考えている。
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