2020年7月8日水曜日

アマビエの祟り

 建設工事に伴う発掘調査で、平城京左京三条二坊が長屋王の邸宅跡と判ったが、考古学者をはじめとする多くの識者の反対の声にも拘わらず工事は強行されて『奈良そごう』が建設された。
 巷では「長屋王の祟りがあるぞ」と噂されたが、その後『奈良そごう』は倒産撤退し、次いで入居した『イトーヨーカドー』も撤退し、現在の『商業施設』も一言で言って寂れつつある。奈良周辺では『長屋王の祟り』という言葉を知らないものはない。

   さて、弘化3年(1846)江戸後期に出現して疫病の予言と対策を語ったとされる妖怪『アマビエ』がコロナ禍で一躍復権したが、資本主義という奴は『生き馬の目を抜く』というべきか、各地から、菓子やなんかに商標登録の出願があったというから、商売人としては当然かと半ば感心しつつも「それにしてもなあ」という気にもなっている。

 特に、例の『株式会社電通』がカタカナの「アマビエ」という文字を[画像] (標準文字)として出願したというのだから、些か不愉快になっている。そして「邪な会社には必ずアマビエの祟りがあるぞ」と私は半ば呪詛している。

 私財をなげうって平城宮趾を守った先人のような奇特な人士は居ないのか!
 そう思って検索をしたところ、丹波市の版画家渡辺トモコ氏が版画のアマビエをホームページで無料公開されているのを知った。世間は捨てたものでない。
 で早速、お守りのキーホルダーに使わせていただいた。
 透明ケースは百均で売っている。
 ベストに着けて歩いている。

 しかしね、世俗のことは妖怪に頼らずに世俗の人間が対処。解決しなければならない。
 ネットにはしっかりと国土交通省の人吉市市房ダムのデータが公表されているが、予報されていた大雨に対する事前放流がされていない。そしてピークと併せて大量放出したのだから、下流の洪水、人命の問題はダムによる人災と言っても間違いない。その遠因は成果主義※だと私は考えている。
 アマビエは肥後の国に現れたが、愚かな人間はいまだに自然の驚異を侮っている。


   アマビエは庶民のものぞと泣いている

 ※ ダムをつくる時には大義名分がいるから「農業用水の安定確保」だとか「工業用水の安定確保」さらには「発電のための安定供給」というような約束をする。だからダム管理者は下手に事前放流して水が減って後日水不足が生じたら判断ミスの責任を追及される。そもそも農業用水の利用者や工業用水の利用者との事前協議もいる。それが怖いからなかなか事前放流をしない。そして、ダムがもたなくなった頃放流したなら、悪いのは皆「想定外」の豪雨なのだから責任は免除される?。もちろん豪雨の上に人為的なダム放流が重なるのだから下流には洪水が発生して人命も失われたりする。ここ数年、こういうパターンの災害が発生していると私は考えている。ダム管理者の判断を左右する遠因を私は成果主義だと考えている。

1 件のコメント:

  1.  昨日、近所のドラッグストアということで油断して出かけたらマスクをしていなかった。しかし胸にはしっかりアマビエさんを着けていたからそのまま買い物をして帰ってきた。

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