日刊新聞赤旗の『学問・文化』欄は楽しい。
14日のそれは、日本の妖怪研究で初めて博士号を取得した兵庫県立歴史博物館学芸員の香川雅信氏の『妖怪学』だった。
妖怪が神仏からの警告などさまざまな意味を伝える一種の「記号」であったのが、「ただの物」になったのは、徳川吉宗(在職1716~45)の殖産興業政策の結果だという指摘など、浅学の私には刺激的な理論だった。
そして「妖怪はいないけど、いることにして楽しもう」という発想が生まれ、外在的には存在しないが「見えてしまう私」の中に居場所を見つけたという解説には、なるほどと頷くだけだ。
「私は本当の私ではないのだ」と果てることのない自分探しを続ける人、実在しないものにあこがれて、現実から目をそらそうとする人・・・現代人は非合理の世界にけっこう依存しているのかも知れない。
赤旗の日刊紙、月額税込み3497円、毎日を刺激的に生きたいと願う人々にはお勧めだ。
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