2020年7月1日水曜日

腸(わた)は壺焼き

   昨日は夏越の大祓(なごしのおおはらえ)。こんな人形(ひとがた・形代)を燃やしておいた。
 祓ってほしい事柄は山ほどあるが、俗世の課題は俗世の人間の責任で片づける必要があるだろう。

 閑話休題、イオンの魚売場で「サザエの殻を割って中身だけ売ってくれないか」と尋ねたら、「殻をとったら小さなものですよ」と怪訝な顔をされた。
 「お刺身で食べたいのでそれで結構」というと、それではと親切に対応してくれた。
 ”魚好きらしい”ということで気分がよかったのかもしれない。

   10分後に行ってみると、いわゆる身の部分だけ取り出してくれて、腸は再び貝殻の中に入れてくれていた。私は金鎚みたいなもので割ってくれてよいと言ってあったのに予想以上の対応だった。

 もちろん、身はお刺身で、腸は壺焼きにして食べた。
 私としては予想以上のよい展開であった。

 以前には国産の豚肉をアメリカ産厚切り豚肉みたいに厚く切ってくれと言って対応してもらったこともある。
 巨大スーパーでは融通が利かない場面も多々あるが、ヤードの職人は美味しく食べてくれるお客の注文を喜んでいるようだ。人情を信じたい。

   蛸きゅうを食って水無月を閉じにけり

3 件のコメント:

  1.  かなり以前、近所に公設の市場があり、魚屋さんが1軒ありました。偏屈そうなオヤジがいて最初は取っ付きが悪かったのですが、ある時、一寸変わったというかそこら辺の主婦が買わないようなモノを探していると言ったらオヤジが喜んで「今度卸売市場で探してきてやる」と嬉しそうに答えてくれ、それ以来、「この魚はこうして炊くと旨いで」とかいろいろ教えてくれました。
     そんな市場も取り壊され、マンションが建ち、人情魚屋も廃業したそうです。

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  2. たまたま訪れた奈良・天川村の天河神社(弁財天)で、夏越の大祓式をやっていて、一部始終を体験してきました。茅の輪くぐりの作法も初めて知りました。ここでは、形代は「禊の河原で拝流」されるとのこと。神職のあいさつにも「この度の疫病」という言葉がありましたが、「俗世の課題は俗世の人間の責任で」には全く同感です。

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  3.  形代(人形)は水に流すの古くからのならわしですが、現代ではそうもいかないと言ったところです。
     茅の輪は8の字で回ると言いますが、大切なのは「水無月の夏越の祓する人は、千歳の命のぶというなり」と唱えながらくぐることです。声に出すと、古人がいろんな自然災害等に困りながら茅の輪(神仏)にすがった気持ちが判ってくるように思います。

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