2001年9月11日にアルカイーダによる米国同時多発テロがあった。それ自体は全く許せないテロであったが、これをきっかけにアメリカではアラブ系の人々やイスラム教徒に対して、異常なバックラッシュ(反発)が展開された。
そういう強烈な国際的ともいえる「世論」というか雰囲気の下でアメリカは、イラクのサダム・フセインが大量破壊兵器(ほぼ核兵器)を隠し持ってテロリストを支援していると喧伝し、2003年3月にイラク侵攻を開始した。
今頃なぜそんなことを書くかといえば、当時の日本政府も主要メディアもアメリカ発のそういう喧伝を一緒になって拡散していて、私なども、核兵器は別にしても、相当な大量破壊兵器をフセインのイラクは持っているのだろうなあと、なんとなく信じたからである。
しかし、フセインは2003年12月に米軍に拘束され、2006年に処刑されたが、結局、大量破壊兵器はイラクのどこからも発見されなかった。
これは後にアメリカ自身も、そして有力な支持国イギリスも「誤った判断によるものだ」と反省したが、日本政府はその支持を一切反省しなかった。
このとき、一時的とはいえアメリカ発の嘘の情報操作によって、それを信じた自分自身がいたという苦い反省が今も心の底にある。
さて、この1月3日午前2時、トランプ大統領は議会への通知さえなく米軍をベネズエラへ侵攻させ、マドゥロ大統領夫妻を拘束し、「適切に政権移行できるまでは同国をアメリカが運営する」「米企業がベネズエラの石油事業を立て直し、利益は同国や米国に還元する」などと発表した。
2003年に騙された私は声を大にして言う。
これは国際法違反の侵略行為である。主要な狙いはベネズエラの石油利権である。・・と。
マドゥロの政治如何にかかわらず主権国家に軍事力で侵攻するのは国際法違反である。
そして「トランプにノーベル平和賞を」と公言していた日本国首相である。日頃「法の支配」などと大見えを切っていたが、現実の問題に直面すると「国際法を守れ」とすら言わない。
ついこの間まで中国の軍事演習を批判していたのではなかったか。
この首相は安倍晋三譲りの詭弁の達人だから、もう一度言うが、我われは騙されてはいけない。
トランプは次はホンキでグリーンランドを取りに行く。

テレビのコメントやネットの中には「ベネズエラで抑圧されていた人々が喜んでいることも報道すべきだ」という意見もあるが、それならロシアあたりが「日本のジェンダー不平等で女性の地位は不当に低いから是正する」とか言って侵攻してきたら「喜んでいる人もいる」というつもりだろうか。
返信削除本文で「マドゥロの政治如何にかかわらず」と書いたが、それでも主権国家に他国が軍事力で侵攻するのは正しくない。