2024年3月26日火曜日

人を幸せにする漢字

   七十七才がなぜ喜寿かというと、喜という漢字の草書体「㐂」が七と十と七であるから(左下が十)だが、この異字体を知らないと由来が理解できない。

 25日付け赤旗に早大笹原教授の「漢字学」の、それこそ「学問はおもしろい」話があったが、見出しのとおり「伝統は刷新しながら続いてきた」というのがおもしろい。

 小学校で「ガリ切り」をして謄写版で学級新聞を作ってきたわれわれ世代には、こういう異字体、略字、俗字というのは珍しくもなく、就職してからも、そして労働組合活動に参加してからも、冒頭の七十七才の「才」をはじめ、仂、耺、卆、巾、そのほかに、画数を減らして一部カタカナなども採用した、現在のJIS規格の文字では出てこない文字が普通に使用されていた。
 後世の人がこれらを読むときの感覚はある種の「古文」となるだろうか。

 近ごろ私などは文章を筆記するよりも打つ方が圧倒的になっているから、ある意味画数の多さは苦にならなくなり、結果として正字に戻りつつあるのも我ながら感慨深い。

 原理に近い台湾、独自の簡体字に進んだ大陸、そして独自の新字体の日本、キラキラネームも含めて漢字は将来どちらに向かって変身していくのだろう。
 笹原教授の「笹」は国字、長谷やんの「長谷」は枕詞に由来する。
 昔から先人たちはけっこう漢字で遊んでいたのでは。

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