2024年3月18日月曜日

殺すなかれ

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日(日曜日)の朝は5時前に起きたので、見るともなくNHK Eテレの『心の時代』を見ていると、明治学院大学阿満利麿名誉教授が親鸞の歎異抄の教えを語っていて、その(歎異抄の)実際の表れとして高木顕明(けんみょう)師のことを紹介していた。

 和歌山県新宮市のお寺の僧侶であった高木顕明師は、日露戦争当時の大逆事件のでっち上げに連座して獄中で死亡しているが、「仏の教えに人殺しはありえない」と徹底して非戦論を唱えた僧侶だったが故に弾圧された。阿満教授は「それこそ歎異抄の教え」と語られていた。
 その後の明治から昭和前期の時代は、大教団のほとんどが「戦勝」を祈る時代に入り、高木師も僧籍除籍などとなっていたが、真宗大谷派は実に90年後の1996年(平成8年)、僧籍復帰・名誉回復の措置をとった。(大逆事件では他に曹洞宗、臨済宗妙心寺派の僧侶も弾圧されている)

 私はウクライナやガザを思い浮かべて、「徹底した非戦論」の実践についてあれこれ考えたが、・・・一般論だが、昔、職場の先輩TMさんと話し合ったとき、先輩は人を殺すよりも殺される方がましだと言い切ったことを思いだしたり、片や、ウクライナの青年が祖国のためにと家族と別れて前線に向かうのを「君は間違っている」とはとても言い切れないなどと迷ったり、結局、結論の出ぬまま卑怯かもしれないが、ただ真の宗教・宗教家とはそうなのだろうと、ただただ尊敬し、首を垂れるのみだった。

 さて15日には、公明党と自民党が武器輸出の大幅緩和について合意した。
 早い話が憲法9条は仏壇?の奥に引っ込めて、公然と、日本人の作った武器で人殺しが世界各地で展開されることになる。言っておくが、歯止めなど嘘八百だろう。
 宗派を問わず仏教界には不殺生という重要な戒律があると考えていたが、現世の「ご利益」のためなら不殺生戒もなんのそのと説く教団?もあるようだ。
 歴史の勉強が今ほど大切な時はないのではないだろうか。
 過去に目をつぶっていては明日は語れない。諸兄のご意見を賜りたい。

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