2024年3月9日土曜日

木に登るな

   わが家からそう遠くないところに、ちょっとした広さの公園がある。
 その公園の半分というか公園の隣というか、そこには元々自然の小山があり雑木が茂っている。遊歩道もある。
 私はその公園をよく散歩するのだが、そこにはそう珍しくもないものだが「注意書き」の看板が立っている。
 それを見ると、これもそう珍しくもないが「木には登るな」との注意(禁止)事項もうたわれている。

 確かに、桜などの細い木に子どもが登って枝を折れば花見に支障が出る。いや、近頃のことだから、子どもが木から落ちて怪我でもしたら行政(自治体)の管理責任が問われるのが怖いかもしれない。
 でも、古くは「おはなはん」ではないけれど、子どもは木に登るものではないのかと私は違和感を覚えた。そしてそんな感想を妻に語ったら・・・

 『「木登りは木を傷つけず自分も気をつけて」と書いていても、近頃の子どもは誰も登ろうとも思わないだろう』と返ってきた。
 そうかもしれない。
 転居する前の家では道側にブラックベリーを植えていて、「黒く熟れた実は自由に採ってください」と表示したが、大人は採ったが子どもたちは逡巡し、そんなところに私が出ていこうものなら子どもたちは驚いて逃げ出したという記憶がある。

 でも、それでいいのか。あれも禁止これも禁止と書いておけば責任はないという社会は健全か?
 なにか嫌な世の中のような気がする。
 自然の木にロープでブランコを作って、「すべて自己責任」と表示しておきたいが無理だろうなあ。

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