2022年1月22日土曜日

「感染対策で社会が壊れる」論に違和感

   テレビの向こうから、「コロナ自体で社会が壊れるよりも、感染対策のレベルが高すぎるから社会が壊れる」というような声が大きくなってきているように感じる。

 PCR検査をやたらにするから無症状の感染者まで発見され、その人の濃厚接触者が爆発的に把握され、そのために保健所や医療体制が大変なことになっている。 オミクロン株は重症化リスクが低いからインフルエンザ同等と考え、PCR検査の受付などはやめて、発症して治療が必要な者に絞って医療資源を集中すべきだ。 社会の経済的損失を斟酌すれば入国管理も撤廃すべきだ‥というような声である。

 しかし私は次のような点で違和感を感じている。

① 私がPCR検査会場に並んだときの印象だが、暇な老人がやたらに並んで濫用している印象はなく、奈良市、木津川市、精華町から近くて、急行停車駅から直ぐの会場にも拘らず人数はそれほど多くなく、それでも1日3人程度という絶対数が少ない枠のため私は受けられなかったが、結局、この検査によって不必要な者まで感染者数等が増えているという事実認識は正しいだろうか。

② オミクロン株は重症化リスクが低くインフルエンザ並みの第5類に引き下げよということだが、現状は母数である若年層の急拡大という条件下での統計数字ではないだろうか。高齢者の重症化リスクも低下しているだろうか。さらに、すべてがオミクロン株に置き換わったわけでもないし、この次の変異株が起こりえないこともないだろう。それに、統計数字で「低い」「少ない」「小さい」ということで命に係わる対応を論じるのも賛成できない。事実、私の孫も私自身も心臓に障害を持っている。もう第5類だ。罹った者が運が悪いと言わんばかりの論調は怖い。

③ 以上のことから、PCR検査が医療を崩壊させているなどという議論は逆立ちしているように思う。反対に、頻繁にPCR検査を行い、ワクチン接種の上に陰性が確認された濃厚接触者には待機期間を大幅に圧縮して各種の経済活動に復帰していただく方が社会のためにも良いだろう。

④ 蛇足ながら、PCR検査に要する費用は、米軍思いやり予算、政党助成金、官房機密費などなどいくらでも財源はある。

 確かに、倒産や解雇はできる限り防ぎたいが、そこがネックならここにも思い切って補償や助成をすればよい。そこを不問に付して「コロナか経済か」と語るのはどこかに嘘がある。

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