2022年1月22日土曜日

啄木鳥

   石川啄木の詩に『啄木鳥』があり、「聞け、今、巷(ちまた)に喘(あへ)げる塵(ちり)の疾風(はやち)  よせ來て、若(わか)やぐ生命(いのち)の森の精(せい)の  聖(きよ)きを攻(せ)むやと、終日(ひねもす)、啄木鳥(きつゝきどり)、  巡(めぐ)りて警告(いましめ)夏樹(なつぎ)の髓(ずゐ)にきざむ。」という一節がある。
 詩は全体を通して難解だが、ここでは啄木鳥は警告(いましめ)を刻(きざ)んでいる。

 ペンネーム啄木の由来はもっと単純な郷愁とされているが、本当にそれだけだろうか。そこに「木鐸」をイメージするのは買い被りだろうか。

 写真は啄木(キツツキ)の中で一番小さいコゲラ。
 元々は森の野鳥だが、都市が成熟して老木が増えるに応じて都市でも見かけるようになっている。反対にコゲラが来ない街は自然が貧弱ということになる。

 2018年11月23日のブログで四天王寺の鷹の止まり木を書いたが、そこ(源平盛衰記)ではキツツキは物部守屋の怨霊で聖徳太子の敵になっているのが可哀相だ。

 わたしはドラミングの音を木鐸の音として聞いている。


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