2022年1月24日月曜日

ジェンダー平等と皇位継承問題

   12月に『皇位継承問題有識者会議』が報告書をまとめたが、皇位継承問題は悠仁親王以降の皇位継承問題は全く先送りをして、専ら皇族の減少・消滅の危機に対応する皇族増加案に終始しているように見える。

 その理由は、皇室典範が「皇統に属する男系の男子」である皇族が皇位を継承すること、非嫡出子は皇族としない、皇族は養子をすることができない、皇族以外の者およびその子孫は女子が皇后となる場合・皇族男子と婚姻する場合を除いて皇族となることがない、皇族女子は天皇および皇族以外の者と婚姻したときは皇族の身分を離れると定めているからである。

 なお「男系」とは、父方のみをたどることによって天皇と血統がつながることをいい、一方、母方を通じてしか天皇とつながらないことを「女系」いう。

 つまり、日本国憲法第1条で天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とされているにもかかわらず、日本国民のおおむね半分を占める女性や多様な性を排除している現状を必死に固執している報告になっている。日本国民の半分以下の象徴でしかないことにならないか。

 国会の代表質問では、共産党志位委員長のジェンダー平等の提案に対して岸田首相は男女賃金格差の是正などを答弁したが、ほんとうに原則を踏まえてジェンダー平等に取り組むとすれば、女性天皇、女系天皇の議論は避けるべきでない。もちろん憲法にもとづいて女性・女系天皇を認めるべきだろう。

 相撲部屋の親方は娘が誕生すれば有能な力士と結婚して部屋が繋げると喜ぶと言われているが、大阪の船場の商家でも、「養子筋」の商家はぼんくら息子よりも有能な番頭に継がせて安泰だと言われてきた。こういうのを智慧というのではないか。

 だいたい「万世一系」論は横においても、「男系男子」論の大前提は事実上の「一夫多妻」制であろう。男系男子を伝統だと主張するなら一夫多妻を主張しなければ論理は完結しない。その場合、現代の「仁徳天皇皇后磐之媛」が怒り狂う事態が生じても私は知らない。

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