1994年4月29日、「恐怖の幽霊下宿」なるVTRが放送されたとき、下宿部屋に出現する幽霊に悩む医大生の依頼を受けて、桂小枝が検証に訪れるという映像。
しかし、検証とは名ばかりで、自称・霊媒師を呼んで幽霊がいるか聞き込みをしたり、桂きん枝と小枝が除霊師に扮してふざけたりするだけの、単なるお遊び的な内容に終始。
これに局長・上岡龍太郎が激怒。
「(このVTRで)何の実証もされてないわけでしょ?これをつくったディレクターは何を結論づけようとしているわけですか?」「『やっぱりお化けはいてる』という風にしたいわけですか?」と食って掛かり、「テレビのそれが一番僕はいかん!面白かったらいいわけやなくて、面白くてもそれによって何らかの影響力を与えると言う事を常々考えとかないかんわけですよ!」と、ついには「ディレクター誰?」と担当Dを呼び出して、「ものすごい危険なテレビですよ、これは」と公開収録中に説教を開始。
ついには「こんなこと許せません!絶対許せません!」と言ってスタジオを後にしてしまった。
私は実際にその番組を観ていて、実に痛快だった。痛快だけでなく、ほんとうにそれは大事な鋭い指摘だった。
実際、その頃、統一協会の霊感商法、合同結婚式が被害を広げつつあり、朝日新聞阪神支局襲撃事件があり、翌年にはオウム真理教の地下鉄サリン事件が起こっている。
上岡龍太郎の追悼番組なら、この先見性を是非とも語りメディアは自省してもらいたい。
だいたい念力でスプーンが曲げられるなら、安くて質の良い金属加工業を起こして社会を豊かにすればいい。また霊視(透視)できるなら福島原発の現状を分析して、スプーン曲げ者と力を合わせて安全に取り除けばいい。
私は多くの宗教や宗教者に寛容だが、統一協会のようなカルト団体とその利益を代弁する自民などの政治家は絶対に許してはならないと思う。
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