2023年6月15日木曜日

少子化は上手くいかない

 

   岸田内閣は13日に「こども未来戦略方針」を発表した。児童手当を拡充する、就労していなくても保育園に入れるようにする。育児休業給付金を引きあげ、育児時短給付金を創設するなど年に35兆円規模の政策を実現するが、財源は年末までに考えるというものである。

 これを見て私は、「こども戦略」ではなく「選挙戦略」のように感じた。財源も決まってないのに「あれもやります」「これもやります」と宣伝する。特に公明党の支持者に対しては制度問題でなく判り易い金額がよいと言ったところだろうか。

 この政策が全く意味がないとは言わないが、大きな2点、触れられていないのが大問題のように感じる。

 その一つは、現状認識であえて触れられていない非正規雇用の問題だ。児童手当が少ないから子どもが少ないわけではなかろう。景気に左右されたり、いつ突然職を失うかわからない低賃金で不安定な派遣などの非正規雇用を制限し人生の未来に希望がもてる雇用を確保するという視点が欠けている。ここの是正失くして少子化対策は失敗し続けるだろう。

 二つ目は財源だが、増税はしないが「支援金(仮称)」という保険料を徴収するらしい。税金であろうと保険料であろうと「公租公課」であることは同じだ。

 軍事費を5年かけて16倍、43兆円規模にし、さらに2倍を目指すことを止めなければ、「児童手当は増やすが医療と介護は減らす」という悪魔の選択となるしかない。

 解散総選挙が迫っているが、こんなインチキ戦略とその宣伝戦略を許してはならないと思う。

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