放送(アナウンサー)界が使う地名のアクセントについては、NHKの日本語発音アクセント辞典のような標準語的な(東京)アクセントを用いるべきか、それとも地元の住民が使用しているアクセントを用いるべきか、多くの議論があるようだが、地元放送局が使う場合は地元のアクセントも許容するような流れと見て取れる。私は許容に賛成する。
JOBKが河内(か→わ→ち)のことを「か↓わち」などと言うと、「ええかげんにしなさい」と言いたくなる。アクセントの背中には文化と歴史がへばりついているのだ。
放送局はそれでも許せるが、地元そのものである私鉄の(車内)アナウンスが、身内のような自身の地名・駅名を「へんちくりん」なアクセントで案内するのは如何なものかと考える。
利用する近鉄奈良線でいえば、生駒(いこま)のことを「い↓こま」と放送するので、次の駅は関東あたりかと感じてしまう。しかも可笑しいことに続けて英語で案内があり、そこでは「い→こ→ま」か「いこま」のように耳に馴染むのも面白いものだ。
日本語の名詞を外国語で発音する場合のアクセントの原則のようなものは浅学のため知らないが、例えば難波の場合、日本語、英語、中国語、韓国語で車内放送されるが、それぞれ異なるアクセントで放送されるのにどんな意味があるのだろう?と首をかしげている。
「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」という有名な川柳もある。
過日紹介した『大阪ことばの謎』で金水教授は「(大阪では)小学校の国語の授業で音読をするとき、クラス全員が声を揃えて関西アクセントで教科書を読み上げるのである。
この様子を初めて見た他地方の先生方の多くは、かなり驚くそうだ。なぜなら、いくら方言が強い地域でも、教科書を読むときは標準語アクセントで読むからだ。・・・国語の授業が即標準語の学習につながらないのが、関西という土地柄の不思議さである」と解説されている。
大阪メトロの車内放送で「次は まつやまち」とアナウンスされると「まっちゃまち」や、と口にする私が居ます。
返信削除匿名さん、ほぼ同感です。地名は地元のアクセントを原則として標準(?東京?)アクセントも許容がよくないですか?
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