端午の節句も近づき気ままにそれらしい本を読んだ。民俗学や歴史学の先生ではなく、数学基礎論の先生が文科系の学生の興味を引き出すために暦の講義をする中で生まれたという永田久著『年中行事を科学する』という本。
その中に端午の節句の柏餅が出てきて「柏の葉の表を外にするのが味噌入り、裏を外にするのが餡入り」というところでふと考えた。この歳になるまで味噌入りの柏餅を食べたことがない。
すると同日夕、KBS京都のリスナーである妻が、「京都では味噌入りの柏餅があるそうやが知ってる?」と聞いてきた。何というタイミング。
適当に信州あたりから関東にかけての柏餅かと思っていた、京都と聞いて捨てておけなくなった。
しかしわが家周辺というか、デパ地下も含めてお店の当てがない(見過ごしていただけかもしれないが)。
そんなもので、木津川市の木津の旧市内の和菓子屋を狙ってみた。木津はそれこそ奈良時代から栄え続けた街であるから、広い意味での京の伝統が残っていることだろうと考えた。
しかし、1軒目のけっこう古そうな和菓子屋さんにはなかった。2軒目の旧木津町のど真ん中のお店にもなし。これは京都の中心街にいかなければならないかと思いつつ、3軒目に行くと置いてあって巡り合えた。
写真は、わかりやすいように葉を半分めくったが、桃色が味噌入り、草餅が小豆餡入り。
味噌は白みそ、それと白あんを混ぜて作ってあるようだ。正直に言っておいしゅうございました。
これがどうして廃れたのかはわからない。この味噌餡は花びら餅の餡に似ているから決して下品な味でもないし。
ちなみに、ここの柏餅は味噌も餡子も葉はどちらも裏が外側だった。
柏は新芽が出ない限り古い葉が落ちないので家系が絶えないという縁起担ぎ。
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