2020年4月20日月曜日

共感疲労と平野教授の解説

 暗いニュース、苦しんでおられる方々のニュースを見すぎると心が疲労する。共感疲労という。人間性の豊かな人ほど影響を受ける。それは決して異常なことではなく正常な精神で、共感疲労を覚えない方がほんとうは精神が歪んでいる。
 そんな指摘をされる前からわが家ではテレビを消してラジオの時間を増やしている。というか、コロナのニュースを適当に遮断している。メンタルに一番よくないのは首相の会見と識見を持たない芸人(コメンテーター)のコメントである。

 首相の会見やワイドショーで疲れるのは、冷静な科学的説明以上に「大変なことになる」という不安感を煽って行動を自粛させようとしていることである。
 阪大元総長平野俊夫教授(医学博士、免疫学等)の言葉を借りれば、残念ながらこの対策はフルマラソンの持久戦になるという。
 だから、「この2週間、この1週間」と100メートル競走のように全力疾走すると完走は不可能になる。そして疲れ果てて緩んで再爆発もある。ペース配分が重要だ。

   さて、フランスの農相は移民が帰国したことによる人手不足という文脈ではあるが「外出を自粛して畑仕事をしよう」と訴えた。
 その言葉に心が半分フランス人になった私は夏野菜の植栽第一弾を行った。キュウリ、トマト、ナス、マッカウリ、マンガンジ、レタス、ルッコラ、バジルなどなどを1~2株ずつ植えた。持久戦モードである。
 そのうち虫にやられたり病気にやられたり連作障害がでたりするだろうが、そんなマイナス思考を忘れて夢見るこの時期はメンタルに非常に良い。

 メンタルだけではない。この間から、田中修・丹治邦和著『植物はなぜ毒があるか』(幻冬舎新書)を読んでいるが・・・、
 植物たちがもつ有毒な物質は、動物に食べられることから植物たちのからだを守っていることは確かな事実で、また、それらの物質は、病原菌の感染から植物自身を防御している。
 例えば、檜(ひのき)の香りのヒノキチオールは、人間の肺炎球菌の増殖を防ぎ、その種の肺炎に有効とされている。

 そも森林浴の主役のフィトンチッドはロシア語でフィトン=植物、チッド=殺すもの。森の香りが抗菌・殺菌作用を持つことに由来している。
 車か自転車か徒歩で遠くない森に行くのが、共感疲労で疲れたメンタルの有効な回復方法だろう。

 この本ではないが、本来コロナウイルスも森の奥で野生動物と共生していたものが、人間が行った自然環境破壊から巡り巡って人間界に変異して登場してきたものだという見解もある。

 重要な補足として平野教授の解説の一部を掲載する。
 新型コロナウイルスにはワクチンも治療薬もない。この客観的事実を押さえつつ・・・、
 1 何もせずに放置すると終息するまでに、日本で最悪70万人から250万人、世界で1億9千万人が死亡する。
 2 ワクチン開発には少なくても2~3年あるいはそれ以上かかる。
 3 治療薬の開発には5~10年かかる。既存の薬で効果があるものがあれば数か月で使用可能という可能性はないことはない。
 4 日本で流行が終息したとしても海外から流入するし、国内でまた流行する。そのような流行の波を作りながら最終的に国民の30~60%が感染して免疫を獲得するまで終息しない。
 5 まずは丁寧な手洗いを頻繁に行う。玄関で70%エタノールか0.05%次亜塩素酸で消毒してから家に入る。さらに石鹸で丁寧に手洗いする。食事の前、料理の前、その他こまめに石鹸で手洗いする。
 6 3条件(3密)を避ける。(密閉空間(換気をする)、近距離での会話、手の届く距離に多くの人がいる)。
 7 このウイルスは細胞膜が脂質でできているので界面活性剤(石鹸)で簡単に破壊される。飛沫感染なので以上の3条件を守り手洗いを頻繁に行えば感染リスクを限りなくゼロにできる。
 8 睡眠を十分にとり、過労を防ぎ、栄養価の高い食事で免疫力を十分に維持する。
 9 幼児や若い人も重症者や死亡者が出ているので安心しない。
 10 空気感染でなく飛沫感染であるので手洗いを励行し3条件を厳格に実行すれば感染は防ぐことができる。過度に恐れることはない。あくまでも冷静に。

   萌えいづる若葉の香りと鳥の声

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