そういうおぞましい出来事が国会の場で総理大臣によって行われた。
そのことを批判したいので、私はその事実を先ず首相官邸のホームページよりそのまま転載する。
令和元年10月4日、第200回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説の最後の章である。
五 おわりに
百年前、米国のアフロ・アメリカン紙は、パリ講和会議における日本の提案について、こう記しました。
一千万人もの戦死者を出した悲惨な戦争を経て、どういう世界を創っていくのか。新しい時代に向けた理想、未来を見据えた新しい原則として、日本は「人種平等」を掲げました。
世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされました。しかし、決して怯(ひる)むことはなかった。各国の代表団を前に、日本全権代表の牧野伸顕は、毅(き)然として、こう述べました。
「困難な現状にあることは認識しているが、決して乗り越えられないものではない。」
日本が掲げた大いなる理想は、世紀を超えて、今、国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則となっています。
今を生きる私たちもまた、令和の新しい時代、その先の未来を見据えながら、この国の目指す形、その理想をしっかりと掲げるべき時です。
現状に甘んずることなく、未来を見据えながら、教育、働き方、社会保障、我が国の社会システム全般を改革していく。令和の時代の新しい国創りを、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。
その道しるべは、憲法です。令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法審査会ではないでしょうか。私たち国会議員が二百回に及ぶその歴史の上に、しっかりと議論していく。皆さん、国民への責任を果たそうではありませんか。
——以上が、国会の場で行われた首相の発言である。
これはほんとうのことか。以下、私が納得している日本共産党のホームページの若林明名の小論を紹介して首相演説への批判としたい。
事実は武力で植民地支配
安倍晋三首相が4日の所信表明演説で、日本が第1次世界大戦の戦後処理を話し合った1919年のパリ講和会議で「人種平等」提案を行ったことをあげて、「世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされた」などと述べました。日本が植民地主義に反対していたかのような主張です。しかし、これが「厚顔無恥な世界史のわい曲」(日本共産党の志位和夫委員長)であることは、歴史の事実を確認すれば明らかです。
「武断統治」
そもそも、「人種平等」提案を行った1919年、日本が不法・不当な「韓国併合」で植民地化(1910年)した朝鮮では、日本の植民地支配に反対する「三・一独立運動」が全土に広がると、日本は、これを武力で徹底的に弾圧しました。
当時の日本の植民地支配は「武断統治」といわれる強権的なものでした。朝鮮を日本の領土の一部としながら、朝鮮人には大日本帝国憲法でかろうじて保障されたわずかな権利さえも認められず、いかなる政治運動も政党も認められませんでした。
他方、日本が、パリ講和会議で最も重視した問題は、第1次世界大戦で敗北したドイツが持っていた中国・山東省での権益を奪い取ることでした。
日本は第1次世界大戦に参戦し、1915年に「二十一カ条の要求」を中国に突き付けます。南満州と東部内蒙古(内モンゴル)や山東省の支配権の引き渡しをはじめ、中国政府の各部門に多数の日本人の政治・軍事顧問を配置するなど、中国政府を日本の支配下に入れようとする要求でした。日本が、朝鮮の次に植民地化を目指したのが中国であることは明らかでした。
パリ講和会議で山東省の領有をめざす日本に、植民地支配に反対する考えなど毛頭ありませんでした。
アメリカなど当時の大国が、日本の要求を認めることが発表されると、中国で大規模な抗議運動=「五・四運動」が起こります。
侵略を推進
日本は外交交渉で領土拡張が進まないと判断すると、1931年の「満州事変」を端緒に、武力での侵略をすすめることになります。それが、アジア・太平洋地域で2000万人以上、日本人300万人以上の命を奪って日本自身が破滅したアジア・太平洋戦争へとつながったのです。
安倍首相が歴史の事実を全く無視し、日本が植民地主義に反対したかのような“虚言”を弄(ろう)する姿勢こそが、日韓関係を悪化させる大本にあります。(若林明)(引用終わり)
敗戦前の明治帝国憲法下の政府や軍部が、退却を転進、全滅を玉砕と言葉をすり替えて、事実を隠蔽し歪曲したように、安倍内閣のその種の言いかえと事実隠しは酷い。
思いつくままにあげると、
情報隠し=特定秘密保護
武器輸出=防衛装備移転
ヘリ墜落=不時着
移民=外国人材
米国貢献=国際貢献
カジノ=統合型リゾート
もんじゅの原発事故=・・・事象
スーダンの戦闘行為=衝突
空母=多用途運用護衛艦
「嘘も百回言えば本当になる」とはナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスの言葉である。
前述の所信表明演説をあえて批判する真意を理解してほしい。
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