月像幢 |
恐れ多くも(このフレーズはジョークであるが)、今月、まもなく新天皇の即位式(即位礼等々の儀式)が行われるが、即位式や元日朝賀という皇室の最重要儀式のみに用いられる調度品の一つに『宝幢・四神幡』がある。
いうまでもなく四神幡とは、青龍旗、朱雀旗、白虎旗、玄武旗であり、宝幢とは、烏形幢、日像幢、月像幢である。
新天皇の即位式に合わせて、その3分の1の復元品が、いま平城宮趾大極殿に特別展示されている。なかなか立派なものである。
正倉院宝物やキトラ古墳・高松塚古墳の壁画を参考に復元されたそれは見事なものだが、ナントその月像幢には、月桂樹の下の瓶の左右に兎と蟇蛙がいるではないか。
皇室の最重要調度品の一つである。「日本人は月に兎を見るが蟇蛙などは見ていない」というのは全く事実でない。
「知らなかった」というのは日本史を知らないということである。
余談ながら、日像幢と、中央に立てられたこれも太陽の象徴とされている烏形幢にいるのは三足烏である。
サッカーの応援で三足烏を日本固有の文化・歴史だと信じておられる方にも申し訳ないが、これらの淵源が中華文明の神話と道教にあることは間違いない。
だからといって何も卑下することはないが、西欧の人々がはるかギリシャ文明を尊敬しているように、日本人もそういうアジア文化の歴史も素直に評価しておく必要があろう。
林鄭月娥という人が香港に居て、日本では新天皇の即位を記念して烏形幢、日像幢、月像幢が展示されている。奥深いアジアの文化ということでいえば、どちらもなかなかに面白い。
アジア史的な教養のあった上皇(平成の天皇)のことは9月2日の次の記事に書いている。
https://yamashirokihachi.blogspot.com/2019/09/blog-post_2.html
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