2019年3月9日土曜日

すり替え仮面

   孫に付きあって観ているテレビの『おかあさんといっしょ』の中に『すりかえかめん』のコーナーがあり、元の絵の一部を一瞬にして別の絵にすり替えるが、最後はこどもたちに見破られて「あー!なんで見破られたんだ!!ガックリ」と言って退場する。

 こんなのは子供向け番組だけのことかと思ったら、大人向けのすり替え仮面が登場したので驚いた。
 番組名は『都構想』とやらで大阪府知事と大阪市長が職務を投げ出して選挙をするという。
 で、出直し選挙だと当選しても残余期間しか任期にならないからと、知事と市長の候補をすり替えて立候補する。
 投げ出し選挙のすり替え仮面だ。

 プーチン大統領がロシア連邦憲法の連続3選禁止規定を踏みにじって、忠実な部下であるメドベージェフを大統領にして自分は首相にすり替えたのと同じレベルの脱法行為である。
 脱法行為とは、文字面では明確な禁止規定がないことをいいことに、明らかに立法趣旨を踏みにじる行為のことである。世間ではそういう行為をするものを詐欺師という。

 そういえばイロハのイである「都構想」という言葉からしてウソであり、彼らの期待する案が通っても大阪市が無くなるだけで大阪都は実現しない。
 ただ、大阪府の中核を担う政令指定都市が無くなり幾つかの区に解体されるだけである。
 東京の世田谷区などは特別区以上の政令指定都市になりたいと言っているが、予算を含め権限の強まる政令指定都市にして行政を充実させたいと思う方が、少しは法律や地方自治を考えたことのある者の常識である。

 そういえば2015年の住民投票の際に維新は「これが最後の機会だ」と煽って運動を行った。それもウソだった。

 「二重行政だ」という目玉のキャッチフレーズも、市立住吉市民病院を廃止して産科・小児科の患者を放りだしたというのが現実だ。
維新市政によって大阪の「格差と貧困」の広がりはどの大都市部よりも深刻さを増している。
そのうえ維新は、「国保」の負担増や医療・福祉サービスの削減、防災そっちのけでの「カジノ誘致」、異常なまでのテストと競争おしつけによる教育破壊、「何でも民営化」による自治体の役割放棄など「異質な悪政」をすすめている。

ゴリ押しを進めているカジノのことを言えば、カジノは府民の不幸を食い物に、その儲けをアメリカのカジノ大手資本に売り渡すものである。

大阪人ならここは「ええかげんにしなさい!」と言ってチャンチャンとしないと大阪人の名が廃る。
こんな、職務投げ出し・すり替え仮面には「あー!なんで見破られたんだ!!ガックリ」と言わせて退場させたいものである。

   春愁や裏取引に似非公約

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