誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く、・・久しぶりにその冒険(ノンフィクション)に付き合った。
今回の柱は言語。登場するのは、英語、フランス語、リンガラ語、ボミタバ語外コンゴの民族語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、ビルマ語、シャン語、中国語、ワ語。
教科書的な話ではなく、探検に必要なために体当たりで習っていく。辞書も教科書もないような言語の世界で会話を切り開いていく。その中で言語周辺の文化について気付いた話も興味深い。
例えば、「未開の前近代社会には挨拶語がない」ということなどもそうで、もちろん敬語などと言うこともそう。
そんなところを読むと、「紀州弁には敬語がない」と司馬遼太郎が書いていたことなども思い出し面白かった。決して和歌山が未開だとは言わないが全く的外れでもない。この話を和歌山人と話すと「徳川御三家だから敬語を必要とする目上がいなかったからだ」と言う。ただ大和の言葉は紀州と似ているから、地味が肥えていて小さな集落で豊かに一生を終えることができたからかもしれない。
スマホの翻訳機能も格段に進歩し、過去にこのブログで触れたが、外国人が菅原道真の歌碑にスマホを照らすと即翻訳した文字が出る時代になった。
さて、世界語はひとつに収斂されていくのだろうか。もしかしたら世界は英語圏と日本語圏だけになるのだろうか。それほど日本語は世界的には孤児であるらしい。
語学音痴の私も大いに読んで楽しかった。