2023年4月29日土曜日

蛇籠編む

   歳時記をパラパラとめくっていると、晩春の季語の中に「蛇籠(じゃかご)編む」があり、享保19年刊の句集に「蛇籠にて若竹ばかり残りけり」があるとあった。

 蛇籠というと、昭和40年代前半(1960年代後半)に労災保険料率適用の仕事をしていたとき、この蛇籠を作って工事をするという事案があり、「蛇籠とはどんなものですか?」と上司たちに尋ね回ったが、誰も知らないというので大いに悩んだ記憶がある。
 今でも覚えているから大いに悩んだものだ。
 事務系の部署にはそんな文献もなく、どうして蛇籠に辿り着いて解決したのかは記憶にない。

 いまだと、ネットで蛇籠と検索すると1秒もせず上の写真が出てくる。
 現代は丈夫な金網が多いが、昔は竹でこのような籠を編み、その中に石を詰めてそれを護岸などに埋めて河川等の改修工事を行うもので、大蛇のような形状から蛇籠というのは良く分かる。

 中村哲さんがアフガンで用水路を造る工事をしたが、先進国の援助がなくても現地の住民たちで維持・改修工事ができるようにと、あえて蛇籠工事をした。竹ではなく丈夫な金網だが。

 というように、若い時分に大いに悩んで今でもその言葉に反応してしまうような「蛇籠」だ。それがなんと歳時記に載っていたものだから、変に感慨を覚えている。

1 件のコメント:

  1. 私は、工事用物「蛇籠」について、青年部ハイキングで、M先輩かY先輩に教えて戴いたと、記憶の辻褄合わせをしてしまいました。教えて戴いた方は違う方かもしれません。

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