2023年4月3日月曜日

実証主義を読む

   「症状固定ということですか?」と主治医に尋ねた顔面神経麻痺の後遺症で非常に文字が読み辛くなった事もあるし、430頁という分量もあるが、何よりも正確を期すための多くのデータ等の引用もあり、読み終えるのにおよそ1か月程を費やした。
 面白くないから読書が進まないのではなく、面白いけれど進まない本だった。そういう性格の本としては久しぶりの本だった。

 第1章 纏向遺跡論
 第2章 日本国家の起源を求めて
 第3章 王権誕生への道
 第4章 王権の系譜と継承
 第5章 卑弥呼共立事情
 第6章 卑弥呼とその後

 盟主不在の「倭国乱」ののち、3世紀初頭、卑弥呼を初代大王として奈良盆地東南部の纏向の地にヤマト王権は誕生した。
 本書では纏向遺跡から出土した数々の遺構と遺物を詳細に紹介し、この遺跡がヤマト王権の最初の大王都だったことを明らかにする。
 王権はいかなる背景のもとに、どのような経緯をへて成立したのか。
 考古学の成果と中国史書の精読から導き出された、東アジア世界におけるこの国の国家形成史の新しい枠組みを提示する。以上がキャッチコピーである。

 大いに関心する箇所も多いが、これまで持っていた疑問の内で解けないものも少なくない。
 主に考古学的な新しい発見があれば、この本と比較参照しながら考えたい。
 何よりも安易に「邪馬台国」としていないところが良い。

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