2022年10月26日水曜日

協会はchurchでない

   先日、久しぶりに旧友たちが集まった。その折、なかなかに頭がきれてジョークが豊富なA氏が「おもろいのがある」とネットに投稿された画面をB氏に見せてくれたという。

 それは、日本共産党の「統一協会の対策会議」の会議名を記した看板が「統一協会」になっていると「協」の文字に赤丸印をつけて、「誰も間違いに気づかない」とコメントされているものだった。

 日本共産党が誤字を見過ごしたという逆立ちした話が出回っているようだ。ついては、以前にもこのブログで書いたことだが、改めて「統一協会」という表記について書いてみたい。
 内容に賛同されるならどうか正確な事実を拡散してほしい。

 そもそも今問題になっている「世界平和統一家庭連合」の旧名称は、正式には「世界基督教統一神霊協会」だから「統一協会」と略称するのが自然であり、初期にはメディアも統一協会自身もこの略称を使っていた。
 例えば1964年7月7日付け朝日新聞は「親泣かせの『原理運動』」と告発した記事でも「最近は『統一協会』という」と書いていた。

 その後、原理運動や霊感商法が世間の批判を浴びたことから、統一協会側が普通のキリスト教会とまぎらわしい「統一教会」と称するように転じ、メディアにも「統一教会」と表記するよう執拗(しつよう)に求めてきた。
 「キリスト教」「教会」という文字を掲げることで、反社会的なイメージをチェンジしようという企みだった。
 そんなことで新聞社などが発行するハンドブックなどでは略語として「統一教会」とするようになり、いまでは多くのメディアが「統一教会」と書くようになっているが、それは本来のジャーナリズムからしても良くないことだった。

 このように、安倍政権下の「募ったが募集はしていない」的な言葉遊び、そのことで物事の本質を目くらましにする、庶民の持つイメージを誤った方向に誘導する、そういう事案の先行事例ということができる。

 もっと言えば、当事者が英訳でHoly Spirit Association for the Unification of World Christianityと、はっきりとここではassociation(アソシエーション)(協会)と言っているのをchurch(チャーチ)(教会)と書くなど、どこかに忖度してペンを歪めたとしか言いようがない。こんな答案は文句なく✖だろう。

 以上のとおり、この表記問題は、もちろん誤字というレベルのことではなく、いくつかの裁判でも敗訴しているような無法カルト集団の横車に負けて「統一教会」と書くか、どんな圧力にも屈せずに正確な「統一協会」との表示を続けるかという試金石と言ってもよいことだと私は思っている。

1 件のコメント:

  1.  この記事は正確を期すために、赤旗の読者室に尋ねた内容をベースにしていますが、あくまでも私がまとめた文章です。
     参考記事は、赤旗7月24日付け特集記事の注と、8月4日付け「校閲の目」に詳しく出ていて、日本共産党のホームページから繰っていって読むことができます。
     ある意味で面白い事案なのでできれば拡散をお願いします。

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