2022年10月21日金曜日

秋にウグイス

   〽 私しゃ真室川の梅の花 貴方またこの町の鶯よ・・ではないが、「梅に鶯」はこの国万民の決まり文句である。
 ところが、通常梅の開花の時期にはホーホケキョはほとんど聞かない。どちらかというと3月後半からの「桜に鶯」の方が正しい気がする。

 それでもこれほどの誤解というか共通した幻想が認められているのは、メジロをウグイスだと誤解・錯覚したためだろう。事実、圧倒的な「梅に鶯」の絵画は実は「梅にメジロ」である。

   選挙カーの「ウグイス嬢」ではないけれど、声はすれども姿を見せないのでこのような誤解が今現在までも続いている。

 鶯は藪からめったに出ないうえに、囀りの時期以外はチャッチャッチャッというかジャッジャッジャッというようなもひとつパッとしない地鳴きなので、ほんとうに「声はすれども姿は見えず」で、「ほんにおまえは・・」という漫才を思い出す。

 どういうわけか紅葉の始まった街路樹にウグイスがやってきた。
 やっぱり「似合わない」。既成概念がそうする。
 「秋には藪の中にいろ。お前は嘘でも早春がよく似合う」。私も勝手なものである。

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