2022年10月22日土曜日

殿様飛蝗

   以前に読んだ、前野 ウルド 浩太郎著『バッタを倒しにアフリカへ』はとても面白かったが、そのとき思ったことは「日本のバッタはもう倒されてしまったようだ」ということだった。私の周りではほんとうに見ることが少なくなった。

 私が小学校低学年の頃はあちこちに野原があった。野原というのは敬称で実態は焼け跡だった。そんな焼け跡もとい野原にはバッタがたくさんいた。

 そして今から40年ほど前、土地区画整理事業の原野のような土地にパイオニアとして住み始めたときにもバッタ(そのときはイナゴ)が大発生し、そのイナゴを脱糞させて炒めて砂糖醤油で絡めて子供たちと食べたりした。

 その後、街が整うのと比例してバッタは少なくなった、特に写真のような5センチを超えるような大きなバッタは少なくなった。名前は、その印象どおり、トノサマバッタである。

 奈良盆地の南部では今も”虫送り”の行事がある。テレビで放映されたりする。松明を燃やし子供たちが大声でシュプレヒコールしながら行進する。その昔は”単なる行事”ではなく、光に飛び込んでくる”誘蛾灯”のような実利のある行事だったのだろうか。
 そして、人力では及ばないほどの害虫被害に神の御利益を願うのは、ごく素朴な農民の心情だったのだろうか。そしてそして、デモ行進のルーツは神事であったような気がする。

4 件のコメント:

  1. 昭和30年ごろまで近所の原っぱで「イナゴ」を捕って祖母が佃煮のようにして食べさせてくれたのを思い出した。
     捕る方法は、10cmぐらいの竹筒の先に布の袋を結わえ、撮ったイナゴを竹筒の穴に押し込みポンポンと叩いて袋に落とすのです。これが結構楽しかったのですが佃煮は苦みがあって子供には無理でした。

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  2.  イナゴの佃煮、けっこう美味しかったですよ。

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  3.  イナゴの佃煮は信州の立派な郷土料理で、土産品です。

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  4.  もっと言えば、地球の食糧危機は昆虫食が救済してくれます かも。

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