2022年10月2日日曜日

ドツボにはまる

   10月1日から、一定の所得のある後期高齢者の医療費の窓口負担が1割負担から2割負担に、経過措置があるものの倍化(100%値上げ)された。
 例によって、そのニュースの「街の声」がテレビで流されたが、「いずれは辿る道だから」と値上げは辛いという声に被せて、「若者に負担がかかっているのだから高齢者は我慢すべき」という声が大きく取り上げられていた。
 さて、一見「公平」に見えるこの報道姿勢は正しいだろうか。
 財源はほんとうに若者にシワヨセられているのだろうか。

 ニュース内の後者の発言者は、後期高齢者(医療制度)は協会けんぽや国保から脱退している事実を知らずに語っている。後期高齢者の医療費は若者の保険料で負担されているという間違った認識がある。(それを指摘・訂正せずに報道したテレビは許せない)。
 「風が吹けば・・」ではないが、結局社会保障費には予算(税金)が投入されているから、そういう意味で「若者にシワヨセ」というなら、そもそも国家や財政というものはセーフティーネットが重要な仕事でないか。
 あるいは、予算(税金)を考えた場合、向こう5年間で5兆円を超える軍事費の増額をこそ不要不急としなければならないのではないか。

 10代の頃先輩から出されてうなったクイズを思い出す。
 「田の字の9つの交点を4本(4角)の一筆書きで結べ」という有名なものである。
 うなったのは、「小さな既成概念から抜け出せていない」と指摘されたからである。
 「後者の街の声」は小さくない。既成概念というよりも、偽りの土壺から抜け出せていないのでないか。
 同じようなことは、多くの課題について、少なくない人々の頭を捉えている。

0 件のコメント:

コメントを投稿