都会の人間は暑いと暑すぎると文句を言い、寒くなると寒いと言い訳に使う。
しかし土はそんなわがままを許してくれない。
種まきの時期を逸するとうまく育たないし、水がきれると枯れもする。
何かを依頼してもあれこれ理由をつけて断られることがあるが、これが農業だと今シーズンは全滅することもあるのにと、心の中で寂しく思う。
そして同時に、土いじりは常に未来を夢見てする作業だ。
春なら春に種をまくとき、当然に連作障害を考えるから、来年の春、そして再来年の春も一緒に夢を見る。
もちろん今シーズンの収穫も夢を見る(しばしば裏切られはするが)。
これが林業だと、孫やひ孫のために植林するのだから、俄かファーマーにはその足下にも及ばない。
故CWニコルさんが森づくりをしていて、「あなたは完成した森を見ることは絶対にできないのに楽しいか」と尋ねられ、「完成した森を想像することができるし、その夢を見ることができる」と語ったのを講演で聴いた。
先日まいたウスイエンドウの芽が出てきた。その可愛さはペットと同じだ。
いま私は来春の豆ごはんの夢を見ている。
孫の凜ちゃんは豆ごはんが好きだ。きっと「ボーノ」と言ってくれるに違いない。
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