2022年10月4日火曜日

世界は広い

   10月2日の記事で触れたクイズの答はお解りだろうか。何かで答の知識をお持ちのお方は置いておいて、初めて考えて解くのはけっこう難しい(と思う)。

 答をいうと、どこから始めてもよいのだが、例えば④からスタートして⑦を結び、そしてここがポイントなのだがそのまま下に止めずに進み、少し先で「レ」のように曲げ(ここまでの縦線が1直線)、⑧と⑥を結んで更に上辺を右に伸ばした地点まで行き(これが2直線)、左へまげて③②①を結び(3直線)、①から右斜め下に⑤⑨と行く(4直線)で、4角(4つの直線)の一筆書きで9つの点を全て結んだことになる。

 高校1年生の折に先輩と哲学の話をしているときにこれを提出され、解けなかったことを今も覚えている。
 そのとき私が解けなかった理由は、この数学の世界を、勝手に外側の8つの点で囲まれた正方形の世界と信じ込んだことである。④から⑦を結んだ先の世界(点)や⑧から⑥を結んだ先の世界が想像できなかったことにある。

 もうお解かりだと思う。例えば、「消費税は福祉に使う」という言葉を前にして、「福祉のためなら仕方がない」というのと同じである。消費税の一部は確かに福祉に充てられても、従前からあった社会保障費国庫負担が減らされれば、答は福祉以外の富裕者減税、さらには増額された軍事費に使われたというのがモノの本質となる。

 囲まれた正方形のようなロジックに騙されてはならない。この正方形の外に大きく世界は広がっており、そこから俯瞰する眼がなければ我々はともすれば騙される。その行きつく先は洗脳の世界である。

 写真は直接的には関係ないが日の出である。太陽はすぐそこの森の後ろから出てきたように見えるが実際ははるか遠くである。日の出とともに星々は消えたように見えるが「見えないけれどあるんだよ」という詩のとおりである。地球全体に朝が来たように見える(思える)が、夜の国もあるし日暮れの国もある。当たり前だ。当たり前だが時々人々は勘違いをする。

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