2022年10月30日日曜日

くわ焼きの思い出

   季節はいま丁度、万願寺唐辛子が最盛期を迎えている。なのでセッセと食べている。
 一番手っ取り早いのはフライパンで炒めて醤油などで味付けをして、主たる副食の付け合わせにすることだが、半分に切ったものなどでは反り返っていてうまく火が通らない。

 そこで重宝しているのが写真のコテである。
 コテというのがほんとうの名称かどうかは分からないが、ネットを検索すると「肉押さえ」などと言ったり、単に「調理道具」としか出てこない。

 この道具を知ったのは20代で、道頓堀にあったくわ焼きの「たこ坊」だった。
 安くて美味しかったからよく行った。母親を連れて行ったこともある。
 そんなもので、この道具を道具屋筋で見つけたときには即購入したが、家庭でそんなにくわ焼きをする機会はなかった。
 だから専ら、焼くときにそっくり返る材料の、文字どおり肉押さえに使っている。

 これ自身を熱しておいてアイロンのように上から押さえると、ホッとサンドのようになるのもうれしい。
 それ以上に、こういう作業は料理そのものが楽しくなる。
 そして、遠い昔のたこ坊を思い出すのも悪くない。 

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