2022年9月23日金曜日

お彼岸

   23日はお彼岸である。お彼岸などというと何か古臭いイメージが漂うが、秋分の日というと天文学の薫がする。

 先日から彼岸花が咲き始めた。この「彼岸花は何故彼岸に咲くか」「彼岸花はどのようにして彼岸という暦を知るか」となると、これも相当高度な植物生理学になる。

 私の経験(観察)からすると、少なくない本やネット上の解説は首肯しがたい。

 その1,「日照時間の変化を感じて開花時期が決まる」説は考えられない。そもそも9月初旬までは土の中である。土表に顔を出してから日照時間を計っている余裕はない。
 その2,「気温ひいては土中の温度の変化を感じて開花時期が決まる」説も採用できない。
 けっこう権威のありそうな方がこういう説を堂々と述べておられる。
 気温差のある広範囲の土地でほゞ同時に開花する。朝夕の冷え込みに差のある高低差のある土地でもほゞ同時に開花する。もちろん、気温が何度以下になると開花の準備が始まるというのも事実と異なる。
 その3,「稲刈りが終わって畔の草刈りが行なわれたのを感じて開花する」という説まである。

 けっきょく私自身門外漢ながら、冬季に繁った葉あたりで春の到来を知り、その時期に花芽をタイマー付きで作るようだ。そのメカニズムは勉強不足で知らないが、猛暑の夏も冷夏の夏も、残暑の秋もそうでない秋も関係なく、葉もなく花もなく、ただただ土中でタイマーのなるのを待っているようだ。その正確さや畏るべし。

 自然界には人間の知らないことがいっぱいだ。


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