2022年9月10日土曜日

お月見団子

   今夜は雨月かもしれないが仲秋の名月。旧暦8月15日。
   貴家のお月見団子はどんな形?

   わが家が用意する(購入する)団子は楕円形で、左右はそのまま、中央部分に漉し餡をぐるりと巻いたものである。
 関西ではメジャーであるが、三宝に餡子なしの丸いお団子をピラミッド状に飾る絵本のようなものとは全く異なる。

 この「関西風」のお月見団子の形の由来については諸説あるが、私としては里芋の衣被(きぬかずき)に似せたものとの説に一番説得力を感じている。
 なお衣被とは、里芋を皮のまま茹でるか蒸すかして、仕上げに頭の方の皮をちょっと剥いておく料理であり、底と頭が白く、中心部分が里芋の皮のままで茶色いもので、似ていないかと言われれば似ていないこともない。デフォルメだと考えれば許容される。か?

 仲秋の名月は別名「芋名月」であるからなおさら納得するのだが、引っかかる点もないことはない。それは、お団子はハレの日のお菓子、それに対して里芋はケの家庭料理で京風にいえばおばんざい。格上と思われるお菓子で格下と思われる「惣菜」を真似るか・・という疑問。感覚的にすっきりしない。
 ただ、京菓子には季節の諸々を色や形に表す伝統があるからと考えれば何ということもないかも。

 それにしても、日本の食文化の基底には東南アジアからポリネシアにまで通じるモチモチ・ネバネバ文化が指摘されている。
 ある意味「舌は保守的」であるから、あれだけ圧倒的な中華文明の月餅を採用せず、遠い祖先の愛した(であろう)里芋を月に供えるのかもしれない。そしてお団子の形にしたりして。

 孫の凜ちゃんが祖父ちゃん手作りの満月の前でポーズをとってくれた。
 凜ちゃんは祖父ちゃんの家に行くと何時もお祭りだと思っている。お月見祭りだ。お月見団子だ。

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