2022年9月3日土曜日

イソヒヨドリは構造色を嫌わない

   この頃テレビでも「街なかに美しい鳥が」「街なかに美しい鳴き声が」・・その正体は?というようにイソヒヨドリが度々取り上げられている。
 わが街でも初見の10数年前から、今や「一番普通の鳥」になっている。

 「ところでイソヒヨドリは何を食べているの」と妻に尋ねられ、「私の知る限りバッタやトカゲを食べているのを見た」と答えたが、それほど本気で調べたことはない。

   そんな話をした日の午後、家の前にイソヒヨドリがやってきて、街路樹の椿に飛びかかった。一瞬何か光ったので「まさか玉虫?」と思ったが、すでに玉虫の季節は過ぎている。
 そこで、とりあえず写真だけ撮っておいた。道路上で突いているのを2階の窓から撮った。

 掲載の写真のとおり、上の写真の嘴のアップが下の写真である。コガネムシの仲間と思われる。
 木の実も食べるらしいが、私の見た記憶では昆虫類が多い。ならば、ザクッと言って「益虫」となる。
 でもね、毛虫や根切り虫の類はいいとして、タマムシをはじめとするきれいな昆虫は少しおいておいてほしいなあ。

 さて、タマムシやコガネムシなどの金属的な光沢は「構造色」といわれている。その仕組みはさておき、その美しさ故、昆虫少年には人気がある。そして誰もが「何故こんなにも美しく目立つ色をしているのか?」と疑問を抱く。

 モノの本によると、① 果樹園などによくCDがぶら下げてあるが、構造色(金属的光沢)は鳥が嫌うからである。② 葉っぱにツヤがある照葉樹に止まっていると目立たないから一種の擬態である。③ 鳥に金属片と思わせたり、よく似た堅い、あるいは不味い昆虫などと知って思わせて捕食を免れるのである。‥というような、いずれも進化論的な解説が書いてある。

 今回のコガネムシについては照葉樹である椿に止まっていたから②には該当するが、私のよく観察するタマムシはケヤキやエノキによく居て、それらは照葉樹ではないはずである。
 ③のそっくりさんの毒虫や不味い虫というのは今のところ私は知らない。①については農家の経験知だろうが、鳥に聞いてみなければ真偽は不明。

 実際の現実は、私の目の前でイソヒヨドリがコガネムシを捕食した事実であるから、「事実は権威(本)よりも奇なり」である。自然界に関わらず社会に関わらず、安易に通説なるものを信じるのはよくない。とイソヒヨドリは教えてくれた。

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